蒲田「かるちゃん」 鰻で立ち飲む昭和な世界、今宵も赤星で

蒲田「かるちゃん」 鰻で立ち飲む昭和な世界、今宵も赤星で

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暑い夜、今日は鰻で元気になりたい。
でも、なんだか鰻料理屋に”行くぞ!”と構えるのではなく、千円札二枚を握りしめてふらりと一寸一杯を楽しみたい。

そんなときに選びたいお店がここ、蒲田の「立飲かるちゃん」です。JR蒲田駅から京急蒲田駅を結ぶ繁華街の路地のひとつで、界隈はギラギラとしたネオンから少し離れて落ち着きのある居酒屋が立ち並びます。

白い看板の「立ち飲み」が目印。なぜか「かるちゃん」の店名は消灯していますが、堂々たる暖簾がお客さんをお迎えしてくれます。

 

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「いらっしゃい。どうぞ。」慣れた口調で適当な場所に通してくれる女将さん。立ち飲み専門で店内は15人ほど入れる大きすぎず小さすぎずの空間。昔からやっているので、全体的にいぶされセピア色になっています。

ここは鰻のくりから焼きを肴にきゅっと飲むお店。料理の数は多く必要としません。鰻は1本300円。その他焼鳥が数種類。早い時間にはお刺身があることも。

充満する鰻の香りで食欲、いや、飲み欲は増すばかり。これはもうたまらなと、瓶ビールを一本注文。

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カウンター内側にあるビールを冷やす冷蔵庫は昔ながらの水冷式。プールからジャボンという音を立てて女将さんが取り出し、軽く布巾でしずくを拭きとって、おまたせと登場。こういう酒場には、赤星がとにかく似合う。カッコイイという以上に、まるで父親と一緒にいるような安心感があります。

恋人は黒ラベル、父親は赤星。あれ、何の話をしていたんでしたっけ(笑)

 

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では、乾杯!

水冷式はなぜ美味しいかについて一言。冷蔵庫はその構造上、どうしても振動が発生します。微振動でもビールを揺らしていることには変わりなく、どうしても荒い味になってしまいがち。水冷式だと、水に入っていることでこの揺れが伝わらずに、よく寝たビールを味わうことができるのです。

だからやっぱり、選べるならば瓶ビールは水冷だね!

また話がそれてしまった…

 

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それたついでに。店内はぐるり見渡すといたるところにサッポロのポスターと鉄道グッズがあります。焼き台担当の息子さん、私と同じサッポロ好きの飲み鉄さんですか(笑)

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そうこうしていると焼きあがったくりから焼きが登場。 さらりとした甘めのタレと、しっかり焼き目の着いた鰻から漂う香りだけで、大びん1本はあっさり飲めてしまいそう。昨今、どうしても鰻の仕入れは難しいのかと思いますが、小ぶりでもワンコイン以下で食べられるのはやっぱり嬉しい。

 

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黒エビスの小びんを1本もらい、赤星とのハーフ&ハーフに。これをちびちびと飲みながら、ぼーっと店の時間を楽しむのが好き。

 

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カシラとモモ、1本ずつからも注文可能。お店で串打ちした串は冷蔵庫の中で山盛りになって保管されていて、注文のたびに次々と焼き台の上に載せられていきます。

焼鳥の串も鰻につかう一回り大きいサイズで、お肉も大きめ。鰻でまずは贅沢をして、あとは焼鳥で飲み進めるのがお財布とお腹のバランスを保てて丁度いい。

 

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サッポロがつくる樽詰めのチューハイ氷彩サワー。生ビールが黒ラベルのお店でよく見かける氷彩ですが、実はこれ、甲類ベースではなくホワイトブランデーベースなのです。そして、あまり知名度はなくても実はかなりのロングセラーでして、隠れたファンも多いらしい。

常連さんも多くの人がこれを片手に焼鳥を食べています。

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お客さんは入れ代わり立ち代わり、長居はあまりせずに、さくっと千円前後を飲んで夜のネオンに流れていきます。蒲田はふらりと入って楽しめる赤提灯が多いので、それらを梯子していくのもオススメです。

そんな蒲田飲み歩きコースに、「かるちゃん」を含めてみては?
鰻と焼鳥を摘みに、ほっとする昭和を味わえます。

ごちそうさま。

 

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(取材・文・撮影/塩見 なゆ)

かるちゃん
03-3733-3788
東京都大田区蒲田5-23-5
17:00~(日祝定休)
予算1,600円