方南町「十八番」 二代で営む海鮮居酒屋。豊富なお刺身と地酒で一献。

方南町「十八番」 二代で営む海鮮居酒屋。豊富なお刺身と地酒で一献。

2020年7月24日

地下鉄丸ノ内線方南町支線の終点「方南町」は、昨今注目のエリア。丸ノ内線への直通運転がはじまりアクセスしやすくなった街です。大規模な開発が行われてこなかったこともあり、少し昔の東京が残されているように思います。

お昼から飲める大衆食堂や、常連が集うボリューム満点の酒場など、巡ってみると飲みたくなるお店がいくつもみつかります。そんな方南町で、親子二代で営むおすすめの海鮮酒場が「旬 活魚料理の店 十八番」です。ザ・大衆酒場的なお店で飲みたいときにぴったり。

 

リニューアルされた方南町駅。2番出口を抜けるとレトロな雰囲気の「方南銀座商店街」にでます。商店街から1本はいって徒歩2分ほどで十八番。

 

マンションの一階にあるものの奥まった場所にあります。それでも「魚がうまい」の看板の幟を目印に行けば迷うことはなさそうです。

 

職人気質のご主人が調理場、息子さんが接客を担当。混んできても阿吽の呼吸でつぎつぎ注文にこたえていきます。板場に向いたカウンターは一人飲みにちょうどよく、テーブル席、そしてお座敷という配置。

 

まずは、なにはともあれビールから。樽生(500円)はサッポロ黒ラベル、瓶ビール(中ビン500円)はサッポロ黒ラベルと赤星ことサッポロラガー。挨拶、座る、ビールを頼む、受け取り注ぐ。テンポよくトトトと注いで小さくビヤタンを持ち上げて、乾杯。

 

お通しはまぐろのぬた。味付けがよくマグロのしっとり具合と酢味噌のバランスが絶妙。お通しから魚がでるとテンションがちょっぴり上がりませんか。

 

推しのお刺身、盛り合わせ(1,500円)と、単品で生メジまぐろ、かつお、活ツブ貝、あじ刺・叩きに、ミズダコ、ホタテ。さらにイカ、スズキと刺身が続き、鱧天などが加わります。店の看板どおり、魚に期待する品揃え。

 

定番メニューはどれも500円前後とリーズナブル。ベッドタウンということもあり、ご夫婦や近所のお友達と飲みにいらしている方が多く、数人で好きなものを頼めば、一人前はだいぶ懐に優しくなりそうです。

 

差し込みメニューもいれるとだいぶ料理の種類は豊富です。板前のご主人、創作料理に挑戦されています。

 

梅雨時期から夏にかけて脂がのるスズキ。旬の魚を刺身でだしてもらえば、きっと納得の味。特有のくさみは感じず、もちもちとした食感と噛むほどに旨味が広がる美味しいスズキ刺し(600円)です。

 

美味しいお刺身を食べれば、飲みものは自然と日本酒に移ろうもの。定番酒は350円、そして地酒は越後杜氏(金鵄盃酒造・新潟 五泉市)、一ノ蔵(宮城 大崎市)、菊水(新潟 新発田市)、初孫(東北銘醸・山形 酒田市)、酔鯨(高知市)、水神(あさ開・岩手 盛岡市)という品揃え。

 

一ノ蔵(550円)。二代目が一升瓶を持ち寄り、目の前で注いでくれます。お刺身の余韻にあわせる、米の旨味とさわやかな余韻。

 

日本酒の爽快感に誘われて、鱧天(700円)を。梅肉をはさみカラっと揚げられたハモ。レモンを搾って頬張れば紫蘇の葉の風味もあって、ますます夏らしい味わい。

 

ハムキャベツサラダ(500円)は、深いお皿にたっぷり盛り付けられて登場。千切りきゅうりや人参、紫玉ねぎに黄ピーマンなど、具だくさん。マヨネーズベースながらメリハリのある味で、ちゃんと居酒屋の一品としてお酒に合う味になっています。おつまみになるサラダって大事です。

口開けから小一時間、のんびりとした時間を過ごさせてもらいました。

アットホームな海鮮酒場、お近くでしたらぜひ。ごちそうさま。

 

(取材・文・撮影/塩見 なゆ)

 

十八番
03-3312-5234
東京都杉並区方南2-15-2 コーポ西村1F
17:00~23:00(日定休)
予算2,800円