長崎『居酒屋五島』土地の味が揃う銅座の昭和酒場。焼酎が安い！

さすが九州！焼酎が安い。長崎・銅座『居酒屋五島』は、対馬の米焼酎「やまねこ」などの焼酎900mlボトルが1,330円という手頃な価格で、地魚のキビナやヒラスなどの郷土料理も楽しめます。大将正面のカウンター席で一人のんびりと飲むもよし、畳敷きの小上がりで飲み会を開くもよし、典型的な大衆店です。

銅座で約50年、二代目が守る店。

西九州新幹線の開通で盛り上がる長崎。その中心地にある飲み屋街「銅座」も観光客や出張者で賑わっています。王道の海鮮料理に加え、長崎おでんやハトシ、餃子、締めのちゃんぽん・皿うどんまで様々な個性豊かな飲食店が建ち並んでおり、どの店も非常に魅力的です。

そんな銅座で、いかにも「赤ちょうちん」といった感じの昭和の酒場ムードを漂わせている店が『居酒屋五島』です。ここの魅力はなんといっても焼酎の安さ。900mlを1,300円台から提供するという破格の値段設定です。そのため、使い方を心得た常連さんが仕事帰りに続々と集まってきます。

店内は大将が包丁を握る板場に向いたカウンターと、畳敷きの入れ込み座敷という構造です。家族経営で、大将は二代目だそう。なお、喫煙可能店ですので気になる方はご留意ください。

なにはともあれビールから。2銘柄ありますがここは長崎ですので、トーマス・ブレーク・グラバーがラベルデザインを考案したキリンビールを選びました。それでは乾杯！

お通しから地物の海産物がでてきます。鯨料理がでることもあるそうです。

まずはお刺身が食べたいと大将に相談すると、「だったら刺身盛りがいいよ」ということでお願いしました。素早い手付きで次々と盛り付けていき、あっという間に完成。手渡された瞬間、そのボリュームに驚きました。

さすが、海岸線の総延長2位（1位は北海道）の海が入り組む長崎、素晴らしいではありませんか。サーモンと甘エビ、ホタルイカ以外は近海物ばかり。

サス（カジキマグロ）、ヒラス（ヒラマサ）、真鯛、真鯵、タコ、イカ、そしてウニまで盛られています。こういうサービス満点の料理に出会えるのも旅先の老舗酒場を訪ねる醍醐味です。

これだけ豪快な刺盛りを前にしたら、飲まなきゃいけなくなるのが地元のお酒でしょう。『居酒屋五島』自慢の安くて種類豊富な焼酎ラインナップが輝いてみえます。900mlのボトルでも1,330円。本腰をいれて飲むならば、一人飲みで1本とってもよいのですが――。※お酒は適量で。残った焼酎は持ち帰れます。

選んだお酒は「壱岐スーパーゴールド22」（長崎県壱岐）の300ml。ホワイト・オーク樽で貯蔵熟成したちょっと贅沢な麦焼酎です。樽熟成酒ならではの琥珀色と芳醇な香りがたまりません。

焼酎のお供には「骨付きスペアリブ」をオススメいただきました。常連さんにも人気の料理だそう。

見た目の豪快さでテンション、アップ！頬張れば、予想以上にしっとりとしていてジューシーです。濃いめの味付けとコショウのスパイシーさが焼酎によくあいます。

17時30分の開店直後は、私ひとりだけがカウンターに座っていましたが、気がつけば座敷はスーツ姿のお客様で半分以上が埋まっていました。品揃えは遠方からの旅行者にも喜ばれるものですが、地元の方が圧倒的に多いようです。

大将は強面ですが、もてなしの心が強い方で、長崎を楽しんでいただくために様々なおすすめを教えてくれました。昭和の雰囲気が残る酒場で、気軽にラフに飲みたいときにはぴったりです。

（取材・文・撮影／塩見なゆ）