台湾出身の創業者が暖簾分けで開いた大森「喜楽」。夜は居酒屋ムードになる飲める中華。人気のおつまみは、台湾つながりで腸詰です。
大森の〆の一杯はここで決まり!
大森駅からJRの線路沿いを南に100m。アーケードの大森銀座商店街ミルパや煮込みの老舗などがある、ちょっと懐かしい町並みの一画があります。
ここに約70年続く老舗の大衆中華(町中華)「喜楽」があります。地元密着、普段の夜は地元客で閉店間際まで大いに賑わっていたお店です。
レトロでごちゃっとしていて、建物そのものが一種のおつまみになっています。無造作に置かれた野菜のダンボールなどもご愛嬌。
昭和の中華ながら、店内は赤くありません。これはちょっとした違和感。むしろ、洋食系大衆食堂のような雰囲気です。
4名テーブルが並び、だいたい20名程度が定員です。一人飲みだとカウンターがないので4名テーブルを占拠してしまうことに申し訳ない気持ちを感じつつ、でも、やはり大森で2軒め、3軒めにここは外せません。
まずはビールでしよう。
銘柄は指定なければサッポロ生ビール黒ラベル。大森でサッポロは少数派。瓶だけでなく樽生もあります。おしんこの小皿と一緒にやってきます。それでは乾杯。
お酒は壁のポスターも要チェック
短冊をみるとお酒はビール、日本酒(菊正宗)しかないように見えますが、壁にいろいろ貼られているので実は豊富。
おつまみは、名物の腸詰(500円)、常連さんは「とり」と略して呼ぶとり肉の醤油煮(350円)が人気。最近メディアで豚肉玉葱の唐辛子炒めが紹介されたため、これを頼む人が増えたとお店のお姉さん。
ポスターがいろいろ貼っているので、ビール・日本酒以外で酔いを進めたい人は壁を要チェック。紹興酒もあり、宝酒造の塔牌花彫(600円)です。
腸詰とチャーハンに中瓶×2
台湾出身で戦後日本で店を開いたという歴史、それを料理で語りかけてくる腸詰(500円)は、変わらぬ店の味です。甘く独特の香辛料がビールを誘います。
料理の種類は品書きの写真の通り、中華店としてはかなり絞られています。だからどれも主役級。チャーハン(700円)はちょっぴり濃い味で、2本目の中瓶をあわせるのに最適。
この通りラードでしっとりつつもパラパラ。米粒大に均等に細かくされたチャーシューと焦がし醤油が味の決め手でしょう。
具材、盛り付け、色合い、すべてにおいてなんの変哲もない王道チャーハンなのですが、これがビールと合うのだから大変。今夜もカロリーオーバー。
ごちそうさま。
(取材・文・撮影/塩見 なゆ)
店名 | 中華料理 喜楽 |
住所 | 東京都大田区大森北1-7-4 |
営業時間 | 営業時間 [月~金] 11:45~14:00 17:00~22:30(L.O) [土・祝] 11:45~14:00 17:00~22:00 定休日 日曜日 |
開業年 | 1952年頃 |