神保町『阿波屋酒店』お客さんを笑顔にするご主人が明るく接客する地域密着の角打ち

神保町『阿波屋酒店』お客さんを笑顔にするご主人が明るく接客する地域密着の角打ち

2020年8月26日

東京都千代田区、神保町。本の街、大学の街、スポーツ用品の街。そしてはしご酒の街。

神保町から神田にかけて、老舗の酒場や角打ち、新進気鋭の立ち飲みが点在しています。人気のはしご酒エリアほど話題にはなっていませんが、駿河台周辺の歴史と文化を感じて散策しつつ、夕方からは酒場を巡るのは楽しいひとときです。

神保町散策のあとは、小学館本社の向かいにある「阿波屋酒店」はいかがでしょう。17時頃から店内での飲酒が可能な角打ち営業をしているお酒屋さんです。

創業は明治初期。現在は3代目が店を守ります。店名の通り徳島に由来のある阿波屋さん。今の店舗は地上29階建ての高層マンションの1階に入っていますが、創業の頃から変わらない場所にあります。

コンビニのような明るい雰囲気。スナック菓子、乾き物、缶詰などが充実しているほか、ワイン、日本酒、ビールも一通り用意された地域密着のお酒屋さん。

店内で販売されているお酒は、缶ビールからビンまで店内飲酒が可能です。ただし売価は店内料金になります。

店の一画に用意された角打ちスペース。イートインと言ったほうが良いかもしれません。白山通りを行き交う人々を眺めて、のんびり夕暮れのビールタイムといきましょう。

缶ビールは350ml缶で290円、新ジャンル(ビールテイスト)は210円。気になる銘柄を手にとって先払い。それでは乾杯!

珍しいスナックが豊富で、幼少の頃に戻ったような気持ちでお菓子選びをするのは楽しいものです。

缶ビールだけでなく、生ビールも取り扱いあり。かけつけ一杯、ぐいっと樽生一番搾りを飲むなんていいですね!

店内飲酒料は、一升瓶で+1,000円、四合瓶・五合瓶では+600円がかかります。

お店のウリは、お手伝いのお姉さんが手作りする店内調理の料理たち。枝豆、焼きそば、浅漬など色々揃っています。人気は、特製の唐揚げだそう。

日本酒の一杯売りがありまして、筆者的にはこちらがオススメ。老舗酒販店だけあって、お酒の品揃えに安定感ある藏のちょっと変わり銘柄を揃えていらっしゃる様子。

枡にビヤタンで用意頂いたお酒は、「真澄 純米酒 奥伝寒造り」(長野県諏訪市/宮坂醸造)。優しい味のお酒で、おつまみいらずにちびちび飲みたい一杯です。

せっかくですから、生ビールもいただきましょう。銘柄はキリン一番搾り。角打ちで生ビールが飲めるお店、最近増えましたね。

ご主人と話をしていると、昔の阿波屋酒店の様子を色々お話いただきました。その昔、神保町という場所柄、企業や官公庁への配達が大変盛んだったそう。自社の冷蔵トラックだけでは配達しきれないほどのビールを毎日のように運びこみ、問屋さんやビールメーカーも応援に駆けつけるほどの注文が続いたそうです。

いまも阿波屋酒店さんを贔屓にしているお客さんたちがいて、会社帰りに阿波屋に集合しているそうです。(コロナ禍の状況に合わせて)

夜になると通常の小売はおしまいにして、店内のショーケース前まで通い箱に板をはってベンチシートに早変わりします。ご主人も混ざって、夜はここが語りの場になります。(広く使い席の距離をとって)

こちらが、お手伝いのお姉さんがつくる唐揚げ。竜田揚げのような味で、お酒が進みます。宝の缶酎ハイシリーズ(230円)を頂いて、もう少しゆっくり過ごしましょうか。常連のお兄さんやご主人との会話も弾む愉快な空間です。

一寸一杯の予定がすっかり長っ尻に。居心地がよかったのでついつい。

ごちそうさま。

(取材・文・撮影/塩見 なゆ)

Tommy 阿波屋酒店
03-3291-2510
東京都千代田区神田神保町1-103 東京パークタワープラザ 1F
17:00頃~20:00頃(土日祝定休)
予算1,000円