2022年7月、大井町駅東口からやや離れた静かな路地で開業した『こいさご』。難しい立地ながら、いまでは遠方から飲みに来る人も多い人気店となりました。店主の綿貫和人さんは、元営業マンで飲食業へは未経験からの脱サラです。この一年でどう変わったか、そしてこれからどんな酒場にしていこうと考えているのか、お話を伺いました。
本記事は銀嶺月山でおなじみの月山酒造のタイアップコンテンツです。
目次
コミュニケーションがお酒をより美味しくする
当サイトでは、1年前に『こいさご』オープン後すぐの様子を記事でご紹介しました。
店主の綿貫さんは、『こいさご』を開く前までは飲食店で働いた経験がありませんでした。前職は自動車の営業マン。飲食店の経験がない中で、20年勤めた会社を退職し、一念発起し居酒屋をオープンしました。
もともと酒場めぐりが趣味だったと話す綿貫さん。休日は各地の酒場を巡り、美味しいお酒や料理を食べるのが休日の日課だったそうです。
当サイトをご覧の皆さんも綿貫さんと同じ趣味の方が多いと思います。では、なぜ自分で酒場を開こうと思ったのでしょうか。
綿貫さん「酒場を始めるきっかけとなったのは、2020年から連続して行われた酒類提供自粛要請でした。飲みに行けない期間に、改めて酒場の価値を感じました。酒場には、お酒や料理を楽しむ場所というだけではない、居場所としての役割があることに気づいたのです。それで、自分の理想とする店をつくろうと決意しました」
――今も飲みに行っているのですか?
綿貫さん「はい、仕事の合間を縫って大井町のお店をまわっています。定休日には、昔から通っていた店を中心に、少し遠いところにも行っています。酒場が好きですから」
――酒場の見え方は変わりましたか?
綿貫さん「料理への探究心が以前より高まりました。自分で酒場をやっているからこそ、酒場の料理の美味しさに感動しています。自分の店もがんばろう!と思います」
――開店から一年。いま力を注いでいることはなんでしょう?
綿貫さん「長くお店を楽しんでもらえるように、旬の食材をつかった料理を増やしたり、定番メニューも入れ替えたりしています。例えば、看板料理の煮込みもいまは塩に変えています。お酒も同様に入れ替えています。私の中でお酒は戦隊ヒーローモノのように思っていて、主役のレッドはこのお酒、それを補完するように、コレとコレを入れて…と考えています」
――甲類焼酎と割材、そしてビールをメインにされていたイメージがありますが、1年経ってお酒のラインナップに変化はありましたか?
綿貫さん「日本酒がよく売れるようになりました。そのため、取り扱い数も常時10銘柄程度まで増やしています。システマチックにただお酒を売るだけというのは好きではないので、特定名称酒でも品書きにタイプは書かず、会話の中でご紹介するようにしています。酒場で飲むお酒は、そんなソフト的な面も含めて美味しさですから」
こいさごの料理とお酒のペアリングを考える
12月より山形の地酒「銀嶺月山」の特定名称酒4銘柄を数量限定で発売することになった『こいさご』。本醸造、純米酒、純米吟醸、そして純米大吟醸と、タイプのことなる地酒を縦方向に飲み比べできる貴重な機会です。
そこで、それぞれのタイプにあうお酒を店主の綿貫さんと一緒に考えてみます。
銀嶺月山 純米大吟醸
酒造好適米「山田錦」「出羽燦々」を磨いてつくる純米大吟醸。爽やかな香りと比較的しっかりしたコクがありつつも余韻やわらかな味です。
互いに味を補い合うという点で本日の海鮮ぬた(385円)が相性ぴったり。酸味と旨味が余韻に加わり、実にゆったりとした気分になります。
銀嶺月山 月山の雪 純米吟醸
出羽燦々を50%まで磨いた純米吟醸酒には、しらすオムレツ(385円)をチョイス。出汁としらすの旨味がお酒を進ませます。
座って落ち着いて飲めるのに、料理の多くが200~300円台とリーズナブル。趣味から飲食の道へ飛び込んだ綿貫さんは、一人で通ってくれるような常連さん向けの価格設定にこだわっています。
銀嶺月山 純米
低温発酵で米の旨味をしっかり引き出した山形県産米の純米酒。ふっくらとした米の甘味が香る、極めて純米らしいお酒なので、天ぷらと合いそうですね、と試したところ、これがぴったり。
甘い天ぷらとも合うのでは?とさつまいも天(220円)。素朴でほっこりとする良さがありました。
また、ひょんなことから日替わりメニューに加わったバナナ天(220円)も意外過ぎる組み合わせながら、なかなかどうして、ベストバランスです。
バナナ好きの綿貫さんが自分用に買っていたバナナを試しに揚げてみたことがきっかけだそう。なぜか人気なんですよね、と笑いながら話してくれました。衣の中はトロトロのバナナ。これはスイーツですね(笑)
銀嶺月山 本醸造
飲み飽きない本醸造を時間をかけて飲むのが好きな筆者には、この銀嶺月山 本醸造はたまらないお酒です。これはお燗も良さそう。ふわっと広がる旨味と米の香りが鼻に抜けます。余韻がしっかりとあるので、お燗ならば揚げ物と合いそうです。
そうして選んだのは、店の名物のひとつ、地養鳥のチキン南蛮です。タルタルソースしば漬入りでほんのりピンクのアレンジレシピ。ジューシーさと、福神漬からくる甘味と香りが調和していて、これはクセになる美味しさです。口の中の脂をさっと流す本醸造の役割も大きいです。
気軽にできる、食べ比べ飲み比べ
『こいさご』はお一人様で何度もリピートして欲しいというスタンスなので、料理もお酒も一人飲みでちょうどよい量と価格です。だからこそ、こうした飲み比べや食べ比べが気軽にできます。専門店とはまた違った視点で、のんびり味を比べてみるのも楽しいのではないでしょうか。
酒場はコミュニケーションも魅力の一つ。お酒のこと、料理のこと、そして酒場のことなど、お気軽にお話ください!と綿貫さん。
一年たって、日本酒と旬の料理がパワーアップした『こいさご』でした。今後の展望について、現在定休日となっている土曜日も営業したいということや、いつかは支店も開きたいという夢も語ってくれました。
これからも通います。ごちそうさま。
関連リンク
(取材・文・撮影/塩見 なゆ タイアップ/月山酒造株式会社)
店名 | 大衆酒場こいさご大井町本店 |
住所 | 東京都品川区東大井6-1-7 1F |
営業時間 | 営業時間 14:00〜23:00 日曜日、祝日14:00〜21:30 定休日 水曜日、土曜日 |
創業 | 2022年7月7日 |
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