亀有「グリルさんばん」 街の洋食と侮るなかれ!でも氷彩サワー

亀有「グリルさんばん」 街の洋食と侮るなかれ!でも氷彩サワー

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今回は亀有にあります素敵な洋食屋をご紹介します。素敵なのですが、なかなか入る勇気というか、きっかけがないとこの扉は開けそうもありませんので、洋食飲みがお好きな方はぜひ読んでいってください。

亀有駅北口から1分ほど。もつ焼きの老舗人気店やボリューム満点の海鮮居酒屋など、いくつか特筆したい名店もあるこの界隈。なかなかご近所にお住まいでなければ、このお店に飛び込みで入ろうとは思わないのではないでしょうか。

「グリルさんばん」。赤いファサードテントにアーチ状の形状をした木の重たい扉。中の様子を伺うことは出来ません。唯一、入ってみようと思うきっかけは店先の看板です。見てみるとエスカルゴのブルゴーニュ風や伊勢海老のグラタンなど、なかなか本格的で気合の入った内容です。壁にはデーンと大きな看板で「一味違う、ブランデーベース 氷彩サワー」のプレートが不思議さと、あぁ、ドリンクはいつもの氷彩を飲めばいいんだねという安心感が入り混ざります。

 

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もともとスナックだったのかはわかりませんが、店内もどこかそういう造り。低めのテーブル席にソファが並びますが、そこで地元の家族連れや常連のお一人様が瓶ビールやワインを片手にハンバーグを食べています。

地元の人が日常的に「ちょっとした外食」で使っている洋食店にハズレはない!ということで、まずは生ビールから。

瓶は黒ラベル(中びん500円)、生はヱビス(500円)です。では乾杯!

 

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メニューはスナックぽさや店構えとは真反対に、やはり充実度がすごい。街の洋食店というよりは、山手側にあるようなちゃんと修行を積んだ店主がやっているビストロ的な内容です。

 

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1000円から2000円で食事と軽い飲みが楽しめます。オムライスは800円からと良心的。亀有的。

 

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氷彩サワーは350円。洋食屋なのに酎ハイ400円ですよ、酒場みたいな庶民価格。バル的なお店がなかった頃、洋食で飲みたいときにこういうお店が重宝されましたよね。オシャレなバルはやっぱり大衆酒場と比較すれば割高なので、いまの時代でも飲兵衛には嬉しい洋食屋飲みです。

ワインをいれた氷彩ワイン割り(450円)が常連さんの人気が高い一杯。おぉ、簡単に作れて美味しい。サッポロの公式レシピに入れてもいいんじゃない?

 

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エスカルゴは、5個にバケットがついて1,000円。本格的でエスカルゴトングと専用の小型フォークをつかって食べるスタイル。最近は硬派なお店でしかなかなか見かけない本来あるべき姿のエスカルゴを、まさか亀有で食べられるなんて、素敵です。

 

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もう勢いに乗ってボトルワインをもらって。赤、白1種類ずつしかないんだけどと、おっとりした女将さんが話される様子に、店の雰囲気とあいまってさらに癒やされます。

 

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エビフライは驚きの大きさ。1,800円とかなり高価なだけあって、とにかくインパクト大。これが実に美味しい。自家製のタルタルソースとあいまって、久しぶりに感動するエビフライに出会えたと感じました。

隣のテーブルの家族連れも、娘さんがどうしてもこのエビフライが食べたくて家族でやってきている様子。これは月イチの贅沢でかぶりつきたいものです。

 

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ホワイトソース、デミグラスソース、トマトソース、どれを使った料理も実においしく懐かしい味。派手な流行りのお店もいいけれど、心がそんなにキラキラしていない日には、こんな本質的な美味しさを味わいたい。

 

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ボリューム満点、一人では前菜と主菜に氷彩を飲んでちょうどいい具合。どうしても次回食べたいと思える料理が多すぎて通ってしまうこと間違いない。

キレイで明るい店内。ご夫婦で営む優しさいっぱいの街の洋食店。こういう懐かしい洋食が食べたくなったときには、絶対おすすめのお店です。

あーあ、隠れ家ひとつ紹介してしまいました。ごちそうさま。

 

(取材・文・撮影/塩見 なゆ)

 

グリルさんばん
03-3606-3840
東京都葛飾区亀有5-15-9
17:00~24:00(日祝定休)
予算2,800円