昭和から続く正統派の居酒屋『芳梅』。家族経営のあたたかい接客と、千葉の酒場らしい地酒と魚を揃えた品揃えが魅力。年季が入っていても隅々まで手入れが行き届いた店内は、酒場のお手本といえる雰囲気です。
目次
千葉駅から10分歩いて行く価値ある老舗居酒屋
かつて、国鉄千葉駅は現在の千葉駅より約800メートル成田側にあり、栄町に面していました。1963年(昭和38年)、駅の改良事業により現在の両国寄りへ移転。栄町は駅から離れた歓楽街となりました。
千葉最大の歓楽街だった栄町ですが、次第に衰退。それでも、ファンが多い居酒屋だけは往時の姿を留めています。
今回はそんな千葉の歓楽街・栄町にある老舗の居酒屋『芳梅』を訪ねます。千葉駅からは徒歩10分ほど離れていますが、ぜひ訪ねて欲しい名店でした。
外観
手入れがされた植木鉢に、藍色でパリッとした暖簾。素晴らしい店構えに思わず吸い込まれてしまいます。
内観
店内も歴史を感じるつくりで、それでいて隅々まで清潔です。ご家族で切り盛りされており、物腰柔らかな接客に癒やされます。
丁寧な飲み方をされている常連さんたちでカウンター席は埋まっています。県庁所在地の酒場といえば喧騒や、いい意味で賑やかな酒場が多いですが、『芳梅』は別世界です。刺身が充実していることもあり、なんだか房総半島か銚子で飲んでいるような気分になってきました。
品書き
お酒
- 樽生ビール アサヒスーパードライ:550円
- 瓶ビール大瓶 アサヒスーパードライ・サッポロラガー:650円
- 酎ハイ:400円
- レモンハイ:400円
- 玉露ハイ:400円
- 飯沼本家(印旛郡酒々井町)清酒 甲子 辛口普通酒2合:550円
- 清酒 甲子 生貯蔵300ml:700円
- 清酒 梅一輪酒造(山武市)梅一輪 純米酒4合:2,000円
料理
- 刺身3点盛り:1,000円
- 岩手たこ刺身:650円
- あおりいか:700円
- 赤貝造り:800円
- あじ刺身・たたき:750円
- かつお刺身・なめろう:800円
- 太刀魚刺身・炙り:800円
- 皮はぎ造り:1,200円
- 帆立刺:800円
- カキフライ:650円
- 富山白海老唐揚:600円
- しょうさいふぐ唐揚:900円
- 車海老フライ:900円
- 帆立串フライ:750円
- 小あじ唐揚:600円
- かじき鮪フライ:650円
- いかバター・丸焼:700円
- 太刀魚塩焼:800円
なめろうをつまみに地酒甲子のお燗を飲む
サッポロラガービール
瓶ビールでちびりちびりと飲みたい気分です。木材を多用したぬくもりある飴色の空間には、赤い北極星が似合います。サッポロラガービールをいただいて、それでは乾杯!
お通し
お通しは日替わりですが、わりとしっかりしたものがでます。今日は板わさとおひたし。
なめろう(750円)
千葉で魚料理といえば、一番に名前が挙がるのはやはり「なめろう」でしょう。味噌や香味野菜と一緒に魚を細かく叩いてつくる千葉発祥の漁師料理です。『芳梅』ではかつおのなめろうもありますが、今回は王道のあじなめろうをお願いしました。
叩いていてもはっきりと分かるコリコリとした歯ごたえを残しつつ、ねっとりとした食感はビールを進ませ、日本酒を呼び寄せます。
皮はぎ造り(1,200円)
2合550円と嬉しい値段の地酒「甲子」をぬる燗でもらって、あわせるおつまみは地物の「皮はぎ」です。しっかり食べごたえある量の肝が嬉しい!
あか貝造り(800円)
赤貝は「江戸前寿司」の定番寿司種になるほど、昔から東京湾の名産品でした。最近は輸入や他県から入るものが多いですが、こうして千葉・栄町の酒場の刺身として用意されていると、つい食べたくなります。
贅沢な大きさで驚きました。コリッコリで心地よい食感と、海の旨味を濃縮したような余韻に、徳利はあっという間に空になりました。
富山白海老唐揚(600円)
シャキシャキとした食感と白海老らしい優しい甘さがたまりません。
ごちそうさま
魚料理をこれだけ揃え続けるのは大変なことだと思います。どれも味がよく丁寧な盛り付けなのも嬉しいです。常連さんとお店の皆さんの空気感がとてもよく大変心地よく過ごせました。
2~6人ほどのグループ利用も受けられるゆとりのある居酒屋ですので、ちょっとした飲み会にもおすすめです。
近くの酒場
(取材・文・撮影/塩見 なゆ)
店名 | 居酒や 芳梅(よしうめ) |
住所 | 千葉県千葉市中央区栄町3-10 |
営業時間 | 営業時間 17:00~22:00 定休日 日曜日・祝日 |