蒲田に日本酒の試飲スペースが誕生しました。運営は酒場への配達でもおなじみ、大田区の老舗酒販店『旭屋』。商店街に面した酒の旭屋の小売コーナーの奥、もとはバックヤードだった場所に日本酒の試飲機が並んでいます。日本酒好きが集うコミュニティが生まれそうな秘密基地の誕生です。
外観は普通の酒屋さんですが…
蒲田の『旭屋』は1939年(昭和14年)創業の老舗酒販店です。蒲田西口商店街で一般向けの小売を行っているほか、大田区を中心に飲食店への配達も行っている業務用酒卸の有力店でもあります。
蒲田ではおなじみの酒屋さんですが、なんと店の奥を改装し有料試飲コーナー『裏旭屋』が開設されました。
ということで『酒の旭屋』まで来ましたが、外観からは試飲コーナーがあるようには見えません。
「なにか掘り出し物のお酒はないかな」と、店の奥へ。
大手蔵の日本酒の品ぞろえが充実しています。さすが業務用も強い酒販店さんです。地酒は少しだけ並んでいますが、どうやら店の奥に専用の地酒スペースがあるようです。
レジの方の案内で店の奥へ進むと、なんだか重厚な扉を発見。そして、ここに『裏旭屋』の看板がありました。
まさに、知る人ぞ知るというロケーションです。さっそく覗いてみましょう。
そこはお酒好きの秘密基地
店内に並ぶ試飲用のお酒はずらりと36種類。鮮度管理がしっかり行われているので試飲機でも安心です。
お酒に囲まれた空間に、スタンディングのテーブルが並びます。
また、裏旭屋では100種類を超える地酒が販売されており、気になるお酒は購入できます。配達先の飲食店の要望もあり少量でも多品種を揃えてきたそう。貴重な銘柄もあるので要チェック。
楽しみ方
お酒の飲み方は簡単です。小売のレジカウンターにてコイン(200円/枚)を購入します。コイン1枚で1回分のお酒が味わえるという明朗会計なシステムです。コイン1枚だけでもよいので、気軽に利用できますね。
セルフサービスで裏旭屋のロゴ入り利き猪口かワイングラスを持って、試飲機の注ぎ口へと持っていきます。
実際に体験してみました
まずはレジでコインを購入します。1,000円なら5枚。
夢心酒造(福島・喜多方)の奈良萬、八百新酒造(山口・岩国)の雁木、日の丸醸造(秋田・横手)のうまからまんさく(まんさくの花)、林本店(岐阜・各務原)の百十郎、中沢酒造(神奈川・丹沢)の松みどり、永井酒造(群馬・利根郡川場村)の水芭蕉など、どれも気になる銘柄ばかり。
心惹かれるお酒ばかりで、どれから飲み始めたら良いかわからなくなりそう。そんなときは、壁に書かれたチャートが役に立ちそうです。
横軸が味わいで縦軸が香りになっており、コクがあり華やかな香りのお酒は東鶴酒造(佐賀・多久)の東鶴、香り穏やかでキレがあるのは奈良萬や久保田だとわかります。
もちろん店員さんに相談するのもOK。利き酒師の資格を持つ方が丁寧に説明してくれます。
「最初から個性が強いものお酒ではなく、バランス型の、例えば上喜元などから始めてみるのはいかがでしょう」
「お酒に悩んだら、ご自分の出身地のお酒を選んでみては?」
など、アドバイスをしてくれます。
松みどり純米酒
一杯目は、松みどりの純米をいただこと思います。まずはコインを入れて…。
お猪口を注ぎ口に近づけボタンを押します。利き猪口に適量(40ml~50ml)が注がれました。
それでは乾杯!
花冷えくらいに冷えており、ちょうどよい温度です。きれいな旨味が感じられ余韻はすっきりとしたお酒。実に美味しいです。
雁木 純米吟醸
二杯目は雁木の純米吟醸にしてみます。日本各地の酒蔵から集められたお酒を、そのときの気分で気軽にいろいろ飲み比べできるのは実に楽しい体験です。
電子レンジが用意されており、レンジ加熱でお燗をつけることも可能です。
酒器は二杯目以降も同じものを使いますが、都度水で洗い流せます。また和らぎ水(チェイサー)も用意されており、ペットボトルの水をレジで購入後持ち込めます。
お客さん同士、自然と会話が生まれる雰囲気
10月7日のオープン初日から多くのお客さんで賑わいました。デスクワーク後、飲み歩き前のゼロ軒目にやってきたお二人。
お酒好きの人が集まるこの空間は、お客さん同士の会話も自然と弾みそう。“お一人様同士が意気投合して居酒屋へ繰り出す”なんて光景もあったそうです。
私も偶然居合わせた人と、お酒や酒場の話で盛り上がりました。業務用の酒卸として100店舗以上と取引している同店だからこその、蒲田周辺の居酒屋情報も聞くことができます。
気に入ったお酒は店頭で直接購入できるだけでなく、ECサイトでも購入できます。これから酒場へ繰り出すから重たいお酒は持ち歩きたくない…なんていうときは、試飲機上部にあるQRコードのついたカードをチェックしましょう。読み込み先はAmazonの商品ページなので、Amazonアカウントがあれば簡単に購入できます。
今後、情報が追加されていきそうなブラックボード。地図には、オススメの居酒屋情報が今後増えていく予定と聞きます。
裏旭屋を立ち上げた、旭屋の専務 瀬戸伸彦さん。
「普段日本酒を飲まない方に日本酒デビューの場として利用していただけたら嬉しいです。もちろん、日本酒好きの方に楽しんで頂けるよう様々なお酒を揃えました。お酒を通したコミュニケーションの場になることを願っています。ぜひお気軽にご利用ください」
朝10時から開いており、散歩がてらの昼飲みや、飲み会前の待ち合わせ場所としてゼロ軒目利用にも良さそう。お酒好きの新しいコミュニティスペースの誕生です。
ごちそうさま。
限定グッズのお知らせ
お店で使っている利き猪口と同じデザインのオリジナルお猪口販売中 1個550円。
(取材・文・撮影/塩見 なゆ タイアップ/株式会社旭屋)