横浜へ行ったら、やっぱり中華が食べたい。でも中華街は観光地ですし、お酒を飲むならもう少し大衆的な店や町中華がいい。そんなときにも桜木町・野毛エリアが頼れる存在です。今回は、この街で50年以上続く、街に根付いた老舗の町中華に絞って4軒ご紹介します。
1,『萬福』
1968年創業、野毛の仲みち沿いで半世紀続いてきた本格的中華も揃う大衆中華料理店。お昼から通しで営業しており、ベテランの皆さんがお昼からキリンビールや紹興酒、五加皮(ウーカーピー)酒を次々空けていくパワフルなお店でした。
野毛を代表する老舗大衆中華のひとつでしたが、2022年、一度店の灯りは消えてしまいました。かなり年季の入った建物で、お店の皆さんもベテラン揃いだったこともあり、このまま閉業かと心配する声もありましたが、2023年5月、新築の新店舗で営業を再開!
名物のカレー焼そばをはじめとした、昔からのメニューは新店舗でも変わらず提供されています。営業時間も変わらず通し営業。酒場の多い野毛ですが、お昼から飲める店はそう多くありませんので、『萬福』を訪ねてみる価値は大いにあります。
住所 | 神奈川県横浜市中区宮川町1-9-2 1F(移転先の新住所) |
営業時間 | 11:30~20:00 木曜日定休 |
創業 | 1968年創業 2023年5月15日移転再開 |
2,『第一亭』
テレビ番組でも度々紹介される野毛の有名店、昭和34年創業の『第一亭』。チートやパタンといった独自料理が名物です。ホルモンを多用した台湾料理が多く、どれもお酒が進むものばかり。そのため、夜営業は完全に居酒屋の雰囲気になります。
知名度の高さや昨今の物価を考えるとびっくりするほどリーズブルで、600円から1,000円ほどの料理ばかり。主役である豚モツは毎日食肉市場から仕入れるというこだわり。
五目ヤキソバのようなポピュラーな料理にもこの通り、豚モツが使われています。独自のセンスが光る、続いてきた理由のわかる名店です。
住所 | 神奈川県横浜市中区日ノ出町1-20 |
営業時間 | 営業時間 11:00~13:30 16:30~21:00 ※食材が無くなると早仕舞いする場合あり 日曜営業 定休日 月曜日、火曜日 |
開業年 | 1959年 |
3,『萬里本店』
「萬里(ばんり)」の初代は中国新京から引き揚げてきた人物。新京で味わった餃子風の料理を提供したことが、同店の創業のきっかけとなりました。昭和24年開店、野毛の歴史を見続けてきた老舗です。
カウンターの一人飲みから宴会まで幅広く利用でき、餃子以外にも珍しい料理が楽しめる場所として知られています。八宝菜、スブタ、魚の切り身あんかけ、ナマコのうま煮など、大衆料理から本格的なものまで品数は豊富。最近では、豚モツうま煮が特に評判を呼んでいます。
住所 | 神奈川県横浜市中区野毛町2-71 |
営業時間 | 営業時間 [火〜土・祝日] 12:00~20:30(20:00L.O) < 休憩 > 平日 14:30〜16:30(14:00L.O) [日] 12:00~17:00(16:30L.O) 日曜営業 定休日 月曜日 (月曜祝日含む) |
開業年 | 1949年 |
4,『横濱飯店』
桜木町駅直結のレトロな商業施設「ぴおシティ」は、最近若い人で賑わうネオ居酒屋や立ち飲み・低価格酒場(いわゆるセンベロ)店が増加し、以前よりもはるかに活気がありますが、そのかわり、なんだか落ち着かない…という方もいらっしゃるはず。
そんな方には、ぴおシティ内にある『横濱飯店』がおすすめ。ぴおシティ開業以前の横丁時代からこちらの場所で営業を続けている老舗の飲食店です。
「昔は造船関係の人もよく宴会で利用した」という店で、安くて量もある中華料理が多数。
ビールからボトルの甲類焼酎(トライアングル)、ハイボールまで勢ぞろい。餃子や春巻き、ホイコウロウなどをつまみにのんびりと中華飲みを楽しんでみては?この立地でも、飲んで食べても、お会計はだいたい2,000円台で済みます。
11時から夜22時まで通し営業ですので、立ち飲みをして疲れたあと、帰宅前の〆の一杯としての利用にも便利です。私はだいたい野毛巡りの最後はここで飲んで帰ります。
住所 | 神奈川県横浜市中区桜木町1丁目1 ぴおシティ B2階 |
営業時間 | 11:00~22:00(不定休) |
開業年 | 1970年頃 |
(取材・文・撮影/塩見 なゆ)