蒲田「スパ串酒場 うまいける」 中華+酒場=楽しい!手軽さと個性が魅力

蒲田「スパ串酒場 うまいける」 中華+酒場=楽しい!手軽さと個性が魅力

2017年4月7日

昨今シャンツァイ(パクチー)や独特な中華スパイスを使って、定番中華とは一味も二味も違った料理を提供する店がラム肉ブームも追い風にして注目を集めています。

もともとは中国東北地方の料理がベースと言われており、寒さに負けないためのスパイスや古くから羊の放牧が盛んだったことからできた料理。味の主張がしっかりしていてお酒と合うこと間違いなし。さらに数週間するとまた食べたくなる脳を刺激する感覚があります。

そんなスパイス系中華を、大衆酒場と融合させたたお店が大田区・蒲田駅前に誕生。その名も「スパ串酒場 うまいける」。

従来からの中華料理屋にはない手軽さと、あくまで酒場であることからの敷居の低さなどがポイント。酒場側の視点でみれば、焼鳥の店に羊と独特な香辛料が加わったという感じでしょうか。

ビールは1杯380円(いずれも税別)、串は1本99円からとリーズナブル。千円札2枚くらいで味わえる手軽さも嬉しい。

中華のつまみが主体ではあるものの酒場ですので、雰囲気は焼鳥屋です。これならば、仕事帰りの服装を気にすることなく立ち寄れるのではないでしょうか。

一人の方向けにカウンターもあります。焼台を挟んで大将との距離が近く、一人で飲んでいても話し相手になってくれそうです。

ドリンクメニューはビールが一番搾りで380円、ハイボールは280円とだいぶお財布に優しい。瓶ビールはキリンクラシックラガー(CL)で大びん580円。ホッピーセットは380円、ビターズなどもあり、紹興酒主体となる中華飲みとはここでも違いが見られます。

ちなみに席料・お通しもないので本当にふらりと立ち寄ってちょい飲みも可能。

一杯目のお酒はやはりビールでしょう。ナショナルビールは毎日飲んでも飲み飽きません。美味しい一番搾りで乾杯。

羊のスパ串が99円というのは破格です。羊だけでなく焼鳥や焼とんもあり、特製スパイスで様々な味付けを楽しめます。一般的な焼鳥大衆酒場と同様の価格帯でスパイス系というのが魅力的。

スパ串酒場うまいけるは、池袋北口にある人気中華店を営業している会社の新業態で、中華の本質的な部分はそんなバックボーンが活かされています。ガツポン(280円)はしっかりボリュームがあって、これだけでも結構飲めます。

センマイもまたコストパフォーマンスが高い一品。もちもちの食感に鷹の爪の辛さが程よいインパクト。

うまいいけるサラダ(480円)は甘辛で独特な香辛料がくせになりそうなドレッシングがビールを誘います。

パクチン赤サラダは、赤の名の通り唐辛子がしっかり絡んでいます。パクチーと唐辛子、好きな人にはたまらない組み合わせ。

温厚な感じの店長は、昔から焼鳥の職人さん。焼鳥台の中で場所によって火力が異なるように炭を操り、焼きの具合を微調整しつつ焼いていきます。

配合の割合や詳細は内緒というスパイス。元となった池袋の店の頃から受け継いだレシピから少し辛さを抑えているそうです。テーブルに追い唐辛子がありますので、本気の辛さにしたい方は店長にご相談を。

これでもかとふぁさーっとふりかけて、羊肉全体にまとわせていきます。

こちらが看板料理のスパ串。羊肉独特な深味とスパイスの刺激・香味が食欲を刺激します。

1本99円とはいえ、かなり本格的で1本と言わずお腹いっぱい食べてみたくなります。

つくねもタレではなく、ここではスパイスで。ピリッとしたあとをひき、ビールと串を交互に口に運び続けてしまいます。

手羽(1本160円)をピリっとした味付けで。肉汁が滴ります。

スパムを干し豆腐で巻いたもの。豚バラで巻く大衆酒場の巻き焼に慣れていると、この組み合わせは新鮮。食感が楽しく、スパムと干し豆腐とのバランスもちょうどいい。

野菜系のおすすめはイラ!まさかの短冊状で登場します。茎の部分で串打ちされていて、葉にはたっぷりのスパイスが絡みニラの風味もあいまって絶品。

大田区といえば、バイスを製造するコダマ飲料が羽田にあります。目黒のハイサワー、赤坂のホッピー、蒲田のバイスをよろしくです(笑)

スパイス料理には、こちらも個性的な味わいで人気のよなよなエールを合わせるのもよいのではないでしょうか。

レモンまみれチューハイが気になるので頼んでみました。本当にレモンだらけでびっくり。レモンの枚数を勘定用にお代りするごとに入れる酒場がありますが、こんなになったら平気でいられる自信はありません(笑)

コンクの味付けではなく、フレッシュなレモン果肉そのものの酸味が口の中をスッキリさせてくれます。

飲みきったら、プレーンのチューハイをお代わりすれば、二杯目・三倍目も楽しめます。ちなみに、樽詰チューハイではなく、甲類と炭酸から作るタイプです。(ニットクのPSDEX-3…あ、余計な情報ですね)

さてさて、料理を引き続き見てみましょう。中華と大衆酒場の融合は料理のひとつひとつがおもしろい。カリカリの衣をまとった豚の唐揚げに特製の甘酸っぱい餡をかけた酢豚。こちらは黒酢豚でお酒がかなり進む濃厚な味。

白酢豚はすっきりとした味で、あまり飲まない人にはこちらのほうが好きかも?どちらもサクっとした歯ごたえが特長です。

揚げ物ばかり食べていると大変なので箸休め。肉厚の生キクラゲを甘醤油につけて食べるだけのお手軽料理。散々食べてきた後だからこそ、このキクラゲだけあれば何杯でもススムと思ってしまう不思議。

キャプテンモルガンを使った「ラムハイボール」。個性的な料理にはちょっとめずらしいお酒も試してみたくなりますね。

蒲田駅近く、二千円ほどで飲めるスパイス系酒場「うまいける」。羊肉、パクチー、スパイスというキーワードがお好きなノンベエさん、軽く覗いてみてはいかがでしょう。

ごちそうさま。

(取材・文・撮影/塩見 なゆ 取材協力/キリンビール株式会社)

スパ串酒場 うまいける
03-6424-9959
東京都大田区西蒲田7-46-3 村野ビル1階
17:00~25:00(金土は28:00まで・日祝は24:00まで・無休)
予算2,300円