2018年12月、お花茶屋で60年以上続いた老舗「東邦酒場」が店舗の老朽化にともない、京成立石駅から徒歩圏の場所、奥戸街道と平和橋通りの交差点角で2019年に移転オープンしました。
以前の店舗よりも駅からの距離は伸びてしまいましたが、お酒好き注目のエリア・立石に近く、飲み歩きたい人には嬉しい立地です。
名物はなんといっても元祖酎ハイ。色付きの甲類焼酎ソーダ割りです。これに合わせるおつまみは、定番のもつ串焼きやレバコロステーキがありますが、お店ならではの冷菜「ゴニラ」もおすすめ。63年目を迎えた新・東邦酒場の暖簾をくぐってみましょう。
以前の店舗より広くなったように感じます。調理場に向いた直線のカウンターとテーブル席の配置。比較的人数が多くても入れるゆったりとしたテーブル席は新店舗の良いところ。地元の皆さんが仕事帰りや家族で飲みにくる場所としてグループ利用が多いです。もちろん、一人飲みも楽しめます。
酎ハイのお店でも、一杯目はやっぱりビールから。キリン一番搾り(500円)で乾杯!
樽生はキリン一番搾り、中瓶でヱビスビール(600円)。看板飲み物の元祖酎ハイは300円とちょっと前から据え置き価格。
もつ焼き、モツ刺し、煮込みなど豚もつ系をメインにしながらも、自家製レアチーズ(450円)や”ゴニラ”など、創作系や洋食テイストのサイドメニューが充実しているのが東邦酒場。
黒板メニューをみると、なんと筆頭が和牛バター。ゴーヤチャンプルがあれば、ぶり刺しだってあります。「何を食べるか決めていなくても、あの酒場に行けばなんとかなる」っていう考えで酒場に行くことってありますよね。東邦酒場はまさにそれ。
火曜日から木曜日は曜日指定でお値打ち品があります。
せっかくお刺身があるのですから、一品目はまぐろ刺し(850円)を。
はい、お待たせいたしました。こちらが気になる元祖酎ハイです。基本は氷入りのスライスレモン入り。しっかり色がつき、やや甘いニュアンスの風味になっています。
元祖酎ハイと相性ぴったり、ごま油とニラだから「ゴニラ」(450円)。刺身をさきにつまみましたが、まずは悩むことなくゴニラから始めるという常連さんも多いです。
深みのある味わいのコチュジャンが味の決め手で、クキュクキュとしたニラがごま油によって驚くほどのどごしがよくなっています。
ゴニラをおつまみに酎ハイで喉を潤しているころに出来上がり。二代目、そして三代目が受け継ぐ東邦酒場のもつ焼き。1本から注文できます。
コメカミ、ハツは塩味で表面はかりっと、中はジューシー。
くさみがなくトロトロになっているシロはやや甘めのタレに潜らせて。酎ハイを進ませる昔ながらの味です。
元祖酎ハイは氷なしでオーダーすることも可能です。実はジントニックなどの洋酒カクテルも600円ほどで色々揃っているのですが、そちらも東邦酒場ならではです。
アットホームな雰囲気は移転前と変わらず。若き三代目の笑顔が素敵。ここは優しく迎えてくれる大衆酒場です。
お店のすぐ裏を行き交う京成押上線。踏切を横目に歩くと、あっという間に立石です。どこか、軽く1軒寄っていきませんか。
ごちそうさま。
(取材・文・撮影/塩見 なゆ)
東邦酒場
03-3697-0644
東京都葛飾区立石1-1-9
17:00~23:00(月定休)
予算2,500円