「酒屋角打ちフェス」直前レポ!前回(第7回)の様子をお伝えします

「酒屋角打ちフェス」直前レポ!前回(第7回)の様子をお伝えします

酒販の業界団体「東京小売酒販組合」などが主催する「酒屋角打ちフェス」。昨年からは年に2回のペースで開かれており、2024年春開催で8回目となります。お酒のイベントは数あれど、酒造メーカーや飲食店ではなく、「酒販店」が主役のイベントは珍しい!2024年2月16日からの開催を前に、前回、2023年秋開催の様子をレポートいたします。

今更ですが、「角打ち」とは酒販店の店内でお酒を飲むことをいいます。言葉としての「角打ち」の由来は九州北部の方言ですが、角打ちというスタイルそのものは戦前から全国にあり、「立ち飲み」「もっきり」など、様々な言葉で呼ばれてきました。

以前は「飲食店が開く前から小売価格で”安く飲める”」という点が注目されていましたが、近年は幅広いジャンルのお酒を知る専門家がいる「お酒と出会う場所」という視点の店が増えています。また、酒流通の変化もあり、町の酒屋さんの役割が変化し、純粋な小売という立場だけではなく、これまで角打ちをやっていなかった酒屋さんも、角打ち営業も含めた広く酒類提供の場へとシフトし始めています。

そうした時代の変化の中、町の酒屋さんが集まってイベントを開こうと企画されたのが『酒屋角打ちフェス』です。

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上野公園 噴水広場が巨大な角打ちになる

開催場所は、東京都台東区にある上野公園。動物園や博物館・美術館に囲まれた噴水広場にテントがずらりと並びます。

2023年11月に開催された第7回に出店した酒屋さんや業界団体の直売店の数は23軒。上野公園の広場は、さながらひとつの超巨大な角打ちでした。

入場料500円を支払い会場へ。中央が飲酒スペースで、それをぐるりと囲むように酒販店や飲食店テント、キッチンカー、そしてイベントスタージが設置されています。2023年開催では机が不足している印象があり、2024年春開催からは大幅に机の数を増やす予定とのこと。

縁日コーナーもあり、お酒がメインのイベントながら家族連れで楽しめるイベントになっていました。

ステージでは、アーティストによるパフォーマンスが途切れることなく行われており、イベントを盛り上げています。お酒についてのクイズ大会があり、筆者も出題者として登壇しました。難易度を高めにした内容でも正答率が高くてびっくり。

※グラスは撮影用に持参した筆者の私物です。提供は使いすてカップで行われます。

角打ちの各店で購入したお酒をもって、グループでテーブルを囲むもよし、一人で来て酒屋さんや酒造関係者と酒トークを楽しむもよし。ステージ前までくれば、ライブを見ながらお酒が楽しめます。

日本酒、ビールだけでなく、ワインもウイスキーも!

酒屋さんのイベントなので、日本酒やクラフトビール、カクテルまで酒類はなんでも揃っています。その数、なんと500銘柄!

11月の開催はボージョレーヌーボーの解禁日直後ということで、ワインに力を入れている酒屋さんではワインの新酒を提供し賑わっていました。

酒屋さんですから、お酒のボトル売りも行っています。お土産用に買ったお酒をその場で試飲するなど、皆さん自由にお酒を楽しんでいました。※会場外で購入したお酒は飲めません。

お酒とのペアリングを提案する飲食店テントもあり、ひやおろしに合う料理など、お酒のイベントならではのフードが並びました。2024年春開催も、沖縄料理の店と泡盛レモンサワーのような提案を予定しているとのこと。

時刻は15時。会場は大盛況です。3日間の開催で1万5千~2万人の来場がありますが、会場は広いのでぎゅうぎゅうになることはなさそう。

秋開催では大好評だった鮎の炭火焼き。

全面にシートを貼っており、その一画はお花見のように座れるコーナーになっていました。日中、日差しが届くと春のような暖かさ。

黄昏時を過ぎた頃は、皆さんほろ酔いです。なんだか不思議な一体感があります。開けた場所でみんなでワイワイ飲むっていいですね!

酒販店だけでなくビール会社、酒造会社や東京都酒造組合も協賛する、お酒をテーマにしたイベントとしては都内最大級のもの。次回は2月16日(金)から18日(日)の3日間です。

(取材・文・撮影/塩見 なゆ 取材協力/TOKYO酒屋魂実行委員会)

Syupo 塩見なゆは角打ち好きのひとりとして、酒屋角打ちフェスの趣旨に賛同し、運営に協力しています。