今日は阿佐ヶ谷北口に広がる飲食店街「スターロード」に来ています。
阿佐ヶ谷で商店街といえば南口から杉並区役所付近まで伸びる「阿佐谷パールセンター商店街」が有名ですが、あちらはどちらかといえばお昼の街。パールセンターにも角打ちや老舗の割烹もありますが、やはり阿佐ヶ谷の夜の中心といえば「スターロード」です。
新旧様々なお店がありますが、立ち飲みで軽く一杯…というときは、例えば「風太くん」なんていかがでしょう。
JR中央線阿佐ヶ谷駅のプラットホームからも見える特徴的な名前の酒場。ユニークな店名の通り、店員さんや常連さんたちも楽しい方ばかりで、初めて訪ねるおひとりさまでも、次第に場の空気に溶け込めるような独特なムードがあります。
雰囲気だけでなく料理も期待。王道のやきとり、串カツ、おでんを看板に挑戦的な個性派メニューが脇を固めています。
風太くんで飲むならば、まずはこの、Y,M,C,Aの4種のセットか、平日(金除く)限定の夕にゃんセットでスタートするのが一般的。とくに夕ニャンセットは、煮込み、ポテサラ、やきとり、串かつ、さらにドリンク1杯(ビールも可)がついたお得なセットです。
お支払いはキャッシュオン。マスに今日のお小遣いを入れてスタートします。
常連さんは、そんな支払い用のマスをキープしています。天井まで積み上がるマスに、ファンの多さがわかります。
阿佐ヶ谷のゼロ軒目にぴったりの風太くん。それでは、今宵もはじめましょう。瓶ビールで乾杯!
ビールは樽生がサントリー ザ・プレミアム・モルツ(500円)で、瓶(500円)はキリン一番搾りとラガーが用意されています。酎ハイなどは400円前後、生シナモンちゃんやハツラッチュなどネタが盛り込まれた品書きです。
オニオンフライをのせたポテトサラダ。マッシュなタイプで味はしっかり。
風太くんの煮込みはピリ辛系。濃いめにみえて、実はあっさりしていて、肉の旨味が引き立つ味付けです。一人で煮込みを頼むとボリュームが多くて持て余すことがありますが、これはちょうどいい量。
そんな小鉢をつまみに飲んでいると、カウンター内側の焼き台では、セットの焼鳥を準備中です。セットでは1本だけなのですが、それでも丁寧に焼いてくれるのは嬉しいですね。
タレつぼをくぐって出来上がり。一味を気持ち多めにふりかけていただきます。
「今日はこのあとどこに行くの?」なんて会話で盛り上がりながら、食べて飲んで楽しい気分。
夕にゃんセット最後の一皿が串カツ(単品では200円)。どぶ漬けしたあとにタルタルソースをたっぷりトッピング。濃厚な味と脂に刺激されて、セットの1杯だけでは決して納まりません。
ぜひ頼んでほしい個性的な一杯「ダシ割焼酎」(400円)。ちょっとした裏メニュー的な存在です。厚削りの鰹節やキノコ、昆布を入れた出汁濃厚なお湯割りです。見た目はなかなかインパクトがありますが、懐かしい出汁の味わいにおもわずほっこり。
酎ハイ類のベースは三重の酒蔵、宮崎本店がつくるおなじみの甲類キンミヤ。果実酒瓶にキンミヤラベルを貼ったお手製の容器からおたまで掬い上げて使っています。
キンミヤハイボール(350円)は、いわゆる酎ハイ。下町酒場に多い色つき・風味つきのエキスをいれた爽やかな味の一杯です。飲み心地がよく、場の楽しい雰囲気と相まって、ついおかわりしたくなります。
醤油漬チーズなど、手軽なおつまみがあるので、「ちょっとくらい、予算超えてもいいかな」とマスに小銭を継ぎ足しがち。
実は風太くんのカウンターは軽トラベース。昔は店先に顔をだしていましたが、現在は荷台の一部にその面影が残っています。
老舗でじっくり杯を傾けて…というシチュエーションが大好きな方も、たまには軽い気持ちで「ちょいと一杯のつもりで飲んで…」と風太くんスタートをしてみてはいかがでしょう。日も明るい3時から毎日営業中。
ごちそうさま。
(取材・文・撮影/塩見 なゆ)
立呑風太くん
03-3337-0370
東京都杉並区阿佐谷北2-12-5
15:00~24:00(無休)
予算1,500円