神田・小川町『豊島屋酒店』東京最古の酒販店で飲む、東京の酒「金婚」

神田・小川町『豊島屋酒店』東京最古の酒販店で飲む、東京の酒「金婚」

2023年11月27日

1596年(慶長元年)創業の『豊島屋酒店』は現存する東京最古の酒屋さんです。歴史の中で移転や酒造部門の分社化などがありましたが、2020年に創業の地に近い神田スクエアで小売兼立ち飲み(いわゆる角打ち)を復活。豊島屋の酒「金婚」の直売所的な存在です。

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仕事帰りに軽く一杯立ち寄りたくなる酒屋

江戸名所図会 鎌倉町 豊島屋酒店白酒を商ふ図 長谷川雪旦画 天保7年(1836)) 豊島屋のトレードマーク”カネジュウ”が画かれています。

「東京の酒」と言えば、何を思い浮かべますか。神田で誕生し、現在は東村山で醸造を行っている豊島屋酒造の「金婚」も、代表的な銘柄の一つとして知られています。

明治神宮と神田明神の御神酒にも選ばれているほか、東京の錚々たる老舗飲食店でも愛用されてきたお酒です。そんな金婚の直売所的な酒販店が神田錦町の神田スクエア内にあることはご存知でしょうか。

一見すると、再開発ビルの中にはいる新進気鋭のスタンドのようですが、実は100年ぶりに創業の地に帰ってきた歴史ある酒販店です。

品書き

  • クラフトビール キリン豊潤496:605円
  • クラフトビール 季節限定:605円
  • 瓶ビール キリンクラシックラガー:605円
  • レモンサワー:440円
  • 本直し:550円

金婚各種:275円~

季節限定酒:275円~

料理

  • 本マグロお刺身:ハーフ660円・普通1,100円
  • 自家製豆腐の味噌漬け:330円
  • 大きな手作りしゅうまい:220円/個
  • 季節メニュー 白子の天ぷら:660円

金婚の季節限定品がとびきり美味しい

豊島屋 金婚 十右衛門 純米無濾過生原酒 直汲み

安くさくっと楽しむならばお酒1杯と料理2品の晩酌セット(1,210円)を。せっかくの角打ちなのでいろいろ飲み比べたい方は、金婚の3種飲み比べセット(770円~)を選ぶのがスタンダードな楽しみ方だと思います。

私は直売所的な楽しみ方がしたいので、あまり一般の小売店に並ばないお酒をチョイスしました。今回選んだお酒は、搾ったばかりのお酒をそのまま瓶詰めしたという、文字通り「直汲み」のお酒、金婚 十右衛門 純米無濾過生原酒です。

目が覚めるような活きた酒の味がする。フルーティーだけど、それだけではない若い味わい。わずかに残る発泡感もクセになる美味しさ。

これからの季節は、秋あがりから新酒への移り変わり時期です。日本酒が最も楽しい時期なので、こうしたこだわりのあるお酒屋さんで、しっかりと管理されたお酒を味わうのは最高ですね!

本まぐろ刺身(ハーフ660円)

神田の歴史ある酒販店の看板料理が本まぐろというのは、きっと特別な水産卸との関係があるのでしょう。看板料理にふさわしい、相当立派な赤身とやや中トロ寄りの刺身がでてきました。

舌を包み込むようなねっとりとした鮪の脂の旨味は格別です。その余韻を残したまま、金婚をひとくち。幸せの瞬間です。

気になったのは、お醤油。酒販店としょうゆ、味噌は切っても切り離せない関係ですから、あえて下総醤油(ちば醤油・千葉県香取市木内)を選んでいるのでしょう。赤身のまぐろを引き締めつつ旨味が強いよい醤油でした。

ごちそうさま

軽く時間調整のゼロ軒目として利用するのがちょうどいいと思います。明るく清潔感があり、一人で立ち飲みは緊張するという方でも安心して利用できる一軒です。

近くの角打ち

神保町『阿波屋酒店』お客さんを笑顔にするご主人が明るく接客する地域密着の角打ち
東京都千代田区、神保町。本の街、大学の街、スポーツ用品の街。そしてはしご酒の街。 神保町から神田にかけて、老舗の酒場や角打ち、新進気鋭の立ち飲みが点在しています…
syupo.com

(取材・文・撮影/塩見 なゆ)

店名豊島屋酒店
住所東京都千代田区神田錦町2-2-1 KANDA SQUARE 1F
営業時間営業時間:平日:11:00~23:00
 酒販売:11:00~
 ランチ:11:30~14:30
 中休み:15:00~17:00
定休日:日曜日・祝日・土曜日(当面)
オープン2020年7月3日