長崎で朝から美味しい魚をつまみに飲むならば、長崎魚市場の食堂『水産食堂』がおすすめ!漁業・市場関係者向けの施設ですがお酒も提供されており、一般の方も利用可能。長崎市中心部から路線バスを利用すれば、気軽に行けます。
目次
長崎県地方卸売市場 長崎魚市場へ
長崎市の中心街から長崎バスで60分。
新地中華街のバスターミナルを15分間隔で発車するバスは、JR長崎駅を経由し、新浦上街道を北上。長崎ココウォークや平和公園、長崎大学など車窓から眺めていると、いつのまにか両側に山肌が近づいています。入江と僅かな平地、山々に囲まれた長崎ならではの長崎市街がおわり、峠のトンネルを抜けたら、今度は港町・京泊の街並みがみえてきました。
長崎魚市場停留所で下車。ちょうどいい、楽しいバス旅でした。目的地の市場は目の前です。
ここは、長崎市の漁業と水産流通の拠点である、長崎県地方卸売市場長崎魚市場です。全国にある地方自治体が設置する公設の卸売市場(しじょう)のひとつ。国や県の水産研究機関も隣接する規模の大きな水産エリアです。
特徴としては東京・豊洲のような市場機能だけでなく、長崎港湾漁港という長崎振興局が管理する漁港(水揚げ)機能も有していること。東シナ海に面しており、とれたての魚が船で直接運び込まれるというわけです。
外観
今回ご紹介する『長崎水産市場』は、港湾エリアで働く人々御用達の”職域食堂”。創業から70年以上になる老舗です。無骨でいかにも行政施設という雰囲気が漂っていますが、一般の人も利用可能。
営業時間は朝5時から14時まで。作業着やスーツ姿の人がひっきりなしに出入りする活気ある食堂です。
内観
店内は広く、厨房では水産関係者の奥さん風のお姉さんたちが大勢で次々料理を提供しています。
お惣菜は一部セルフサービス。ずらりと並ぶおかずはどれも美味しそう。ブランドになっている長崎の鯵も、ここならばアジフライ:150円~。サバやキンメの煮付け、甘鯛の唐揚げまであります。
品書き
お酒
- 瓶ビール(アサヒスーパードライ中瓶):550円
- 缶ビール(アサヒスーパードライ350ml):400円
- 日本酒(ワンカップ):450円
- 焼酎:400円
料理
日々施設で働く皆さんにはうどん:330円やカツカレー:680円が人気の様子。水産市場でカレーが売れるのは、築地・豊洲と同じですね。
- 刺身定食:980円
- 海鮮丼:1,000円
- 煮魚定食:780円
- あさりの特大味噌汁:450円
- 鯛のあら汁:450円
- 刺身の盛り合わせ:730円
特盛海鮮丼:1,400円
大都市で考えられない鮮度・ボリューム・安さ!
アサヒスーパードライ中瓶(550円)
朝から飲むビールはちょっぴり特別。見渡せば、意外と飲んでいる人がいて「あぁ、市場時間なんだなぁ」と嬉しくなりました。
それではアサヒスーパードライで乾杯!
海鮮丼 鯛のアラ汁付き(1,400円)
たとえ市場の食堂とはいえ、これほどボリュームがあり、手頃な価格なのは珍しいです。魚種の豊富さ、そして鮮度の良さに驚かされます。
海鮮丼の具は、イクラとサーモン以外はすべて地元長崎産のもの。サス(カジキ)やヒラス、カンパチ、真アジ、真鯛に真ダコと実に豪勢な内容です。中央の海老は、長崎でよくとれるクマエビ(アシアカエビ)でしょうか。
どれもぷりっぷりでハリがあります。漁師料理らしい厚切りで一口がかなり大きめ。九州でおなじみの甘い醤油がよくあいます。
ご飯をわずかに隠す程度に広げた海鮮丼が多い中、こちらは二重・三重に魚介類の切り身がのっています。最初はビールや日本酒を飲みながらお刺身感覚で”あたま”をつまんでも、まだまだたっぷり。
付け合せの小皿ももちろん魚介類。この日はサバフライでした。
もうひとつの主役が、鯛のアラ汁です。海鮮丼単品では1,000円で、それでも十分お得感がありますが、+400円でつけた鯛アラも素晴らしい盛りのよさです。
丼ぶりサイズのお椀の中には、一般的な鯛アラ煮ほどの具が沈んでおり、食べきれないほど。骨の周りが一番美味しいと思う筆者は、これで日本酒が進みます(適量)。
ごちそうさま
バスで片道60分と聞くとちょっぴり遠いと感じるかも知れませんが、風光明媚な長崎の町中を走るため、観光バス感覚で乗っていればあっという間です。
これほど鮮度の良い魚介類を朝から食べられる店は、長崎とはいえそんなに候補はないと思います。迷ったら、長崎バスに乗って朝の市場酒を楽しみにいきませんか。
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(取材・文・撮影/塩見 なゆ)
店名 | 水産食堂 |
住所 | 長崎県長崎市京泊3丁目3-1 A-26 |
営業時間 | 営業時間 6:00~14:00(L.O.13:30) 定休日 日曜日、魚市場臨時休業日 |
創業 | 1947年 |