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秋葉原に本日晩杯屋がオープンしました。全席数140、カウンターの一人飲みスペースから、4~8人くらいまで対応できるテーブル席まで、幅広い利用シーンに対応できるお店です。
地下鉄日比谷線の2番出口からならば傘も不要なくらいの駅近物件。とはいえ、晩杯屋初の空中階への出店です。もとは総合居酒屋の大手チェーンが入っていた物件で、これが成功すれば、改めて”せんべろ業態”が一般化したといえそうです。
平日は15時オープン、土日祝日は13時のオープンと、秋葉原でのチョイ飲みに明るい時間から利用でき、飲酒が捗りそうです。秋葉原はそもそも酒場は不毛地帯と言われていましたが、ここ数年で急激に変化があり、せんべろ系のお店が次々オープン。晩杯屋は後発とはいえ、このジャンルの最大手でもあり、ますますアキバ飲みが楽しくなりそうです。
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飲食店ビルの5階という立地。エレベーターが一基しかなく、他のフロアも大箱居酒屋チェーンがはいっているのでコアタイムはエレベーター待ちも長くなりそうです。待ち合わせの方はご注意を。
エレベーターを降りれば、そこはいつもの晩杯屋。テーブルがずらりと並び、厨房を囲むようにカウンターが広がります。席数が増えただけで、雰囲気は大森店とあまり変わりません。
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発注はタブレット端末を使用します。今日は初日ということもあり、カウンター席のファーストドリンクは口頭でも受けていましたが、今後オペレーションが安定していくことで、タブレットでの一括管理に揃いそうです。
飲み物、いちおし、刺身などのタブに分かれているものの、メニューは概ね他店と変化はありません。
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新しいものといえば、このしじみラーメン。青森産のしじみを使い、ちくわ天を入れた独特なラーメン。肉系はほぼ置かない晩杯屋らしい漁師小屋的な内容です。
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タブレットは席番とリンクしていないようで、お客さんグループ単位で一台手渡されました。
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晩杯屋らしいいつものつくり。初日は早い時間からオープンを聞きつけたお客さんで17時前からカウンターはちょっとした賑わいになりました。
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こちらは店奥のテーブル席。6人からテーブルをわければより大人数での利用も可能のようです。
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隣のテーブルの人とわける簡易パーテーション的なパイプが入っているのがおもしろい。
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さて、まずはビールで乾杯を。激安だろうが老舗だろうが、やっぱり酒場のビールは歴史あるナショナルビールが似合います。一番搾りで乾杯。
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名物はやっぱりまぐろ刺身。200円で食べられる人気の肴です。日によって結構ばらつきがあるのですが、今日の秋葉原店のこれはなかなかいい感じです。
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刺身も含めて多くの料理は200円未満。ひとりできたら3品くらいちょいちょい摘んで、飲み物3杯で1,500円程度で収まるのがいつもの流れ。刺身は季節や市場の状況にあわせて頻繁にかわっていくので、何度か通っても飽きないかも。
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人気No.1の飲み物は緑茶割り。晩杯屋のオリジナルお茶割りで抹茶で作ったにごりのある一杯。アルコール度数9%としっかり酔うものなので、飲み心地が良いからと飲みすぎにご用心。
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最高値の商品といえばロマネコンティ。イカフライがサービスとのことですが、晩杯屋創業初期のころからのジョークメニュー、はたして注文実績はあるのかしら。消費税8%にあわせて売価があがるなど細かなネタがあるのですが、まさかタブレットではグラス数まで選べるとは。
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アジフライが2匹で180円。これも代表的な晩杯屋のコスト対ボリュームを物語るメニューです。片方をコロッケに変更することも可能です。
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揚げ物は注文を受けてからフライヤーへ、焼き魚も焼き置きせずオーダーが入ってから焼台に入るなど、ひとつひとつ丁寧な作りが人気のポイントでした。刺身はさすがに切り置きですが、スピード重視で一時間でちょいと飲み食べして満足できるのが晩杯屋の”ウリ”でもあります。
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酎ハイをトニックウォーターで割ったチュートニックや、グレープフルーツの果実感ががつんとくるピンクグレープフルーツサワー、ハイサワーでお馴染みの武蔵小山生まれの博水社がつくるハイッピーなど、割り材系の酎ハイもバラエティ豊かで、これまでの秋葉原の飲み屋とはひと味もふた味も違う内容の晩杯屋。
大箱で満席ということもあまりなさそうなので、アキバの活動拠点のひとつになるか試してみてはいかがでしょう。
ごちそうさま。
(取材・文・撮影/塩見 なゆ)
晩杯屋秋葉原店
東京都千代田区神田佐久間町1−24 GATOビル5階
15:00~23:30(土日祝は13:00~・無休)
予算1,600円