東京都千代田区神保町。本の街、スポーツ用品店の街、大学の街、楽器の街。いろんな個性がぎゅっと詰まった神保町には、老舗の酒場や一世紀続くビアホールなど、お酒好きの心を満たしてくれる名店も揃っています。
いぶし銀の酒場だけではありません。2016年にオープンした「立呑み 魚勝 神保町」も、界隈では人気の1軒。店名の通り魚の立ち飲み屋さんです。
都内で和食ダイニングなど数店を展開する飲食企業が開いたお店。女将さんと厨房担当のお兄さんが迎えてくれます。
一階には都市銀行が入る建物で、ビルの所有も大手デベロッパーということでビル地下も明るくとっても清潔。そんな中にぽこっとはまった酒場の雰囲気がおもしろいです。
平日のみの営業で、毎日曜日別でなにかしらのサービスを実施しています。月曜日は女将さんとじゃんけんをして、勝ったら生ビールが大ジョッキになります。その他の曜日もハイボールや酎ハイ、お刺身などが100円(1人1杯・以下税別)です。
取材日は月曜日。じゃんけんにめっぽう弱い筆者は、予想通り生ビール(380円)は通常サイズになりました(笑)
樽生サントリーモルツ。よく冷えています。それでは乾杯!
ビールは樽生のみ。アルコール類はサントリー系を中心にして、ホッピー(セット500円)、男梅サワー(330円)など。日本酒の品揃えは角打ち・専門店とまでは言わないものの、立ち飲みとしてはかなり充実しています。
定番の大関や開運に加え、三千盛(多治見市)や浜千鳥(釜石市)など、東京ではあまり見かけない酒蔵のお酒も。
おつまみは200円台から500円ほど。お刺身が一人前サイズで500円と一人飲みに嬉しい価格設定です。まぐろの皮ぽん刺し(280円)という珍味もあります。
悩んだら縦書きメニューなら右上を。ということで、品書きの書き出しにある「まぐろの血合い刺し」(300円)をお願いしました。はじめて食べるまぐの血合い。濃いめの甘醤油味で漬けになっています。
まぐろらしからぬ色合いですが、のんべえ好みの味付けに箸とグラスを持つ手が進みます。
ほうじ茶ハイ(330円)。ウーロンハイはよくみかけますが、ほうじ茶は珍しいかも。
ホワイトボードメニューから、いか軟骨の唐揚げ(450円)をあわせて。小皿にちょうどよいボリュームです。
三陸応援、岩手県三陸沿岸の町・釜石の浜千鳥(700円)を1杯。目の前に受け皿とともにグラスが用意され、なみなみに注いでくれます。
優しい甘み、食事に寄り添う美味しさです。
日本酒にあわせるおつまみとして、青のり豆腐(300円)。湯豆腐にたっぷりののりを載せた、出汁までお酒のつまみになる一品。
“あったかい料理にはあったかいお酒。冷たい料理には冷たいお酒を。”という定石からははずれますが、ここは立ち飲みですから自由にあれこれ食べて飲んで、小一時間のほろ酔いタイムを楽しみました。
地階ですが、先に書いたとおり入りやすい空間です。はじめての一人立ち飲みという方にも安心しておすすめできるお店です。
ごちそうさま。
(取材・文・撮影/塩見 なゆ)
立呑み 魚勝
03-3221-0861
東京都千代田区神田神保町2-4 九段富士ビル B1F
11:30~22:30(土日祝定休)
予算1,800~2,800円