東急多摩川線・武蔵新田駅すぐの『飯田酒店』は、130年以上の歴史を刻む老舗酒販店。店内には大きなテーブルが用意され、夕方から角打ちが楽しめます。多摩川沿いが工場街だった昭和の熱気を今に伝える空間には、仕事帰りの会社員から地元の方まで多様な客層が集結。今回は、名物女将の笑顔に癒される正統派の角打ちご紹介します。
目次
かつての工業地帯の熱気を伝える、創業130年超の老舗

蒲田駅から東急多摩川線で矢口方面へ進むと、下町情緒の残る武蔵新田駅に到着します。

改札を出て線路沿いを少し歩くと現れるのが、明治20年代から続く『飯田酒店』。

三代目の女将さんが笑顔で出迎える店内には、どっしりとしたテーブルが置かれ、17時から酒屋の店頭で飲む「角打ち」が始まります。
注)角打ちは九州北部由来の言葉です。酒屋の店頭でお酒を飲むことを、東京では古くから「立ち飲み」と読んでいました。現在は角打ちという呼び名が全国的に定着。

現在の武蔵新田は閑静な住宅街ですが、昭和期には多摩川沿いに大きな工場が林立するエリアでした。当時は工場で働く人々が仕事帰りに立ち寄り、時間を問わず満員になるほど賑わったそう。

その頃から活躍していたであろう、古い五つ玉そろばんがいまも現役。店の長い歳月を感じさせます。

目の前を横切る3両編成の短い電車と、夕暮れの西日が差し込む店内。まるでドラマのワンシーンに迷い込んだような気分です。
乾き物を肴に気楽に楽しめる、正統派の角打ち

冷蔵庫に並ぶ多彩な商品から好みのお酒を選び、お会計を済ませてから定位置につきます。
サッポロラガービールと「あなご荒ほぐし」

乾杯の一杯に選んだのは、大瓶のサッポロラガービール(赤星)です。女将さんに栓を抜いてもらい、グラスを満たします。

一緒に合わせた肴は、乾き物コーナーから見つけた「あなご荒ほぐし」。

醤油味で香ばしく焼き上げられた穴子の風味が、赤星のしっかりした苦味と絶妙に合致。缶詰やソーセージ類など、定番アイテムが充実しているのも魅力です。
キリッとした「寶焼酎ハイボール」

ビールを空けた後は、宝酒造の「焼酎ハイボール」へと移行します。

辛口で甘さのない爽快な飲み口が特徴の缶チューハイ。背筋を伸ばしつつも寛げる下町の空間に似合う一杯です。電車の走行音を聞きながら冷たいハイボールを喉へ流し込むと、一日の疲れが静かに解けていくような感覚に。
グラスワインと「6Pチーズ」

さらに気分を変え、グラスワインを追加しました。

合わせるおつまみは、雪印メグミルクの定番商品「6Pチーズ」とクラッカー。

和風の珍味だけでなく、ワインに合う洋風の軽食まで自在に組み合わせられるのが、酒屋ならではの強みです。
アナログでゆるいコミュニティが、今こそ必要

歴史ある五つ玉そろばんを弾く音や、絶え間なく続く常連客との会話に、地元で愛され続ける理由が詰まっています。3代目、そして4代目女将の細やかな気配りが、一人客でもすんなりと場に馴染める空気をつくっているのもオススメしたい理由です。角打ち初心者もきっと楽しめるはず。
変わりゆく街、変わりゆく人々の繋がりの中で、変わらない人情と酒屋飲み文化を守り続ける貴重な一軒。大田区矢口・武蔵新田を訪れた際は、電車の音を背に昔ながらの角打ちを楽しんでみては。角打ちファンならば、蒲田から東急多摩川線に乗ってでも飲みに行く価値あるお店だと思います。
| 店名 | 飯田酒店 |
| 住所 | 東京都大田区矢口1丁目7−18 |
| 営業時間 | 10時00分~21時00分 ※角打ち(立ち飲み)は17時から 日祝定休 |
| 創業 | 1890年頃 |
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