蒲田『蛇の目鮨』90周年になる老舗の町寿司。2,000円未満で贅沢気分なお昼飲み

蒲田『蛇の目鮨』90周年になる老舗の町寿司。2,000円未満で贅沢気分なお昼飲み

蒲田でお昼から飲みたくなったら、寿司店という選択はいかがでしょう。JR蒲田駅と京急蒲田駅のほぼ中間に位置する『蛇の目鮨』は、なんと90周年を迎えた老舗です。高級そうな雰囲気ですが、お昼は握り寿司と瓶ビール大瓶で2,000円未満。老舗のカウンターで、贅沢な気分を楽しみませんか?

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日常の風景に溶け込む、戦前からある寿司店

外観

蛇の目鮨という名は、特長的な店名ではあるものの寿司店では割りとポピュラーな名前です。最古の蛇の目鮨として知られていた中央区新富にあった「蛇の目鮨本店」は、1865年(慶応元年)の創業と大変な歴史がありましたが、2021年、酒類提供規制等の最中、暖簾を畳んでしまいました。

ほかにも『蛇の目』を掲げる老舗寿司店は多く、例えば大田区・蒲田の『蛇の目鮨』は、1932年と90年以上の歴史を誇ります。

JR蒲田駅と京急蒲田駅を結ぶメインストリートにあり、普段から当たり前のように通り過ぎてきました。実は筆者は中学生の頃、家族で食べに来たことがあります。あれから20数年、変わらずそこにありました。タイムカプセルのように記憶を呼び起こす老舗飲食店、実にいいものです。

内観

代々暖簾を受け継いできた家族経営で、お店の皆さんもお客さんもベテラン揃い。「数世代で通っています」という雰囲気の2世代家族が食事に来ている光景に出会いました。

一枚板の白木のカウンター、隅々まで手入れが行き届いた、重厚感と清潔感を両立した空間。そこに座るだけで、歓楽街蒲田の喧騒を忘れさせてくれる雰囲気です。

品書き

お酒

  • 瓶ビール キリンクラシックラガー大瓶:700円
  • 瓶ビール キリンクラシックラガー中瓶:550円
  • 日本酒 菊正宗:460円
  • 日本酒 八海山:800円
  • 日本酒 立山:800円
  • 芋焼酎 金兵衛ケ500円

寿司

  • 特上にぎり:3,000円
  • 上にぎり:2,000円
  • にぎり:1,500円
  • 特上ちらし:3,000円
  • 上ちらし:2,000円
  • ちらし:1,500円
  • 鉄火巻:1,800円
  • 太巻き:1,500円
  • ランチサービス にぎり・ちらし:各950円

袴をはいた”おビール”で始める蒲田の昼飲み

キリンクラシックラガー中瓶(550円)

徳利の下に受け皿のようなものを敷くことがありますが、これは「袴」と呼びます。湯煎した徳利から垂れる水滴を受け止めるためのものです。それを、稀に瓶ビールで使うことがあります。上品なようで、チグハグなようで、ビール瓶の結露を受け止める合理的な役割も。「おビール」と呼びたくなるスタイルです。

銘柄はキリンクラシックラガー。ガツンと苦い昔ながらのキリン味は、こうした老舗の町寿司(家族経営の地域密着寿司店)に似合います。それでは乾杯

ランチにぎり(950円)

夜でも盛り合わせは1,500円からと、その歴史や立地を考えると大変良心的なのですが、昼食時は一層のサービス価格で楽しむことが出来ます。

昼食限定の握りは、中トロ、赤身、ブリ、イカなど7貫に、干瓢巻き等の巻きずし、お椀にコーヒーがついて950円です。

寿司種と酢飯の比率はちょうどよく、まるで握り寿司のお手本のようです。

とくに中トロや赤身はお昼から食べるのにはもったいないほど。瓶ビールをこまめにビアタンに向け傾けつつ、ゆったりとした気分の中で食べるお寿司は格別です。

ごちそうさま

老舗の風情に浸りつつ、大将が握る寿司を静かに楽しんで、お値段は2,000円未満。こういうお昼の過ごし方もいいものです。

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(取材・文・撮影/塩見 なゆ)

店名蛇乃目鮨
住所東京都大田区蒲田5-27-12
営業時間11時30分~13時30分
17時00分~20時00分
定休日
土曜日
創業1932年