五反田のソウルフードといえば『梅林』のソース焼きそば。一日100食も出るという名物です。1968年の創業以来、この地で世界のソニーが躍進した時代から、ビジネスパーソンたちの胃袋を支え続けてきました。今回は、お昼から飲める五反田の老舗町中華をご紹介します。
五反田の歴史を見守る、御殿山の麓の町中華

JR五反田駅から桜田通りを品川方面へ。かつてソニーの本社があったことから「ソニー通り」とも呼ばれた道を折れ、御殿山へ向かう坂の途中に、半世紀以上も変わらぬ姿で佇む『中国料理 梅林』があります。
1968年(昭和43年)創業。初代の方は、銀座にある高級中国料理の名門『維新號』で腕を磨いた経歴の持ち主とのこと。現在は二代目が厨房に立ち、変わらぬ美味しさを守り続けています

店内は1階にテーブル席、2階には宴会も可能な畳敷きの座敷が広がり、平日は界隈のビジネスパーソンで賑わい、週末は家族連れが食卓を囲む、五反田の日常に溶け込んだ一軒です。その人気はJR東日本のウェブサイトでも「駅長の太鼓判」として紹介されるほど。電車に乗ってでも食べに行きたい名店です。
名物のソース焼きそば、美味しさの理由はせいろ蒸し
キリン一番搾り 中瓶

まずは瓶ビールをお願いしましょう。銘柄はキリン一番搾り。よく冷えたグラスに注いで、それでは乾杯!
品書きに目をやると、焼きそばだけで15種類もあって驚かされます。看板は「肉ソース焼きそば」ですが、あんかけの「肉焼きそば」や、常連客の一言から生まれたという「青菜からし焼きそば」など、実に多彩。その日の気分で選べるのも長年通うファンが多い理由だと思います。
肉ソース焼きそば

注文してしばらくすると、巨大な白い丸皿に山と盛られた焼きそばが運ばれてきました。このボリューム感も『梅林』の魅力です。具材はたっぷりの豚肉に、キャベツ、玉ねぎ、ピーマン、人参という王道の組み合わせ。

一口すすると、麺の食感に驚かされます。もっちりとしていながら、ところどころに香ばしい焼き目がついていて歯ごたえが楽しい。

それもそのはず、この店では生の麺を仕入れ、セイロで15分かけてじっくり蒸し上げてから、中華鍋で焼き上げるという大変な手間をかけているそうです。この「蒸してから焼く」製法こそが、唯一無二の食感に仕上げています。

味付けは、酸味と甘味のバランスが絶妙なマイルドなソース。麺の風味の香ばしさを引き立てるように計算され他味付けです。食べきれるか心配になるほどの量ですが、この美味しさには箸が止まらず、ビールをおかわりしながら、あっという間に完食してしまいました。ちなみに大盛りは漫画のような山盛りででてきますのでご注意を。
遠方から訪ねたい焼きそばの聖地のひとつ

メディアで紹介される「肉ソース焼きそば」のインパクトは絶大ですが、昔は『維新號』の系譜を感じる「あんかけ焼きそば」が人気だったように覚えています。本格的な料理が豊富で、電機メーカーをはじめ多くの近隣企業の人が二階で宴会をしていました。
15年前から時々訪ねている、好きなお店の一つ。五反田を訪れたなら、ぜひ立ち寄ってみてください。ランチはもちろん、15時まで営業していますから、少し遅めの昼食や昼飲みにも応えてくれる、頼れる一軒です。
店舗詳細
品書き
- アサヒ生ビール 560円
- アサヒスーパードライ・キリン一番搾り中瓶 600円
- 中国酒 600円~
- 焼き餃子 800円
- 焼売 850円
- ちゃーしゅーわんたん 1,200円
- 皮付き豚肉煮込み 1,250円
- 海老のチリソース 1,200円
店名 | 梅林(メイリン) |
住所 | 東京都品川区東五反田1丁目24−1 |
営業時間 | 11時00分~15時00分 17時00分~22時00分 土曜日は昼営業のみ・日祝定休 |
創業 | 1968年 |