1963年(昭和38年)創業、3代目が守る福岡大衆天ぷらの原点ともいえる店『だるまの天ぷら定食 吉塚本店』。創業60年を迎えた今も根強い人気を獲得しています。天ぷらとビール・清酒が1,000円台で楽しめる『リーズナブルな天ぷら酒場』的な利用も可能!
目次
元祖・塩から食べ放題の店
JR博多駅から鹿児島本線で1駅の吉塚駅へ。そこから徒歩5分ほど線路沿いを歩いた住宅街に、ロードサイドの大衆食堂のような建物が見えてきます。ここが福岡天ぷら(博多天ぷら)の人気店『だるまの天ぷら定食 吉塚本店』です。
福岡の天ぷらとあえて定義している理由ですが、福岡では「イカ塩辛や辛子食べ放題」「基本的にはカウンタースタイルで大衆価格」「魚介天ぷらの充実」など、いくつか特徴と共通点があるからです。
近年は福岡の天ぷらをベンチマークした店が近畿や首都圏にも登場していますが、やはり一度は元祖を訪ねてみたいものです。
60年前に開店した『だるまの天ぷら定食』は、天ぷらが揚がるまでのおかずやおつまみとして初めて「塩辛・辛子高菜食べ放題」を用意し人気を博しました。以後、福岡は天ぷら店には、塩辛や高菜の食べ放題が広まりました。
現在は3代目が店に立ち、門外不出の天つゆなど家族の味を守り続けています。
品書き
お酒
- 生ビール アサヒスーパードライ:中500円・小400円
- 瓶ビール アサヒスーパードライ中瓶:550円
- 冷酒300ml:650円
定食
- 伝統の魚定食[青魚(季節により異なる)・キス・イカ・アマダイ・野菜3品・みそ汁・ごはん]:980円
- だるまエビ定食[大エビ1本・キス・イカ・野菜3品・みそ汁・中ごはん]:980円
- ミックス定食[エビ・キス・ブタ・貝柱・野菜3品・みそ汁・ごはん]:940円
- 肉定食[ブタ・ササミ・鶏モモ肉・ウインナー2本・野菜3品・みそ汁・ごはん]:940円
追加メニュー
- 22cm大エビ:390円
- 穴子一本揚げ:370円
- カキ(冬季):250円
- サザエ:210円
- 甘鯛:230円
- フグ:230円
- サバ:210円
- ブタ:210円
- カリフラワー:130円
完成されたシステムに身を任せ、揚げたてを頬張る
博多駅から電車で1駅の吉塚ですが、今回は中洲から西鉄バスに揺られてやってきました。駅からやや離れているものの、ここはいつでも大盛況。近隣の会社員や、家族連れ、年配の夫婦など客層は年代・職業なども様々。これこそ、街に根付いた老舗の光景です。
さて、初回の注文ですが、ここでは券売機から食券を購入します。お店の方が入店以降、食券機の案内から席への誘導、提供までもスムーズにコントロールしてくれますので初めてでも安心。食べたいもの、飲みたいものさえ決まっていれば、あとは提供を待つだけです。
生ビール中 アサヒスーパードライ
食券機の時点である程度予想をたてているのか、席についたらすぐに天ぷらのセットが設置され、ビールもすぐにでてきました。
アサヒビール博多工場で醸造されたスーパードライが輝いています。それでは乾杯!
おしんこ食べ放題という店は数あれど、烏賊の塩辛食べ放題というのは珍しい。さすが玄界灘に面した福岡です。塩辛でアサヒスーパードライの中ジョッキが空になってしまいそう。
天つゆは現店主と先代しか配合を知らない特別なレシピだと聞きます。天ぷら衣の重さを感じさせない魔法の味。たくさんでてくる天ぷらもペロリと完食できます。
ミックス定食小ごはん(920円)
揚げたて都度提供は、塩辛等食べ放題と並ぶ『だるまの天ぷら定食』のこだわり。高級店ならばいざしらず、定食で1,000円未満の店で1品ずつ揚げたてを提供するのは素晴らしいです。
※写真は撮影用に揃えてもらいました。
今回はエビ・キス・ブタ・貝柱・ピーマン、玉ねぎ、さつまいものミックス定食をチョイスしましたが、イカ・アマダイなどが含まれる魚定食も常連さんには人気のようでした。サザエやサバなどが天ぷらの具にあるのはさすが福岡です。
帆立串は3個も刺さっています。これはたまらないと生ビールを追加オーダー。追加は券売機までいかず、店員さんに直接お願いすることもできます。
ごちそうさま
お昼から夜まで通しで営業していますので、旅程や仕事の都合等で昼食時を逃してしまった場合に嬉しい存在です。事情が許されるのでしたらビールや日本酒を添えて、福岡天ぷらの昼飲みを楽しんでみてください。
博多駅周辺の昼飲みスポット
(取材・文・撮影/塩見 なゆ)
店名 | だるまの天ぷら定食 吉塚本店 |
住所 | 福岡県福岡市博多区吉塚1-22-1 |
営業時間 | 営業時間 月~日 11:00~21:00 (L.O.21:00) ※席予約不可 日曜営業 定休日 火曜日 ※年末年始(12/31~1/3) ※夏季休暇 |
開業年 | 1963年 |