桃太郎伝説がうまれたまち、岡山。東瀬戸経済圏最大の都市で、広島と並ぶ中国地方を代表する街です。桃太郎に関連するきび団子が名物ですが、桃をはじめ、様々な食材の宝庫としても知られています。
例えば、サワラ、真鯛、穴子、蝦蛄、牡蠣、タコ、ママカリなどの海産物や、黄ニラ、マスカット・ピオーネ、雄町米でつくる日本酒の農産物など。ちょっぴり個性的で他の街にはない魅力が詰まっています。
そんな岡山のグルメを、地元のお酒と一緒に楽しみませんか?
新幹線から山陰・四国へ乗り継ぐ鉄道の結節点である岡山駅は、なにかと下車する機会が多いことでしょう。今回は岡山駅から乗り換え時間内に利用できる、徒歩圏内の昼飲みスポット4軒をご紹介します。
1,『喜楽鮨』
1軒目は戦後すぐの岡山市平和町で創業した『喜楽鮨』。家族経営の昔ながらの町の寿司店です。岡山はといえばばら寿司が名物ですが、意外と駅の周辺にはこうした個人店は少なく貴重な存在。
選択肢が少ないからご紹介する、という訳ではありません。こちらはしっかりと修行した大将と息子さんがこだわりの地元食材で伝統のばら寿司をつくってくれます。
ビールはキリンラガー。全国銘柄のキリンラガーですが、実は岡山市内にビール工場があり、このビールも岡山工場生産でした。
とはいっても大手銘柄でしょう?という方は、日本酒をぜひ!
岡山県産米の「朝日」でつくる三冠酒造(倉敷市児島)「三冠 朝日 純米大吟醸 熟成酒」など、かなり珍しい地酒を取り揃えています。ふくよかな甘さとしっかりとしたコクがある、岡山らしいお酒を味わってみませんか。
瀬戸内の食材だけにこだわり、ひとつひとつ丁寧な仕事を施したばら寿司が、なんと1,000円台。非常に良心的です。大将や息子さんの人柄も素敵で、それぞれの魚介類のこだわりなどを丁寧に教えてくれます。
寿司種がよく、握り寿司もいろいろと食べてみたくなります。喜楽鮨のカウンターは、瀬戸内に生息する魚種の多様さを感じることができる筆者の大好きな場所。
もちろん名物のママカリもあります。
住所 | 岡山県岡山市北区平和町6-1 |
営業時間 | 営業時間 <昼営業> 12:00~14:00 <夜営業> 17:00~22:00 定休日 日曜・祝日(年末▪年始は営業) |
開業時期 | 1949年 |
2,『お好み焼 花門S』
近年注目が高まっている料理が、岡山県の牡蠣入りお好み焼き。通称「かきおこ」。日生湾に面した備前市の名物ですが、赤穂線に揺られて食べに行くのはちょっと遠い…なんてときは、岡山駅前の『花門S』へ!
40年以上続いてきた地元密着のお好み焼き店です。カウンターはなく、鉄板を埋め込んだテーブル席が並ぶ店内ですが、一人飲みの利用も優しく迎えてくれますからご安心を。まずはキンキンに冷えたビールで乾杯!
お隣・広島のお好み焼きと違い、こちらは練りこみスタイル。そこへ立派な瀬戸内の牡蠣を載せ、ひっくり返します。すると牡蠣から旨味たっぷりの汁が滲み出し、生地全体に牡蠣の風味が伝わっていくのです。
これが絶品!岡山駅で乗り換えに1時間あれば、一旦途中下車して花門Sへ飛び込もう。ただし、焼くのに夢中で旅程が崩れないようにご注意を。
※牡蠣お好み焼きは季節商品です。
住所 | 岡山県岡山市北区本町2-22 錦ビル 1F |
営業時間 | 11:00~21:30 |
開業時期 | 1977年 |
3,『ビアレストラン MOBY』
洋食の気分や、ビールメインで飲みたいときは、駅前商店街内にある『ビアレストラン MOBY 岡山駅前店』へ。岡山には銀座ライオンやキリンシティのような大手のビヤホールが進出しておらず、同店だけがお昼から飲める広いビヤホールです。
気になるビールの銘柄はサッポロ生ビール黒ラベルや琥珀ヱビス。大手ビール以外では、宮下酒造(岡山市中区)の「独歩ヴァイツェン」を味わえます。
また、冒頭で紹介した通り葡萄の産地である岡山は、もちろんワイン造りも盛んです。ポレール岡山マスカットベリーA(赤ワイン)などもぜひ!
洋食店兼ビヤホールなので、ステーキやハンバーグ、ソーセージ、オーブン料理各種にピザなどを置いています。
とろっとしたチーズがビールと相性抜群。お昼から中休みなく営業していますから、岡山城や岡山後楽園観光の帰りに軽くビールで一杯!なんてシーンにもぴったりです。
住所 | 岡山県岡山市北区駅前町1-7-22 |
営業時間 | 営業時間 11:30~23:00(L.O.22:30) 日曜営業 定休日 無休 |
開業年 | 1970年代創業の系列ビヤホールの流れ |
開業年 | HOT PEPPER |
4,『吾妻寿司 岡山駅店』
乗り継ぎに40分しかないけれど、岡山の味を楽しみたい!というときには、駅ビル「さんすて岡山」内にある吾妻寿司へ。明治45年創業の老舗寿司店で、以前は表町に本店がありましたが、現在は岡山駅内と、天満屋本店内の2店舗で営業しています。
駅ナカ(改札外)立地ということで、ひっきりなしにお客さんが出入りしており、「腰を据えての飲もう」というときには不向きですが、その分、クイックに利用できる使い勝手の良さがあります。
ビール(岡山製造のキリン一番搾り生ビール)や日本酒(嘉美心、桃の里、燦然など)を一杯もらって、あとはにぎり(1,000円~)やちらし(1,000円)でお腹を満たすというのはいかがでしょう。
サワラ丼やままかり寿司もあります!
住所 | 岡山県岡山市北区駅元町1-1 さんすて岡山 2F |
営業時間 | 営業時間 11:00~22:00(LO21:30) ランチタイム 11:00~14:00(土・日・祝日除く) 日曜営業 定休日 年中無休 |
開業時期 | 1912年 |
(取材・文・撮影/塩見 なゆ)