大森は飲食店が広い範囲に点在しています。蒲田のようなターミナル駅ではないのに、この街の飲み屋街は広く、そして個性豊かです。駅から徒歩10分、午前11時から夜23時まで通しで営業している「すずよう」も、そんな大森の個性を深めている一軒。
酒場好きの若きご主人が開いた元気な酒場です。
もともとお惣菜店として営業していた店舗を活用しているので、店頭にはお弁当屋さんのようなショーケースがあります。ここに入るのは煮物などではなく、なんと色とりどりな割材たち。
割材の代表的存在「ホッピー」は白、黒、赤と揃うことはもちろん、大田区ブランドのコダマ飲料「バイスサワー」や、目黒区の割材”割るならハイサワー”などバラエティ豊富。
はいってすぐに厨房に向いたL字カウンター。店の奥も立ち飲みスペースです。トーク上手のご主人との会話を楽しみに、連日常連さんが集まります。一見さんにも優しく、気づけばきっと一体感がうまれるはず。
大衆酒場でおなじみのポスターが多数。酒場好きで店を開いたご主人らしい雰囲気。
カウンターの奥にはビールディスペンサー。お客さん自身で注ぐ(取材時)ことができます。
樽生ビールはサッポロ黒ラベル(400円)。ささっと自分で注いで、それでは乾杯!
瓶ビールはサッポロラガー(中ビン400円)。酎ハイ各種は300円均一と破格。日本酒は宝酒造の松竹梅豪快です。
割材の種類が多すぎて悩んでしまいます。そんなときはご主人や常連さんに相談してみては。
ホッピービバレッジのざくろや、コダマのアセロラなどが、珍しい。昭和30年発売開始のサッポロ「リボンオレンジ」も滅多に見かけないジュースです。
スタンダードなチューハイは、サッポロの樽詰め氷彩サワー(300円)です。
おつまみはほぼ200円均一。チャージやお通しはありませんから、千円で2杯・2品楽しめますね。これに加え、今月のおすすめメニューとして、カツ煮(400円)、ニラ玉(300円)、牛煮卵とじ(400円)、ナスとトマトのチーズとじ(700円)、マーボー豆腐(300円)、ピーマン肉詰め(400円)などが加わります。
ここは大人の駄菓子屋さん。
ご主人のおすすめから、ビールのつぎは黒ホッピーを。グラス、甲類焼酎、ホッピーをすべて冷やし、氷を使わずにつくる3冷ホッピーや、キッコー宮焼酎を冷やしたシャリキンホッピーを飲ませてくれます。
きっちりつくったキンキンのホッピーは、蒸し暑い季節にぴったりの一杯。
ご主人に伺ったおすすめの料理、カツ煮。もちろん注文を受けてからカツを揚げ、それをちょうど一人前が入る卵焼き用の鉄板で玉ねぎと一緒に綴じて完成。鉄板のままでてきます。
ホッピーの次はハイサワー。ちゃんと各社のオリジナルグラスが用意されているのもいいですね。割材博物館みたい(笑)
生トマト(300円)。ハイサワーとトマトを食べていれば、口の中はずっと爽やか。
スタンダードな3冷ホッピー。この最も標準的な飲み方で感じる爽快感はたまりません。
サッポロラガー(400円)。愉快な常連さんたちとの会話を楽しみながら、立ち飲みでリラックスして飲む赤星は、やはり特別な味。
ギョニソー磯辺揚げ(200円)。
0軒目にぴったりの営業時間なのですが、なんだかんだで注文しすぎてしまうかもしれないお店。いろいろ大森で飲み歩いて、最後にもう一杯!というときにも重宝しそうです。
ごちそうさま。
(取材・文・撮影/塩見 なゆ 取材時期/2020年2月)
立飲みすずよう
03-4346-1103
東京都大田区大森北3-1-4 斉藤ビル 1F
13:00~23:00(日定休)
予算1,000円