興津『桐林もつ焼』モツマニアなら一度は行きたい宿場町の人気店!大将のワザを味わう

興津『桐林もつ焼』モツマニアなら一度は行きたい宿場町の人気店!大将のワザを味わう

2023年9月15日

静岡市の興津には、もつ焼きファンなら一度は訪ねたい大人気のもつ焼き酒場があります。周囲に居酒屋のない閑静な旧街道沿いにポツンと灯る赤ちょうちん、『桐林もつ焼』です。休日ともなれば静岡市内だけでなく、東京や名古屋からもファンが訪れ、満員になるほど賑わいます。

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酒場好き・もつ好きならば、途中下車してでも行きたい

東海道五十三次、17番目の宿場町・興津。

由比を出発した旅人は、断崖絶壁の難所「薩埵峠(さったとうげ)」を越え、さらに興津川を渡った先にある興津宿についたとき、さぞかしホッとしたことでしょう。興津宿は最盛期38軒ほどの旅籠があったとされており、海、山、川に囲まれた狭い平地にいまも歴史を感じる町並みが広がっています。

さて、この街の「食」といえば、徳川家康が好んで食べたという一夜干しにした甘鯛「興津鯛」が名物ですが、酒場好きの間では、もっぱら、もつ焼きの名店があるということで有名です。

外観

遠方からもファンがやってくる『桐林もつ焼』。身延道に面した酒場で、周囲に他の飲食店は数えるほどしかありません。

最寄り駅はJR東海道本線の興津駅で、駅から10分ほど歩いた先にあります。「わざわざ、電車を乗り継いででも食べに行きたい」と酒場好きに言わせる店で、あえて『桐林もつ焼』で飲むために、新幹線ではなく在来線で東海道を往来する人もいるくらいです。

昭和で時間が止まったような店構え。それでいて、しっかり清潔感もあります。創業から半世紀。家族で代々切り盛りしてきたあったかい接客のお店です。

内観

大将を司令塔に皆さんテキパキと調理をされている厨房。その様子を眺めて飲めるカウンターが特等席でしょう。対面は小上がりです。

広すぎず、狭すぎず、どの席からも店内を見渡せるちょうどいい大きさです。

お客さんはふらりと飲みに来る地元客が多く、のんびりとした雰囲気。ただし、土日になると旅行者が増えて、開店後すぐに満席になります。

品書き

お酒

  • 樽生ビール サッポロ静岡麦酒(静岡限定)
  • 瓶ビール アサヒスーパードライ・キリンラガー・サッポロ黒ラベル
  • 日本酒 明けごころ
  • サッポロ バリキング
  • バイスサワー
  • ホッピー
  • 電気ブラン

料理

  • 生もの 牛はつ・牛せんまい・フワの刺身・こぶくろ生・馬刺し・馬肉のユッケ・タンの燻製・豚足・ミノの中華和え・スジの中華和え
  • 焼き物 肉串焼き・もつ串焼き・レバ串焼き・はつ串焼き・ソフト軟骨串焼き・牛串焼き・豚肉のロール焼き・豚さがり・頭漬け・タン焼き・軟骨焼き・牛もつホルモン焼き・タンのシュウマイ・肉巻き餃子・牛ゲタ・肉焼き(ステーキ)
  • 煮物 もつの煮込み・モノの煮込み・バラ軟骨の煮込み・キリガシの煮込み・牛スジの煮込み・カレーもつ・煮豚カレー・豚肉の角煮・テールスープ
  • 揚げ物 変わり餃子・レバの唐揚げ

※品書きに値段はありません。注文の仕方次第ですが、だいたい3,500円程度で楽しめます。

インパクト大!濃いめのもつ料理に大満足

静岡麦酒

まずはやっぱりビールからでしょう。樽生の銘柄は、静岡県焼津市で製造されている県内限定発売のサッポロ静岡麦酒(しずおかばくしゅ)。ドーンと昔サイズの寸胴中ジョッキででてくるのが嬉しいです。

それでは、乾杯

串焼きいろいろ

「桐林が人気の理由」というのが、一番気になることだと思います。その答えは、他のもつ焼き店では食べられないような、オリジナリティある超濃厚なもつ料理にあります。

ひとつひとつの串は、それぞれ一手間も二手間もかけていることが、食べた瞬間わかります。軟骨つくねは、なんこつ周辺の脂も含んでいるようでコリコリなのに、トロッとしています。

味付けはすべておまかせにするのが安心。単純にタレや塩というだけでなく、部位ごとに薬味をつけたり、特性の辛タレをつかったりと、大将のこだわりがつぎつぎ飛び出してきます。

串は1本単位で注文できますが、そもそも一般的なやきとりより1.5~2倍ほどあり、どれも満足感たっぷり。

串ものだけではありません。肉系の煮込み料理は10品近くありますし、炒め物の大皿料理もバリエーション豊か。串をメインでいくか、大皿料理を食べ進めるか、最初に決めておいたほうが良さそう。あれもこれもと食べたくなります。

こちらは、肋骨周辺のなんこつをトロトロになるまで煮込んでから、あらためて串焼きしたもの。他では食べられない調理方法や味付けばかりで、それが非常に楽しいです。

明けごころ

濃厚なもつ料理には、ビールもよいですが、情緒感ある素朴な日本酒もあわせたくなります。こちらの定番酒は、とてもめずらしい「金上 明ごころ」。京都・伏見の酒蔵・山本本家がつくる普通酒です。

控えめの甘さと軽い苦味。余韻すっきりで、もつ焼きによく合うお酒です。

もつの煮込み

大将がその都度、鍋で温めつつ味を整えて提供してくれるもつ煮込み。シロとガツをたっぷりつかったガツンとくるパワー系の煮込み。空腹でもりもりと食べたい!すりおろしたに大蒜をいれると味変になるよ、と大将。清水名物のカレーもつなども人気です。

ごちそうさま

大将がときどき声をかけてくれては、小鉢などのサービスをだしてくれるのも嬉しいです。

それにしても、ボリュームがあってどれも濃厚。そのロケーションも含めてインパクト大!東海道本線の普通列車を乗り継いできた甲斐がありました。

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(取材・文・撮影/塩見 なゆ)

店名桐林もつ焼
住所静岡県静岡市清水区興津中町524-13
営業時間営業時間
17:00~22:00
定休日
日曜日
予算3,000円