鳥取『ぐらっちぇ』カニだけじゃない!本場で食べるモサエビ・のど黒

鳥取『ぐらっちぇ』カニだけじゃない!本場で食べるモサエビ・のど黒

2021年12月16日

鳥取駅の繁華街、末広温泉町にある『ぐらっちぇ』は、洋食店のようなキャッチーな店名ですが、賀露港直送の鮮魚を豊富に揃えた正統派の海鮮居酒屋。大都市では味わえない圧倒的な鮮度と良心価格に驚かされました。

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鳥取駅前で半世紀

創業は古く、約半世紀前に初代が食事を充実させたスナックからスタートさせた店です。

『ぐらっちぇ』の開店は1998年。当初は10坪18席からスタートし、その後何度か増床。2013年にいまの場所へ移転し、現在は一人飲みで嬉しいカウンターだけでなく、個室も完備した大箱の店となっています。

内観

ビジネスホテルやオフィス、そして居酒屋が集まるこの界隈は、鳥取駅前で行動の拠点となるエリアです。この日は、鳥取郊外での取材を終え、その足で向かうことにしました。

店は奥へ広く、厨房に面したカウンター席の先に個室が並んでいます。宴会や落ち着いた飲み会向きの個室もよいですが、分厚い一枚板のカウンターもなかなか立派です。

乾杯は「サッポロパーフェクト黒ラベル」

薄づくりグラスに注がれたサッポロパーフェクト黒ラベル。鳥取駅前では同店のみ(掲載時)で飲める一杯です。それでは乾杯。

サッポロのパーフェクト黒ラベルは、液種こそ通常のサッポロ生ビール黒ラベルですが、提供品質が優れている店のみで飲める特別な生ビール。

普段から生ビールの提供にこだわりを持つ飲食店が参加する協力店制度で、加盟にはサッポロビール社の厳しいチェック項目をパスする必要です。また、パーフェクト認定店になることで使用できる特別なディスペンサー(ビールサーバー)カランパーツ「パーフェクトチェンジャー」によって、従来よりも泡持ち・泡再生力を高めたビールが提供可能になります。つまり「パーフェクト黒ラベル」は、サッポロビールが推奨するクオリティの高い生ビールという意味。

品書き

飲み物

生ビール(530円)、瓶ビールはアサヒスーパードライ(中びん530円)、サッポロラガー(中びん530円)、サッポロヱビス(中びん580円)など。酎ハイは樽詰めサワー(450円)。日本酒は定番が地酒・日置桜(2合950円)。

このほか、地元の純米酒で、若桜・太田酒造場がつくるべんてん娘 純米吟醸山田錦(850円)、智頭・諏訪酒造の諏訪泉 純米吟醸(850円)、青谷・山根酒造の日置桜 生酛純米(950円)、琴浦・大谷酒造の鷹勇 純米五百万石(770円)など。

日替わりのおすすめ

毎朝水揚げされる魚介類で日々の献立が変わる日替わりメニュー。居酒屋の日替わりメニューから感じる旬があります。

取材時は、ハタハタのたたき(730円)、モサエビのお刺身(980円)、のどぐろ炙り刺し(1,500円)、白イカのお刺身(970円)、炙りしめ鯖のお刺身(730円)など。

定番メニュー

お刺身盛り合わせ(1,200円~)、人気の鰻棒寿司サバ棒寿司(1,100円)ほか。

鯛のあら煮(830円)にのど黒煮付け(1,320円)。揚げ物には、大山鶏唐揚げ(640円)や猛者エビ唐揚げ(980円)など。炙りものでは、のど黒塩焼き(1,320円)など。

ハタハタ、白イカ、のど黒、猛者エビ、定番メニューにご当地食材が並んでいるので見逃せません。

改めて気付かされる日本海の幸の価値

のどぐろ炙り刺し(1,500円)

高級魚としてすっかり全国区になった「のどぐろ」ことアカムツ。鮮魚店で一尾を購入しても値が張る魚ですが、ここでは炙り刺しで、なんと1,500円。黒く澄んだ目からわかる通り、鮮度は抜群。脂ののりがよく、歯ごたえがありつつ霜降り肉のごとく脂がにじみ出てきます。

モサエビ刺身(980円)

待っていました、猛者エビ(モサエビ)。爽やかな甘さが日本酒を進ませる絶品。大好物です。

のどぐろよりも、実はこちらのほうが楽しみだった「モサエビ」(全国的にはクロザコエビ)。なにせ、鮮度が落ちやすく、なかなか首都圏には入ってこないエビですから。松葉カニのシーズンと重なる秋から春にかけてが漁期で、高級な松葉ガニの裏で、地元の人の楽しみはむしろ「モサエビ」だと聞きます。(地元のタクシードライバー談)

北陸ではガスエビ(ドロエビ)と呼ばれていますが、どうも水揚げ場所で味が変わるように思っています。

ハタハタのたたき(730円)

ハタハタもまた、冬の日本海を代表する魚。秋田の郷土料理でおなじみですが、足がはやい魚ですし、なかなか刺身で食べる機会はありません。

さて、珍しいからと頼んだハタハタ。これが思いの外美味しいので驚きました。脂のノリが非常によく、かつ大変上品な旨味がありました。ポン酢に軽くつけて味を引き締めると、ぐっとコクが主張してきます。

サッポロラガー(中びん530円)

美味しい魚には、いつものビール。国産ビール、とくに古くからの銘柄は刺身ともよくあいます。

だし巻き卵(720円)

刺身に次ぐご主人のおすすめの一品は、だし巻き卵。鳥取県八頭郡八頭町の牧場から直接仕入れているものといいます。卵6個とかつおだしでつくるそうで、味が大変濃いことに驚かされました。

地酒と地魚、出張先の夜は楽しい

フルーティな余韻が心地いい日置桜。地魚に地酒、あわないはずがありません。

日本海の魚が美味しいことは十分理解していたつもりでしたが、今回もまた驚かされてしまいました。海や港が近い県庁所在地・鳥取。飲み屋街の規模はそれほど大きくなくとも、まだまだたくさん美味しいものがありそうです。

ごちそうさま。

(取材・文・撮影/塩見 なゆ 取材協力/サッポロビール株式会社)

店名ご馳家 ぐらっちぇ 本店
住所鳥取県鳥取市末広温泉町271-4
営業時間17:00~23:30(基本無休)
開業年1998年(以前の業態は1974年頃創業)