森下『鳥長』魚と鶏の二枚看板!昭和43年開業、老舗大箱の安定感

森下『鳥長』魚と鶏の二枚看板!昭和43年開業、老舗大箱の安定感

2022年1月27日

地元に愛されて半世紀。江東区の『鳥長』個人店ながら店は大きく、そして店内は常連さんの笑顔で溢れています。さて、鰻料理の店は焼鳥を置くことが多いですが、鳥長もそうした一軒。刺身なども揃えた、いわゆる”大衆割烹”です。

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2代目が守る老舗の暖簾

『鳥長』がある江東区の高橋商店街は、愛称“高橋のらくろ~ド”。高橋は漫画のらくろの作者、田河水泡氏縁の地です。商店街のあちこちにのらくろが描かれています。

場所は地下鉄森下駅と清澄白河駅、両駅のちょうど中間で、どちらからも徒歩10分ほど。芭蕉記念館や小名木川も近く、東京・墨東エリアの散策スポットになっています。

そうして散歩を楽しんだあとは、お待ちかねの居酒屋タイムというわけです。のらくろーどの『鳥長』を目指しましょう。

外観

創業は昭和43年。開業時は鰻と焼鳥の店だったためか、店構えは居酒屋というよりは鰻屋に近いです。ちょっぴり敷居が高く感じるかもしれませんが、そこはご安心を。

内観

入り口脇にある焼台では、二代目になる大将が焼鳥や鰻を調理中。たまらない香りと大将の明るい挨拶に迎えられ、いざ店の奥へと進みます。常連さんが集う長いカウンターの横を進むと、みかけない構造の小上がりに着きます。真ん中が通路、両側が畳敷き。グループ客は奥でゆったりどうぞ、というつくり。

乾杯は樽生の「サッポロ生ビール黒ラベル」で

通称「サッポロジョッキ」と呼ばれる、最もポピュラーで飾らない形状のジョッキが店の雰囲気に大変マッチしています。液種はサッポロ生ビール黒ラベルです。それでは乾杯!

品書き

お酒

  • 樽生ビールはサッポロ黒ラベル、中:616円、大:814円、1Lサイズのメガ:1,210円
  • 瓶ビール大瓶:660円は、大手に残る2つの熱処理ビール、キリンクラシックラガーサッポロラガーを置いています。

サワー類は440円~。ウイスキーは珍しいサントリーリザーブ:484円が定番です。

日本酒はお燗もできる普通酒が白鶴辛口・小徳利:429円、地酒は諏訪の真澄:726円、伊予西条の石鎚:660円、渋川の(ひじり):880円など。

常連さんはキープの焼酎を愛飲している様子。銘柄はからり芋:2,900円など。

月替りのおすすめ料理

毎月差し替わる季節のおすすめ。訪問時は、金目刺身:935円を筆頭に、カラ付生カキ:517円、地蛤焼き:418円、自家製〆さば:759円、北海ツブ貝刺身:825円など。市場仕入れで全国の海産物が品書きに加わります。

串焼き

看板料理である鰻と焼鳥だけでなく、豚モツ焼き、野菜串と、焼き物が充実しています。鰻は蒲焼き:1,870円、一人でつまむならばタンザク焼:495円など。シロカシラなど豚串は143円均一。焼鳥はささみ焼:231円などのほか、ニラ・玉ねぎ、にんにくを混ぜた鶏つくねのとりたたき焼:165円が特長的な串です。

定番料理

おすすめマークがつく、じゃがいもチーズ焼:638円、自家製厚焼玉子:495円をはじめ、とり明太唐揚:550円など気になる料理が多数。鶏ちゃんこ鍋:1,078円、鶏すき鍋:966円など、店名通りの鶏鍋料理も豊富です。

居酒屋好きに限らず、広く紹介したくなる安定感

マニアックなポイントを居酒屋好きの間で楽しむのはもちろん楽しいですが、居酒屋へ行く機会が少ない一般的な友人と飲みに行くとなると、お店選び視点はかわってくるものです。それでいて、私が居酒屋好きだと知られていると、自然と相手が持つ期待値が上がってしまうので、ますますお店選びに悩みます。

そんなシーンでも、鳥長は安心して紹介できるお店だと思います。

お通し(110円)

お通しは日替わり。サラダだったり、魚介類だったり、この日はオススメ料理の自家製厚焼玉子が一口サイズで登場しました。ほんのり甘くコクがあります。

金目刺身(935円)

伊豆半島などで多く水揚げされる深海の高級魚、金目鯛。千円未満ながら、しっかりと量があり、なにより美しい盛り付けで提供されました。脂の甘さがじんわりと感じられ、爽やかな余韻が続きます。

これは白鶴のお燗を頼まなくては…。

とり皮からし和え(440円)

千切りのきゅうりと同じサイズで細切りされた鶏皮を、甘めの辛子味噌で和えた一品。「鶏一羽を隅々使う店の鶏皮料理は美味しい」の法則が成り立ちます。

肉豆腐(484円)

見た目からして、もうたまりません!

みりんや酒を効かせた甘いつゆに染まった琥珀色の絹豆腐。クタクタになった葱。噛むほどに旨味が染み出す肉は、鶏の様々な部位がはいっています。七味もよいですが、これはあえて山椒をふると味が引き締まって二度美味しいです。

おまかせ串盛り5本(825円)

鰻と焼鳥をだすお店ではタレ焼きを選びたいものです。創業時から守り続けてきた特製のタレは、ぐっと力強く濃厚な旨味。大ぶりの上やきとりや、旨味が強いとりたたき焼の美味しさを引き立てます。

熱処理ビール大瓶(660円)

意外と揃わない、キリンクラシックラガーとサッポロラガー。国内で大手が製造する通常銘柄の熱処理ビールはこの2つだけ。美味しい料理をつまみに飲み比べてみるのも楽しいです。

どっしり構えた老舗の大箱居酒屋は、こういう店でしか味わえない独特な開放感があります。いろんなことが続く世の中ですが、居酒屋で飲むと癒やされます。

ごちそうさま。

(取材・文・撮影/塩見 なゆ Special Thanks/Syupo酒場部)

店名鳥長
住所東京都江東区高橋9-4
営業時間営業時間
火~金 17:00~22:00(L.O.21:00)
土~日 16:00~22:00(L.O.21:00)
日曜営業
定休日
月曜日
開業年1968年