十三『晩杯屋十三店』東京発の人気立呑み、関西初進出!東京との違いは?

十三『晩杯屋十三店』東京発の人気立呑み、関西初進出!東京との違いは?

2022年9月2日

2022年8月31日、大阪・十三に晩杯屋が開店しました。豊洲市場や赤羽の酒販店との深い関係が実現していた低価格を、大阪ではどうクリアしているのか。東京との違いや、今後の出店計画について関係者にインタビューしつつ、開店初日の立ち飲みを楽しんできました。

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東京の激安立ち飲みチェーンは、大阪で戦えるか


(晩杯屋1号店となった武蔵小山店。再開発により現存せず)

晩杯屋は2009年、創業者の金子さんらによって武蔵小山で1号店が誕生しました。

金子さんはもともと公務員で、飲食業界出身ではありませんでした。そこで、晩杯屋を立ち上げるにあたり、東京都北区・赤羽にある人気立ち飲み酒場『いこい』で修行しました。これが現在も晩杯屋の暖簾に『いこい系』と書かれている理由です。

(晩杯屋各店の暖簾には赤羽いこい系と表記されている)


(赤羽にあるいこい本店)

『いこい』は首都圏の酒場好きの間ではおなじみの酒場です。同店はもともと昭和27年創業の酒販店・アサヌマの角打ちスペースでした。あまり知られていませんが、実は『いこい』は現在でも酒販店の直営店なのです。

『いこい』で修行した方がはじめる「いこい系」の多くは、そうしたつながりから酒類の仕入れ先としてアサヌマを選んでいます。それは、トリドールホールディングス傘下であり、多店舗展開している晩杯屋でも同じです。

また、晩杯屋の料理の安さ、魚種の豊富さの秘密は東京中央卸売市場豊洲市場(以前は築地市場)にあり、丸魚を仕入れ、セントラルキッチンではなく店内捌きにこだわっています。

そんな晩杯屋が豊洲も赤羽からも遠い場所に出店すると聞けば、気になるのは品揃えや値段の違いです。それを確認すべく、大阪淀川区・十三にやってきました。

十三駅から徒歩1分ほど。駅前に広がる飲み屋街にオープンしました。

大阪・十三のこの路地に、まさか晩杯屋の看板がたつとは夢にも思っておりませんでした。

今後、スケールメリットも考えた店舗展開を検討しており、すでに大阪駅前第三ビル、あべののモールに出店が決定しているそうです。

外観

晩杯屋の全国展開は、個人経営時代から飲食大手のトリドール傘下に移った当初から言われていましたが、昨今の状況下で先送りになっていました。それがついに実現。リーシングや食材調達は、トリドールと晩杯屋(アクティブソース)が共同でおこなっているそうです。

トリドールの主力業態「丸亀製麺」が日本全国に展開しているため、物流ルートはすでに確保済み。万全のバックアップ体制です。

内観

一階

もともと居酒屋だった物件だそうですが、一階は首都圏の晩杯屋と瓜二つなつくりです。オープンキッチンスタイルもこだわりです。

調理場を見渡せるカウンターと、壁側にはテーブルという構造。椅子はありません。

二階

二階は椅子とテーブルがずらりと並び、立ち飲みスペースはありません。お酒や料理の値段はかわりませんが、着席では席料分としておしぼり代(70円)がかかります。

ある程度の広さがあるので、4~10人程度のグループ利用は容易です。

品書き

お酒

樽生ビールキリンラガー):490円、馬ハイスコッチウイスキーホワイトホース):290円、宝ゴールデンチュウハイ:290円、ハイサワーセット:430円、コーン茶割り:330円、お酒(福徳長酒類 菊源氏):290円、コーヒー牛乳ハイ:440円など。

ホワイトボードメニュー

本日の鮮魚は、高知県産カゴカキダイ:250円、兵庫県産ヘダイ:250円、三重県産ハマチ:250円、お刺身5種盛:500円。

なにせ大阪は低価格居酒屋(いわゆるセンベロ業態)の宝庫。東京では最安値といっても過言ではない晩杯屋ですが、大阪では一般的な値段。今後、どう受け入れられていくか注目です。

料理

煮込み:150円、マカサラ:150円、納豆オムレツ:190円、ちくわ磯辺揚げ:150円、マグロ刺し:310円、煮こごり:150円、レバフライ:190円、野菜天:150円、極厚ハムカツ:250円、アラ汁:110円など。

「東京と変わらない」というこだわり

品書き、献立も、テーブルにセットされた調味料も、東京の晩杯屋と瓜二つです。ハイサワーやバイスなどのリターナブル瓶で配送される割材類まで共通なことに驚きます。

生ビール(490円)

なにはともあれ、ビールから。飲みごたえたっぷりです。乾杯!

