物価上昇が続く現在でも平均利用額は1,000円台という安定の安さを守り続けている晩杯屋が、ついに吉祥寺に誕生。出店場所はまさかのハモニカ横丁です。豊洲市場直接仕入れの鮮魚をつまみに、お手軽市場飲み気分を満喫しませんか。
目次
酒場激戦区の吉祥寺に「せんべろ」という選択肢
吉祥寺といえば、精肉店由来の老舗焼鳥店をはじめ、数多の居酒屋やバル、立ち飲みが立ち並ぶエリアです。昭和から愛されてきた老舗や、新進気鋭の新・大衆酒場など個性派揃いの街ですが、「立ち飲み」や「せんべろ」という選択肢は、街の規模に比べ少なかったように思います。
井の頭公園や吉祥寺駅前の商店街そのものが東京・武蔵野エリア屈指の観光地ということもあり、強気な値段設定も多かったのではないでしょうか。
そんな吉祥寺に、いよいよ晩杯屋が参入。梯子酒レパートリーに「海鮮せんべろ」が加わりました。
外観
しかも出店場所は、JR吉祥寺駅北口に広がるハモニカ横丁の駅側入り口すぐ。アトレ吉祥寺(旧ロンロン)側の改札からなら改札徒歩60秒という好立地です。以前は歴史ある鮮魚店だった場所。
オープンは2023年5月1日。平日にも関わらず、初日から大勢のお客さんが集まりました。
内観
店のつくりは2020年代の晩杯屋の標準的な構造で、一階は立ち飲み、二階がテーブル席(席料としておしぼり料がかかります)です。合計で定員は50名程度。
一人飲みに嬉しいカウンターをメインとした構造ですが、二階はテーブル席もあり、空席があれば4名程度の飲み会も可能です。本オープン初日、テーブル席は20代のお客さんが多く、晩杯屋の客層の変化を感じました。
二階には着席のカウンター席もあります。晩杯屋で着席カウンターは実は結構珍しいです。
品書き
お酒
- 生ビール キリンラガー:490円
- チュウハイ:250円
- ゴールデンチュウハイ:290円
- コーン茶割り:330円
- ハイッピーセット:430円
- 本格焼酎一刻者:390円
- 陸ハイ:290円
- お酒 菊源氏:250円
- 冷酒生貯1合:440円
日替わり
- 島根 ブリ刺し:250円
- 青森ヤナギダコ:310円
- 長崎天然真鯛:310円
- マカロニ皿だ:150円
- ガツ刺し:190円
- レバフライ:190円
料理
- 煮込み:150円
- のどぐろ出汁湯どうふ:150円
- 蒸し豚:220円
- 肉シューマイ:220円
- マグロ刺し:310円
- くじら刺し:310円
- くじらベーコン:490円
- 手仕込みロースかつ:350円
- 野菜天:150円
- あら汁:110円
晩杯屋の特長は500ジョッキと激安鮮魚
キリンラガービール(490円)
筆者の考えるビールの「お得感」の分岐点は、容器容量1ml:1円より安いかどうか。晩杯屋は約15年前の武蔵小山1号店オープン当時から、ジョッキサイズは500mlを続けてきました。最新の吉祥寺店もキリン赤ジョッキ500型(容量500ml)で、しかも値段は490円。これはお得でしょう。
液種がキリンラガーというのもこだわり。晩杯屋の運営元・アクティブソース社がトリドールHD傘下になったあとに、一番搾りからキリンラガーに変更されました。「浜松町の老舗もつ焼き店などで飲む”ラガー生”が最高に美味しいから、うちもキリンラガーで!」と関係者談。
状態抜群の大樽キリンラガーで乾杯!
