気仙沼「PRISM(プリズム)」 銭湯もある”みしおね横丁”で、深夜のバータイム

気仙沼「PRISM(プリズム)」 銭湯もある”みしおね横丁”で、深夜のバータイム

今日は気仙沼から、カクテル好きも納得のカジュアルバー「PRISM(プリズム)」をご紹介します。

日本有数の漁港「気仙沼港」を中心に発展してきた宮城県気仙沼市(人口約6.1万人)。晩夏のサンマ、名物のホヤやウニ、遠洋のカツオ、マグロ、サメなどの水揚げが盛んに行われています。港の周囲には豊富な魚介類を食べさせる料理自慢の観光旅館が立ち並ぶ観光地でもあります。

東日本大震災からの復興はまだ道半ば。それでも少しずつ新たな人の集まる場所がうまれています。そのひとつが、気仙沼漁港横に2019年夏に誕生した「みしおね横丁」です。

 

天然の良港と言われてきた気仙沼。大小さまざまな漁船がいっときの休憩をとっています。また、港を囲むように、フカヒレなどの海産物加工会社が立ち並びます。

 

漁港に併設された”海の市”には三陸の海の幸がずらり。その場で食べることが出来るお店も多いです。

 

「みしおね横丁」は、全国でも珍しいトレーラーハウスを集めた施設。朝から営業している大衆食堂(お酒も飲める)「鶴亀食堂」や、沖縄料理の店、インドネシア料理店などがあります。

 

驚くのが「鶴亀の湯」という公衆浴場の存在。横丁に銭湯があるのは珍しいですね。震災以前にあった漁師さんたち御用達の銭湯「亀の湯」を、クラウドファンディング復活させたもの。朝6時から営業しています。

 

夜はオーシャンリゾートを感じさせるムーディーな雰囲気に。

 

ご紹介する「プリズム」は、横丁の夜の中心的存在。横丁の開業と同時の2019年7月26日にオープン。記事掲載日の今日でちょうど一周年になります。

 

テラスに並べられたラグジュアリチェアで星空を眺めてのもよし、店内でグラスサウンドスピーカーが奏でる音楽と、マスターや地元の方との交流を楽しむもよし。

 

トレーラーハウスとはいえ、店内は広々としていて、カジュアルなつくりでも雰囲気はオーセンティックバーです。マスターは東北最大の歓楽街、仙台は国分町で腕を磨いたバーテンダーで、つくるカクテルは本格的。それでいて、1杯500円からとリーズナブルな価格設定なのも魅力です。

タンカレーベースで、ジントニックを。それでは乾杯!

 

品書きになくても材料があれば一通りお願いできるそう。シングルモルト、バーボン、スピリッツは標準的な顔ぶれです。地元の味を楽しむならば、仙台市のニッカウヰスキー仙台工場宮城峡蒸溜所がつくる「宮城峡」(800円)などでしょうか。日本酒は気仙沼の地酒「蒼天伝」など。

 

ドラフト・ハイネケン(500円)。

時刻は夜10時過ぎ。こんな時間にゆっくり飲めるバーがあることはとても素晴らしいですし、地元のお客さんの姿も多く賑わっていることがとても素敵です。お近くの方はタクシーで、車でいらしている方は運転代行サービスを使って帰るのだそう。公共交通がなくても、それでも時には遅い時間までバーでのんびり飲みたいときはある、プリズムは貴重な存在です。水産関係、畜産農家の方など、皆さん地元を支える人々です。

 

〆のパスタが人気なのだそう。深夜の小腹を落ち着かせるためになにか頂きましょうか。

 

カルボナーラ(800円)。濃厚なチーズをたっぷりつかった、魅惑の〆パスタ。皆さんがおすすめする理由がわかる、なかなかの美味しさです。

進化を続ける元気な気仙沼。バーという選択肢が増えることで、ますますはしご酒が楽しくなります。

お店をあとにした深夜。隣の漁港からは次々とカツオ漁船が出港していました。気仙沼の夜はわりとにぎやかです。

ごちそうさま。

 

(取材・文・撮影/塩見 なゆ)

 

PRISM
宮城県気仙沼市魚市場前4−5 みしおね横丁
17:00~24:00(お昼は11:00~14:00・木定休)
予算2,500円