晩杯屋のビールは洗浄がよく提供品質が割りと高いです。銘柄は現在はキリンラガービール。近年、小型化している生ビールのジョッキも、同店ではこだわりの「500mlジョッキ」です。最近流行りの背丈の高いジョッキではなく、昔ながらのずんぐりとした赤ジョッキなのも嬉しいポイント。

マグロ中落ち(250円)

魚の仕入れは豊洲からの紹介もあり、大阪中央卸売市場の卸からおこなっているとのこと。ねっとりした中落ちでビールが進みます。

やりいかゲソ(190円)

「豊洲とはまた違った、西日本らしい多様な魚があって、仕入れがおもしろい」と担当者。魚種はこだわらず、市場側でみつくろった丸魚を店に届け、店内調理で刺身などにして提供しています。アラがでるので、アラ汁も用意されています。

レバフライ(190円)

ソースをたっぷりまとって提供されるレバフライ。揚げたてホクホクの状態でソースにドブ漬けするので、意外にも衣はサクサクとしています。普段、それほどレバーを食べない方にも試してほしい、スナック菓子的な美味しさがあります。

晩杯屋のかつての本社がオリバーソースの事務所と近かったというご縁から、ソースは長くオリバーソースを使用しており、大阪に進出してもそれは変わっていません。運営に携わる皆さんの、「東京の晩杯屋と変えないこと」のこだわりが非常に強いです。

納豆オムレツ(190円)

筆者が晩杯屋でもっとも多く注文する料理は納豆オムレツです。注文を受けてからフライパンで手際よくつくってくれる、手作りが嬉しい一品。調理担当さんによって仕上がりに違いがあるのも楽しいですが、こちらは大変きれいです。

ケチャップを置かない晩杯屋。調味料はオリバーの出汁ソースがオススメです。納豆にソースが意外と合うんです。

くじらベーコン(490円)

くじらベーコンは、アクティブソース社長の池本さんの好物。コクがあり、ちびちびとつまむのにぴったりな肴です。

ハイサワーハイッピーセット(430円)

武蔵小山発祥の晩杯屋は、同じく武蔵小山にある割材メーカー、博水社の商品を推してきました。まさか大阪十三でハイサワー・ハイッピーが飲めるとは思いませんでした。コンクではなく、リターナブルびんなので、この瓶は再び500キロの旅をして武蔵小山に戻るわけですね。

陸ハイ(390円)

フォアローゼスの薔薇ハイ、ホワイトホースの馬ハイなど、ウイスキーハイボールの種類が豊富ですが、私のオススメは、富士御殿場蒸留所のウイスキー「陸」をつかった陸ハイです。400円未満なのに、贅沢なハイボールの味がします。

ハスカップサワー(330円)

みんな大好き、ハスカップサワー。北海道産のハスカップを原料にした旧サッポロ飲料(現ポッカ・サッポロ)のリボンブランドのエキスをつかっています。

コーン茶割り(330円)

同じく北海道シリーズ。北海道産とうもろこしを原料にした、割材用に濃いめにつくられたコーン茶で宝焼酎を割ったもの。コーン爽やかな甘い風味が、ベースの宝焼酎と相性ぴったり。

関西は樽詰サワーが長年浸透していて、甲類焼酎を割って飲むホッピー、ハイサワー、バイス、玉露割りなどはあまり飲まれてきませんでした。晩杯屋はそんな大阪では貴重な、割りもの系天国だと思います。

こうした、東京ローカルや、関西ではあまり飲まれていない割材を支えているは、いまも赤羽のアサヌマなんです。さすがに配達するには距離があるため、協力関係にある大阪の酒卸・幸田と連携して配達しいるそうです。

首都圏のような甘くない酎ハイや、甲類焼酎を瓶の割材やお茶で割って飲むスタイルが飲みたくなったら、晩杯屋がおすすめです。

東京で提供しているものを頑固に変えないことが店の魅力のひとつと言えそうです。

ごちそうさま。

(取材・文・撮影/塩見 なゆ)

店名立呑み 晩杯屋十三店
住所大阪府大阪市淀川区十三本町1-2-6
営業時間11:00~22:00(無休)
開業年2022年8月31日