堀切菖蒲園『三河屋』名物炒飯、隠し味はケチャップ？1世紀続く老舗の町中華で飲む

酒卸からラーメン店に業態を変えたのが1928年。3代目からはメニューの幅を広げて中華料理店へ。現在4代目が暖簾を守る堀切菖蒲園駅前になくてはならない老舗町中華になりました。人気は香辛料を効かせた飴色のチャーハン。世代を超えて愛されてきた看板料理です。

町中華というより、老舗の中国料理店

京成本線の堀切菖蒲園駅周辺は、色付きの酎ハイ、いわゆる焼酎ハイボールを提供する老舗の酒場が多く、東京の酒場好きの間では聖地のひとつとなっています。加えて、実は個人経営の老舗中華も密集しており、それぞれに特色がある名物料理を提供しています。

『三河屋』は戦前からこの地で営業している最古の中華料理店で、堂々とした佇まいです。

中華料理店では珍しい畳敷きの小上がりがあるのも、店の歴史を感じるポイントです。間口は小さめですが店は奥へと広く、ずらりとテーブル席が並んでいます。

店の奥が厨房ですが、カウンターを配したオープンキッチンではないため、町中華というより老舗の中国料理店といった雰囲気です。それでいて料理の価格は非常に良心的。家族で食べに行きたくなります。

これほどビールを進ませるチャーハンは他にあるか

もと酒卸だからということは関係なさそうですが、お酒の品揃えが大変充実しているところも、酒場好きの筆者には嬉しいポイントです。

大樽（樽生）はキリン一番搾り、瓶では一番搾りのほか、サッポロ黒ラベルも冷えています。サワーやハイボール、ワイン、焼酎、もちろん紹興酒などの中国酒もあるため、腰を据えて宴会するのも良さそうです。

今日はチャーハンをつまみにビールでも飲もうと思って、一番搾りの中瓶をお願いしました。乾杯！

中華鍋を振る音が厨房から聞こえてきて、しばらくすると出来上がり。一般的なチャーハンと比較して色がかなり濃いため、醤油味が強く感じられましたが、実際に食べてみると、そうではありませんでした。

本格中華で修行した3代目、ホテルなどで修行した4代目と、代々磨き上げてきたチャーハンは独特の味付けです。

具はシンプルにチャーシューと卵のみ。XO醤や沙茶醤といった中華系の調味料だけでなく、ケチャップが隠し味として入っています。ほんのり甘いのもクセになるポイントです。

ラードによって米粒ひとつひとつがパラパラになっていますが、油っぽさは抑えられています。これほどビールを進ませるチャーハンには滅多に出会わないと思います。

店舗詳細

• 樽生ビール：小400円・中500円
• 瓶ビール：キリン一番搾り・サッポロ黒ラベル：各600円
• グレープフルーツサワー・ウメサワー：各400円
• 紹興酒：500円
• チャーハン：800円
• あんかけ焼きそば：950円
• 焼売4個：450円
• 焼き餃子5個：500円
• 定食のおかず単品：600円
• 鶏の唐揚げ：900円
• ネギチャーシュー：500円
• ルーローハン：1,100円