五反田『グリルエフ』創業70年、ハヤシライスが人気の飲める洋食店

五反田『グリルエフ』創業70年、ハヤシライスが人気の飲める洋食店

2021年7月10日

昭和25年創業、創業以来70年以上継ぎ足し続けてきたデミグラスソースを使用した日本洋食の店『グリルエフ』。現在は2代目が創業時からのレンガ造りの店を守ります。名物はハヤシライス。もちろんSyupoでご紹介するのですから、お酒好きの方も楽しめるお店です。

JR山手線と東急池上線、地下鉄浅草線が集まる五反田駅。オフィス街のイメージがありますが、昔から歓楽街があり、駅周辺には老舗の飲食店も多いです。この街で洋食でワインを楽しむならば、「グリルエフ」で間違いありません。駅ロータリーに面した細い路地裏の先にあり、知らないとまず見つけられないようなレストランです。

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年輪も店の魅力

「こんなお店が今も残っていたのか」と、歴史あるお店を見つけて感動することがあります。ここが浅草や銀座ではなくここは五反田というのも、驚きを増します。

カウンター7席と4人掛のテーブル席が3つ。終戦から5年、まだ復興の最中に本格的なフランス料理店として開業しています。その当時としては、かなり手が込んだ内装になっています。

1階は洋食店らしい佇まいながら、二階は床の間がある典型的な日本建築です。時代を感じさせる和洋折衷が興味深い。床の間には生花とワインが飾られています。

そんな畳敷きの二階座敷は、主に予約客向けに使われています。白くぱりっとしたテーブルクロスがちゃぶ台のような脚のテーブルに敷かれています。

それでは、まずは瓶ビールで乾杯。二本目は白ワイン(フランスのアルデッシュ・シャルドネ)をお願いしました。ソムリエの資格を持つ方が対応する本格的なスタイルです。

品書き

ビールはサッポロラガー(550円)のほか、珍しいアサヒのプレミアム熟撰(600円)も用意があります。本格的な洋食店としては、グラスワインが500円なの手頃に感じられます。日本酒が菊正宗というのも店の雰囲気にマッチしています。

ワインのメニューがこちら。

カニコロッケ(1,500円)にビーフシチュー(2,200円)、典型的な昭和の洋食店的なメニューがみていて楽しいです。そうかと思えば、ヒラメのムニエル(2,600円)などもあり、ちょっとした記念日の贅沢にも利用できる内容です。

マカロニグラタンスパゲッティサンドイッチなどの食事も多く、ディナータイムでもコースではなく、日常的な夕食を食べに来る会社員の姿もみられます。

デミグラスソースだけじゃない、特製タルタルソースも絶品

エビフライ(1,800円)

均一な衣がきれいに包む、正統派のエビフライ。自家製のタルタルソースは具が多く濃厚な味わいです。

最近はこういうレトロな洋食店は東京でもだいぶ減ってしまいました。今風のお店ももちろん好きなのですが、洋食店のヒラメムニエルなどごく一般的かつ少々高級な料理が食べたくなったときの選択肢は、グリルエフのようなお店で食べたいものです。

1階で夕食がてらの1杯も

1階のカウンター席は一人飲みにもぴったり。会社帰りに飲みに来る一人客の姿もあります。

食事を兼ねたお酒ならば、ここは名物のハヤシライス(1,400円)を注文されることをおすすめします。ちなみに、品書きにハヤシライスの記載はなく、名物なのに裏メニューという不思議な位置づけです。

ご覧の通り、一般的なイメージのハヤシライスとは異なります。たっぷり使った牛肉と玉ねぎをソテーし、そこに伝統のデミグラスソースをあわせたもの。これだけ具材が多いので、いわゆる”アタマ”的にビールのおつまみとしてもハヤシライスは優秀です。

驚くほど深いコクと濃厚な旨味。わずかな苦味もある大人な味わい。具材を肴にお酒が進むハヤシライスです。

以前はお客さんの年齢層が高めでしたが、近年はハヤシライスが有名になり若いお客さんが増えました。

ごちそうさま。

(取材・文・撮影/塩見 なゆ)

店名グリルエフ
住所東京都品川区東五反田1-13-9
営業時間営業時間
[月~土]
11:00~14:00
17:00~20:00
定休日
日曜日、祝日
開業年1950年
公式サイトInstagram