ゴールデンチュウハイ(290円)
晩杯屋といえば、バラエティ豊富なチュウハイのレパートリーも魅力の一つ。とくに宝酒造のゴールデンチュウハイは、晩杯屋と赤羽の「いこい」が広めたと言っても過言ではありません。樽に貯酒した甲類焼酎を配合しているため、独特の風味が特長です。
コーン茶割り(330円)
お茶系の割材ならば、私のおすすめは北海道コーン茶で割ったコーン茶割り。甲類焼酎(ベースの甲類は宝焼酎25度)と合わさると甘さと香ばしさが広がり、とっても優しい味になります。
ヤナギダコ(310円)
市場開場日は毎日豊洲市場水産仲卸棟へ仕入れに行き、各店に直接発送するというのが近年の晩杯屋の仕入れスタイル。社長の池本さんも仕入れに同行し、社長決済で高級食材を仕入れることも多く、何が食べられるかは日々のお楽しみです。
今日は珍しく柳ダコが入っていました。タコ刺しはスーパーでの小売価格も値上がりしていますし、310円でこれが食べられるのはやはり安いです。
くじらベーコン(490円)
しっかりとしたボリュームのくじらベーコン。このクセがお酒を進ませます。
ホタテから揚げ(190円)
ベビーホタテに衣をつけて揚げたもの。シンプルに塩をつけていただきます。
マグロ刺し(310円)
昔の晩杯屋のマグロは大きかった。その意見に筆者も賛同しますが、脂がのったインドマグロや本マグロを300円台でだしているのはやはり凄いことではないでしょうか。
メロンソーダサワー(330円)
ここからは気になるフルーツ風のサワーをご紹介します。まずは、合同酒精が新発売した「昔懐かしいメロンソーダサワー」。「純喫茶の懐かしいメロンソーダの風味をサワーで」がコンセプトの昭和レトロ系サワーです。味は、大手飲料メーカーのメロンソーダではなく、老舗食料品店が販売するメロンシロップ風。もちろん無果汁。
子供の頃、かき氷はメロン一択だった私は結構好きな味。
出雲シャインマスカット(410円)
こちらは、宝酒造が売出中の寶 和リキュール「産地めぐり」から、出雲シャインマスカット。こちらは原料に出雲市産のシャインマスカットを使っており、宝酒造が得意とする樽貯蔵熟成で仕上げたもの。晩杯屋ではソーダ割りでいただきます。
結構本格感があり、マスカット好きなら一度は試して欲しい味です。
静岡恋する白いちご(410円)
同じシリーズの「静岡恋する白いちご」。こちらも原料にしっかり白いちごを使った焼酎系のリキュール。少しミルクのような風味があり、いちごミルク感覚で楽しめます。
これらのサワー類は甘めなので、ペアリングとしては揚げ物が良さそう。
ハムカツ(250円)
ということで、晩杯屋の定番メニューからハムカツを注文。見てください、この分厚さ。揚げたてザクザクの衣に、オリバーソースをかけていただきます。
肉シューマイ(220円)
吉祥寺といえば、シュウマイが名物の酒場もありますが、晩杯屋のシュウマイも食べごたえがあります。
トマト割り(330円)
いろいろ食べて飲んで、最後に飲みたくなるのはトマト割りです。創業時からの人気メニュー。値上げされても、ずっとデルモンテ社のトマトジュースにこだわって使い続けています。
「テーブルにセットされた味の素を振りかければもっと美味しくなる!」と関係者。
ごちそうさま
市場の鮮魚価格が高騰する中でも、この価格を維持しているのは、企業の努力の賜物です。魚は数が揃わなくても仕入れ、店ごとに違う魚を届け、丸魚は店内で捌きます。このオペレーションだって結構な負荷がかかるはずです。
時には、本部メンバーも保冷バッグを使って市場から店へ直接電車に乗って届けることもあります。1円単位、1g単位の計算と、飲み歩きが好きなスタッフたちの酒場愛が生み出す、手頃で楽しい晩杯屋。吉祥寺の新店に飲みに行ってみませんか?
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(取材・文・撮影/塩見 なゆ 取材協力/株式会社アクティブソース、株式会社アサヌマ、酒類メーカーの皆さん)
店名 | 立呑み晩杯屋 吉祥寺店 |
住所 | 東京都武蔵野市吉祥寺本町1丁目1−3 |
営業時間 | 平日15:00~23:00 土日祝13:00~23:00 無休 |
開業時期 | 2023年5月1日 |