平成二十九年 あけましておめでとうございます。

平成二十九年 あけましておめでとうございます。

よき新春をお迎えのことと、お喜び申し上げます。

2017年も、酒場がもっと楽しくなる情報をお伝えすべく日々発信してまいりますので、なにとぞ本年もよろしくご愛顧のほどひとえにお願い申し上げます。皆様のご健康とご多幸、そして楽しい乾杯をお祈り申し上げます。

 

新年最初は、京都嵐山の”酒の神”として信仰される松尾大社から。

狂言「福の神」において松尾神は「神々の酒奉行」と言われており、醸造技術の優れていた秦氏に奉斎されたことに由来します。

お酒に関わる人々にとって大切な神様です。筆者もその外縁部とはいえ酒場をお伝えする者として、読者の皆さまの「楽しく美味しく、健康的な飲酒」をお祈りしてまいりました。

 

京都駅からバス、もしくは阪急電車の松尾大社駅からすぐ。最初の鳥居の横には巨大な酒坏がありますので、一種独特な雰囲気があります。小声で「あぁ、飲みたい。」

 

四条通の東端にある八坂神社と対峙して西端に鎮座するのは松尾神社。お酒の神と祇園の神が向かい合っているというのは、四条通の酒場で飲むと両方のご利益がありそうな気がする…。

 

この先、たくさんお酒にまつわる内容が続くのですが、まずはご覧いただきたいのが奉賛者の一覧。アサヒ、キリン、サッポロ、宝酒造に白鶴酒造にと、当たり前ながらそうそうたる顔ぶれが並びます。

 

江戸時代初期につくられたとされる左右に随神を配置した楼門。

 

拝殿も立派。平成二十九年 酉年。潤いのある一年でありますように。

※「樽うらない」が気になる方は、松尾大社にお参りに行きましょう。

 

本殿は701年(大宝元年)に創建以来、皇室や幕府によって修繕をされ続けられ、1397年(応永四年)に建造された社殿が現在のもの。取材時は初詣の参拝に向けた覆いができており、全景がご紹介できないのですが、大変立派な建物であり、重要文化財に指定されています。

 

お酒に関わる人々からの信仰を最も感じられるのが、この神輿庫にあります。由緒のある神社では菰樽(こもだる)の数は多いものですが、松尾大社においては、他の神社の比ではありません。なにより、同じ酒造の菰樽が並ぶのではなく、日本全国から奉納されているのです。

酒屋でお酒を眺めるのが好きな、筆者のようなタイプには最高の場所です。

 

皆さんはいくつ飲んだことのある銘柄を見つけられるでしょうか。人の一生でも、これだけを飲み干すのは難しいですが、さすが「福の神」は、神様だけあってよくお飲みになるようで。

 

半分以上、飲んだことがある蔵があれば上出来ですか。

 

境内には「お酒の資料館」があります。酒造りの歴史や製造工程、酒器など様々なお酒にまつわる展示物があり、一般の人も無料で見学することができます。「日本第一醸造神」と言われるだけあって、なかなかのコレクションです。

 

京都の街は、歴史ある銘店も多いですが、角打ちからせんべろ立ち飲み、酒造会社の試飲の場まで、お酒好きの皆さまが楽しめる名所が多数あります。神社仏閣巡りと同じくらい、飲み歩きも楽しい街ですので、松尾大社への参拝とともに梯子酒をされてみてはいかがでしょうか。

 

新年も、お酒に関わる人々と、お酒を楽しむ皆さまにたくさんの幸せがありますように。

改めまして、本年も酒場とお酒のWEBマガジン「Syupo」をよろしくお願い申し上げます。

平成二十九年酉年 筆者 塩見なゆ

 

松尾大社お酒の資料館
075-871-5016
9時~16時(年中無休)