木場駅から徒歩5分の場所にある、地域密着のやきとり酒場『江戸っ子』。昔ながらの家族経営の店です。串は1本110円。カウンターで常連さんと交流しながらの一人飲みから、テーブル席での二人~、小上がりでの宴会まで用途は様々。
目次
いま、貴重な老舗の家族経営
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大手町から東京メトロ東西線で7分ほど。歴史ある深川の地に隣接する江東区・木場にやってきました。地名の由来は、文字通り材木置き場を意味し、いまから約300年前の江戸時代は材木商たちが暮らしていました。
現在まで続く埋め立てで東京湾は約6kmまで遠のきましたが、いまも江戸の資材・物流を支えてきた名残が感じられます。
さて、今回はそんな木場から東陽町へ向かう永代通り付近にある、老舗の焼鳥店『江戸っ子』をご紹介します。
外観
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創業は1965年(昭和40年)。代々家族で切り盛りしてきた老舗の焼鳥店です。外観の渋さは、酒場好きの筆者は吸い寄せられました。
内観
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この界隈は酒場街らしいものはなく、老舗の酒場が町中に点在しているのが特徴のひとつ。どの店も地域に暮らす人々が、日常の居場所として利用しています。
はいってすぐの焼台前のカウンターは常連さんら、一人飲みの人たちが集まるスペース。奥には板張りでDIY的な雰囲気もある小上がりが用意されており、仲間内数人や家族連れでもくつろげます。
品書き
お酒
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樽生ビールはサッポロ生ビール黒ラベル。大:730円、ミドル:630円、小:530円。瓶ビールは、アサヒ、キリン、サッポロが揃い、大瓶:650円。
日本酒は長岡の地酒 極上吉乃川:550円。燗酒は王将;400円。
割もの系は、ベースが甲類の宝焼酎で、ホッピー(白・黒):430円、緑茶ハイ:430円、宇治抹茶ハイ:430円、チューハイ:400円、レモンハイ:430円、超レモンハイ:500円、ミドル梅ハイ:700円など。酎ハイ類のラインナップが独特です。
料理
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やきとり1本110円均一。豚が白もつ、赤もつ、タン、レバー。鳥はねぎま、わかどり、皮、つくね。1本単位から注文可能です。
にこみ:480円、さつま揚げ:250円、おつまみチャーシュー:400円、ハムエッグ:450円など。
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まぐろ刺し:680円、ちくわの磯辺揚げ:390円、とり唐揚げ:500円、丸干し焼き:390円、焼きしゃけ:450円、チャーハン:600円、ローストポークサラダ:500円など。
度数の高い酎ハイと、お手頃価格の肉料理
サッポロ生ビール黒ラベル ミドルサイズ(630円)
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まずは樽生ビールで乾杯を。生ビールのサイズは、大、“ミドル”、小と、ミドルだけ違和感があります。普通の中ジョッキかなと思いきや、注がれたのは宝酒造が用意しているメガ純ハイの大きなジョッキ。630円も納得、ずっしりと重たいです。
それでは乾杯!
おつまみチャーシュー(400円)
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サイドメニューで悩んだら、ぜひチャーシューを頼んでいただきたいです。驚くほどしっとりとしており、特性の甘タレも相まって、実にコク深くビールを誘う味です。
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トロトロで家庭では真似のできない味。焼鳥が焼けるまでの前菜のつもりが、最初から主役級でした。
レモンハイ(430円)
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美味しいチャーシューがあれば、欲しくなるのが酎ハイです。同店のこだわりは、宝酒造の甲類焼酎「純」の35°を使用すること。
別名「赤い純」。宝酒造の膨大な甲類焼酎のラインナップの中で、あまり話題にならない銘柄。ですが、度数が強い分、炭酸などの割りものの比率が増えるため、より引き締まった味になります。
やきとり(110円/本)
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焼鳥が焼きあがりました。わかどり、レバー、白もつ、つくね、タン。1本単位で注文できるのが嬉しいです。しかも1串110円とサービス価格。
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とろみがあり平均よりだいぶ甘めのタレがいい味でして、シロやレバーのクセを整え、美味しさを引き立たせています。カリカリに焼かれたやや塩分強めのタンも酎ハイと相性ぴったり。
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シロは表面がカリカリ、中はほどよく脂が残っていて脂の旨味が楽しめます。
焼きそば(550円)
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地域密着で半世紀。そんな大衆酒場で頼む何の変哲もない焼そばは、味だけでなく、思い出補正的な要素も加わります。紅生姜と青のりがたっぷり。子供の頃、よく居酒屋で食べていたあの味です。
ごちそうさま
特筆する名物はないものの、地元の皆さんが毎日通えるような良心価格と家庭的な心遣いが嬉しい一軒。
老舗の焼鳥が食べたくなったらいかがでしょう。
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(取材・文・撮影/塩見 なゆ)
店名 | 江戸っ子 |
住所 | 東京都江東区東陽3丁目20-2 林ビル 1階 |
営業時間 | 16:00~25:00(日は22:00まで・月定休) |
開業年 | 1965年 |