清水『新生丸』漁師直営の老舗居酒屋!新鮮で豪快な刺身にうっとり

清水『新生丸』漁師直営の老舗居酒屋!新鮮で豪快な刺身にうっとり

静岡鉄道の新清水駅の近くで二代続く老舗居酒屋『新生丸』は、漁師の直営店です。そのため、桜えび漁の季節は臨時休業日もあります。特長はなんといっても、新鮮な駿河湾の幸。これほどの刺身は港町・静岡清水でも滅多に食べられないでしょう。

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港町の魚好きが集う人気店

駿河湾を代表する海の幸のひとつ「桜えび」。実は世界的に見ても大変希少で、日本では駿河湾でのみ漁が行われています。そんな桜えび漁に携わり続けてきた由比の一家がはじめた居酒屋が清水にあります。

店名は『新生丸』。往時は静岡駅前よりも賑わっていたという清水の歓楽街・花街「巴町・旭町」にあります。東海道線のJR清水駅からは路線バスで数分。徒歩で12分ほど離れています。現在はJR清水駅前のほうがにぎやかな印象がありますが、地元の私鉄・静岡鉄道のターミナル「新清水駅」は巴町側に設置されていることからも、かつて清水の中心街だったことが想像できます。

近くには、旧清水市役所(現在の清水市役所 清水庁舎)や、清水発の世界的食品企業・はごろもフーズ株式会社の本店が置かれています。

外観

さて、『新生丸』ですが、現在の大将は2代目で、もう半世紀近く営業しています。

紫色が印象的な看板類は旧店舗から移設されたもの。バス通りに移ったこともあり、以前より入りやすい雰囲気になりました。

内観

店舗は一度移転しており、現在の店は外観こそレトロですが、店内は安心して食事が楽しめる明るい雰囲気になっています。調理場を見渡せるL字のカウンター席と、その対面に掘りごたつ式の小上がりという配置で、大将の前、カウンターの中央が特等席です。

18時を過ぎると、近所の”魚喰い”な常連客が次々と訪れ、馴染みの顔が集まる和やかな雰囲気に包まれます。遠方から来た筆者のような利用者にも、皆さんが優しく接してくださり、大将を中心に皆さんと楽しい魚や酒に関する話に花が咲きました。

魚河岸で仕入れたり、大将や漁師仲間が釣り上げたりした魚が、所狭しと詰め込まれています。これでも、今日は控えめなのだそう。目が黒く、ハリ・ツヤがあって見るからに美味しそう。

品書き

お酒

  • 樽生ビール キリン一番搾り:小400円・中550円
  • 瓶ビール中瓶 アサヒスーパードライ、キリンラガー、サッポロ黒ラベル、サントリーモルツ:各600円
  • 瓶ビール中瓶 サッポロヱビスビール:650円
  • 日本酒 神沢川酒造場(静岡市清水区由比)正雪 各種:500円~
  • 日本酒英君酒造(静岡市清水区由比)英君 各種:500円~
  • 正雪 生酒:小800円・大1,900円
  • 陸ハイボール:600円

料理

  • 刺身 マグロ、カツオ、ハタ、平目、太刀魚、アジ、シメサバ、イカ、甘エビ、地ダコ、アワビ
  • 煮魚 キンメダイ、アカムツ
  • 焼魚 太刀魚、アカムツ
  • フライ アジ、エビ、太刀魚、イカ、ホタテ
  • ホタテバター
  • アワビ焼
  • イカゲソボイル
  • 海つぼ
  • 桜エビのかき揚げ
  • シーフード餃子
  • 自家製はんぺん
  • イカ寿司
  • 新生丸巻きずし

値段表示がなくてもご安心を。私は十分納得できる金額でした。

キリンラガー中瓶(600円)

今朝水揚げしたような魚がずらっと並んでいて、あれもこれも食べたくなります。逸る気持ちを抑えるべく、まずはビールをいただきます。樽生は一番搾り、瓶ビールはキリンラガーなど。

ビアタンにトクトクと注いで、それではキリンで乾杯

お通し

お通しから生しらすとは、さすがです。とれたてだそうで、プリップリ。こんなに弾力がある生しらすは久しぶり。ビールが進みます。

刺身盛り合わせ

一人前から刺身盛り合わせをだしてくれます。「今日は魚を食べる!」と目的をもって東海道線を途中下車したので、奮発しておまかせをお願いしました。そうしたら、この豪快さ。すべてが主役級の盛り合わせに思わず笑ってしまいました。すっごい。

静岡は磯から遠洋まで魚種豊富。清水で水揚げ量が多いマグロやカツオはもちろん、たち、はた、平目といった磯魚もずらっと盛られています。自家製のシメサバ、コリコリの真イカやモチモチの地ダコ、極めつけは肉厚のアワビ刺し。

「旅の思い出に美味しいものを食べて」という大将の心意気が感じられます。ホッコクアカエビ(甘エビ)以外は、駿河湾沿岸であがったものだそう。

肉より魚派の私は、背筋を伸ばして飲むように心がけていることも忘れて、もう魚に夢中です。

英君 純米酒(500円)

どの刺身もはずれなし。こんなに美味しい刺身を前にして日本酒を飲まないのはいけません。由比の酒蔵・英君酒造がつくる漁師愛飲のお酒をいただきます。酒も魚も、ともに富士の伏流水で育ったもの。同じ水だから、美味しいに決まっています。

生しらす酢

生しらすを食べ慣れている静岡の漁師さんが酒の肴として食べているという、生しらす酢をだしていただきました。裏メニューです。

小鉢いっぱいの生しらすに、すし酢程度に調整した酢を注ぎ、軽く醤油をたらしたもの。酢の酸によってしらすが白くなり釜揚げしらすのようになります。

新鮮な生しらすを酢で〆てしまうのはもったいないように思いましたが、これはこれで絶品です。

正雪 辛口純米 誉富士(500円)

酒が進むでしょう?と大将や女将さん。はい、もう最高です。

お酒が進みます。つぎは由比の酒「正雪」をお願いします。辛口でキレがよいお酒が多い静岡ですが、これはなめらかな印象もあり、刺身の繊細な旨味をそっと引き立ててくれるような味です。

ごちそうさま

煮魚や焼魚も食べたいと思っていましたが、目がさめるほど美味しい刺身にすっかり満足してしまいました。キンメダイの煮付けはまた今度のお楽しみということで、お会計をお願いしました。

ビールからはじめて日本酒をしっかり飲んで、5,000円ほど。また次回も清水駅で途中下車したいと思います。

なお、桜えび漁の時期は大将も漁にでるため不定休となります。以前私もお店の前まできて臨時休業を知り、とぼとぼと清水駅へUターンしたことがありました。遠方から飲みに行く方はお一人でもご予約されたほうが安心です。

ごちそうさま。

(取材・文・撮影/塩見 なゆ)

店名新生丸
住所静岡県静岡市清水区巴町9-23
営業時間17:00~22:00
定休日
日曜日

※桜えび漁シーズンは休み
創業半世紀 二代目