亀戸『と㐂（とき）』で味わう酒場好き店主の想い。生インド鮪と豚汁が名物の人気店

青砥の人気酒場「一笑一杯」で働いていた”とっきぃ”さんが独立開業。店の名は『と㐂』。酒場好きのお兄さんで、お酒も料理も、一つ一つにこだわりあり。名物は豊洲直送の生インドマグロと豚汁。安くて楽しく、しっかり美味しい、ご近所なら通うこと間違いなしの一軒です。

14時開店！昼飲みも楽しめる亀戸期待の新星

亀戸はお昼から通しでやっている店や、低価格の立ち飲み、おしゃれなバル、そして老舗酒場も存在する、知る人ぞ知る梯子酒タウンです。総武線沿線の繁華街といえば錦糸町や小岩のほうが規模は大きいですが、酒場の数は亀戸も負けてはいません。

人気店が新しい店を呼び寄せるように、2020年以降も店が増加傾向にあり、酒場好きには目が離せないエリアとなっています。

2022年9月開業の『と㐂』も、そうした亀戸の新店のひとつ。オープンから7ヶ月が経過し、すっかり街の人気店のひとつとして定着したように思います。

「とっきぃ」さんは、飲食業界で長く活躍してきた方です。大手企業での勤務を経て、「一笑一杯」という葛飾区青砥駅前の人気店で働いた彼は、2022年9月にいよいよ自分自身の店を開業することになりました。

お店は亀戸駅から徒歩8分ほど。亀戸天神らも近く、参拝後に飲みに行くのも良さそうです。14時オープンと、開店時間が早く、お昼飲みでも利用できます。

店はコンパクトで、厨房を囲むL字のカウンターをメインにした一人・二人飲み向きのつくり。ウエイティングバー的に利用できる立ち飲みの簡易カウンターも用意されています。

厨房では名物の肉豆腐や豚汁が大鍋でぐつぐつとしていて、見るからに美味しそうです。

立ち飲みスペースでも十分に楽しめますが、やはりカウンターのL字の角が特等席だと思います。店主の「とっきぃ」さんは非常にユーモアがある方で、会話も含めた店の雰囲気全体が『と㐂』の魅力でしょう。常連さんが多いですが、初めての方もウェルカムな雰囲気です。

※最新の情報を反映したため、写真の黒板上の金額とことなります。

青砥の「一笑一杯」同様に、非常に状態の良い生ビールを提供しています。銘柄はとっきぃさんが個人的にも好きな銘柄、サッポロ生ビール黒ラベルです。それでは乾杯！

新たに店を開く方で、看板料理を刺身にするというのは非常に珍しいです。仕入れ価格の高騰など課題があるからですが、『と㐂』は、あえて「まぐろぶつ」。東京都中央卸売市場豊洲市場直送の生インドマグロなのですから驚きです。

しかもボリューム満点！ねっとりとした食感と脂の旨味を感じる素晴らしい赤身です。生ビールはもちろん、「とっきぃ」さんこだわりの地酒も飲みたくなります。

予め前割りしたエキス入りの甲類焼酎をサンヨー炭酸（水元飲料商会）で割って…

下町（城東エリア）でおなじみ、焼酎ハイボールの完成です。氷なし、スライスレモンを浮かべた正統派です。ベースの甲類焼酎はサッポロビール群馬工場で製造される「サッポロ焼酎」。

爽快な飲み心地は、これからの季節にぴったり。

もうひとつの名物は、肉豆腐と豚汁。食堂や酒場でみつけると頼みたくなる料理ですが、『と㐂』は「酒のつまみ」としてさらにパワーアップ。まるで味噌煮のような、汁より具が多いくらいの盛り付けです。

しっかりと入った豚肉はもちろん、ごぼう、こんにゃく、にんじん、大根などの基本の具、そして里芋が入っているのも嬉しいポイント。野菜もとれて、お酒も進む素晴らしいおつまみです。

紅茶にもこだわりがあるそうで、風味豊かですいすいと進む喉越しの良い一杯でした。焼酎がしっかり入っているので飲み過ぎにはご注意を。

明るく楽しい店『めしと酒と㐂』。お客さんは若い人が多く、どっしりと構えた老舗酒場とはまた違った雰囲気ですが、飲みに行くと元気が貰えるなお店です。

定食もありますので、夕食がてら立ち寄り、軽く一杯飲むなんていう使い方もできます。

（取材・文・撮影／塩見なゆ）