赤羽の老舗立ち飲み「いこい」の流れをくみ、武蔵小山から始まった晩杯屋。250円からのお酒と100円台のおつまみで人気となり、いまや都内を中心に27店舗を展開する一大せんべろチェーンに成長しました。
そんな晩杯屋が2017年春、大田区蒲田駅前に出店。もともと蒲田は早い時間から安く飲める”ノンベエに優しい街”でしたが、晩杯屋の登場によりますます使い勝手がよくなりそうです。既存の酒場も立ち飲み座りに関係なく、安く飲める店は個性豊かで常連さんも多いので、晩杯屋と競合することなく一層蒲田が賑わうことを期待します。
晩杯屋蒲田西口店はJR蒲田駅西口の駅前ロータリーに面した雑居ビルの2階。駅から見える場所に看板もあり、蒲田の立ち飲みの中では一番入りやすい立地かもしれません。
お店は二階。独特なエントランスの階段には晩杯屋の暖簾がお出迎え。昔懐かしいクラシカルなビルです。
入って左がカウンター、右にテーブル席が広がります。8人がけの小ぶりなテーブルと丸椅子が並びますが、通路は広くとられていて、きつきつな印象は感じません。
厨房とドリバ(飲み物をつくるコーナー)を向いた立ち飲みカウンターは、他の晩杯屋の立ち飲みとほぼ同一のつくり。数卓、立ち飲みのグループテーブルもあります。座っても、立って飲んでも料理の値段はいっしょ。
直近にオープンした晩杯屋秋葉原店と同様にタブレット端末によるオーダー方式。大箱を少人数で回すためとはいえ、ちょっぴり味気ないのは仕方がないことかな。
本日のいちおしには、日替わり系の料理が並びます。SLハイや紅茶割りは最近追加されたドリンクです。
一杯目は生ビールで。500mlジョッキで410円は蒲田においても相対的にまだ安い。キリン一番搾りで乾杯。ビールは、一番搾りのほかにギネスビールがあるほか、生樽でハードシードル(290円)もあります。
昨今、いろんなメニューを試してきましたが、一周回ってマグロ刺し(200円)が一番落ち着くような気がしてきました。晩杯屋の定番、看板料理のひとつ。日によってサイズが異なりますが、それも雑多な立ち飲みならではのご愛嬌。
こちらも一周回って、揚げ物はちくわ磯辺揚げが落ち着きます。まだ店が数店舗しかなかったころからの定番料理で、あのころ空腹で晩杯屋にかけつけては、緑茶割りとちくわ磯辺揚げで「ぷはー」ってしたものです。20cm近い長さがあり食べごたえ十分。
ひらめのユッケ風なる新料理を発見。ひらめ刺身を韓国料理のタレで味付けしたもの。チビチビつまむのにちょうどいい。
新商品といえば、先日発売されたばかりのノンアルコール・ビールテイスト飲料<キリン零ICHI>を使った8801(ハーパーゼロイチ)というビアカクテルが晩杯屋のドリンクメニューに仲間入り。I.W.ハーパーを<キリン零ICHI>で割ったものです。
バーボンとビールのカクテルと言えばボイラー・メーカー ですが、それに近い味。キリン零ICHIは小びんで出てきて、ホッピーやハイサワーハイッピーのように自分で割って飲むスタイル。一杯ではキリン零ICHIが残るので、ナカ(I.W.ハーパー)をお代りして2杯目も楽しめます。結構濃いので飲み過ぎ注意。※8801は410円、I.W.ハーパーは300円
変わらず人気の飲み物は、男梅サワー。晩杯屋はもちろん、全国的に市民権をえた梅干し味の酎ハイです。晩杯屋のおつまみでは、コロッケが相性抜群。
大井町、大森と続いてついに蒲田にも登場の晩杯屋。アクセスもよく、梯子酒の先になる居酒屋・立ち飲みも豊富なので、使い勝手がとてもよい店舗です。
ゆとりある店の造りもあって、立ち飲み・せんべろのデビューにもおすすめできそう。
ごちそうさま。
(取材・文・撮影/塩見 なゆ)
晩杯屋蒲田西口店
03-6428-7479
東京都大田区西蒲田7-29-5
15:00~23:30(土日祝は13:00~・無休)
予算1,500円