いま、東京都大田区・蒲田の酒場好きの間で最も注目が集まっていると言われている店『なまけ』。横浜の「みなと寿司」や蒲田の「たの平亭刺身専門店」などを展開するオリエンタルグループの新店舗。全国的にも珍しい、刺身とホルモンが融合した新しいスタイルの立ち飲み店です。
目次
“生もの”と”けもの”で「なまけ」
外観
蒲田にある酒類卸さんへ挨拶に行った際、「塩見さん、なまけはもう行きました?」という話題になりました。居酒屋へ酒を卸すプロもイチオシする『なまけ』。気になってすぐに飲みに行きました。
さて、『なまけ』は個人店ではありません。横浜や蒲田などで約30店の飲食店を展開するオリエンタル物産が運営しています。同社は創業60年以上の老舗で、焼肉やモツ肉などの肉料理と、横浜市中央卸売市場などから大量仕入れする魚介類をつかった海鮮料理を得意とする飲食企業です。
とくに大田区では『たの平亭刺身専門店』が大変な人気となっており、すっかり蒲田の立ち飲みの代表格になった印象です。
蒲田駅西口商店街の先で2022年7月に開店した『なまけ』は、同社初の肉と魚のハイブリット立ち飲み。オープン直後から蒲田の酒場好きに間で話題となりました。
内観
店前に向いて鉄板を配置し、店内奥へとL字のカウンターを伸ばした構造は、どこか西成のホルモン屋のよう。ですが、一本内に入るとそこは魚屋のような空間が広がっています。
オープンから半年も経過していませんが、すでに長く続いてきた海鮮立ち飲みのような貫禄すら感じます。店内の雰囲気も関西風味が感じられました。
『なまけ』は、独自の支払い方法(ルール)があります。まずは、店頭の食券機でチケットを購入しなくてはいけません。チケットは300円券と200円券があり、注文時はチケットに料理名と名前(愛称可)を書いて手渡す仕組み。店員さんが極力現金を扱わないことで省力化になっています。今後、こういうスタイルが増えるかもしれません。
鉄板ではチャンチャンと音を立ててホルモンが炒められています。完全オープンキッチンで、他の人が注文した料理の調理風景を眺めるも楽しいです。
品書き
お酒
- 生ビール(アサヒスーパードライ):500円
- 中びんビール(アサヒスーパードライ・サッポロラガー):600円
- チューハイ:300円
- レモンサワー:400円
- 紅茶ハイ:400円
- トマトハイ:400円
- バイスセット:400円
- 日本酒:500円~
日替わり料理
- 生にしん刺身/にぎり:300円
- 戻りかつお刺身/にぎり:400円
- 生サンマ刺身/にぎり:600円
- ダルマイカ刺身/にぎり:400円
- 生みみ刺:300円
- 活サザエ刺身/にぎり:600円
- 小肌刺身/にぎり:300円
- 活石がき貝刺:500円
- 鱈白子ポンズ:500円
- 亀の手:400円
- 手作り生アンチョビ:300円
- ホルモンカレー:300円
- 島ずし:300円
定番料理
- いわしたたき:300円
- ねぎとろ刺:500円
- さつま揚げ:400円
- ホルモン焼:300円
- ガツ焼:300円
- 生ラム塩焼:600円
- さがりステーキ塩わさび:800円
ベテラン大将の元気な接客でテンションアップ!
サッポロラガービール中瓶(600円)
胸まである長前掛け姿がかっこいいチャキチャキな大将が中心となって店は切り盛りされています。その雰囲気は従業員100人規模のチェーンとは思えません。「ハイよ!」と元気よく出してくれたサッポロラガーも、いつもより輝いてみえます。
それでは乾杯!
生ニシン刺身(300円)
ここはまずは刺身から行かないといけませんね。だって1品300円からと今の時代びっくりのお値段ですから。塩水うになど高級なおつまみは次回の楽しみにして、まずはニシン刺身から。
次々はいる注文も一瞬で仕上げるプロの技。ささっと豆腐プラ皿に盛られて、サッとでてきました。
おてしょう(さしちょこ)はなく、漁港のイベントのごとくそのまま醤油をかけていただきます。うん、プリップリ!脂がのったニシンは美味しいですがなにより鮮度が大事。これは素晴らしいです。
ホルモン
ニシンで北東北・北海道気分を味わったら、つぎは飛んで関西。クタクタになったホルモン串をいただきます。なかなか、本格的な味わい。
チューハイ(300円)
カップは名前を書いてね!というのもここのルール。おかわりは同じプラカップを使います。量はちょっと少ないですが、300円とお手頃価格のチューハイはちょい飲みにはピッタリです。甲類と炭酸だけのピュアな味。
味をつけるならば、カウンターにおかれたポン酢をかけましょう。最近、少しずつ低価格酒場で広まってきたポン酢サワーの出来上がり。
さつま揚げ(400円)
お次はさつま揚げを。大きくて食べごたえ抜群。熱々でホクホクです。
生ラム塩焼き(600円)
生ものとけもので「なまけ」です。大将のおすすめは生ラムとのこと。600円とここでは贅沢メニューですが、鉄板で豪快に焼いてくれるので価値を感じます。特製の香辛料がたっぷり!ラム好きにオススメです。
最近、寿司を品書きに加える店が多いですが、酒場で軽く寿司をつまむって、満足感があっていいですよね。
品書きにある「島ずし」は伊豆諸島の郷土料理のこと。醤油などでつくる液に白身魚を漬ける正統派のつくり方です。かわいいゲタにのって提供されます。
15時開店、21時閉店と、ちょっと早めにシフトした営業時間。土日もやっていますから、夕暮れ前から飲みたいときの一軒目にぴったりではないでしょうか。
ごちそうさま。
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(取材・文・撮影/塩見 なゆ)
店名 | なまけ -ホルモン焼と羊と鰯- 蒲田本店 |
住所 | 東京都大田区西蒲田7丁目50−7 |
営業時間 | [月・木~日] 15:00~21:00 日曜営業 定休日 火曜・水曜 |
創業 | 2022年7月26日 |