三島「酔ごころ」 ふらっと一人で楽しむ、小路の小箱の魅力。

三島「酔ごころ」 ふらっと一人で楽しむ、小路の小箱の魅力。

三島市一番町。ここはJR東海道線の三島駅と国指定名勝・楽寿園に挟まれた繁華街です。かつての三島宿周辺の本町、三嶋大社の門前・大社町と一体化した巨大な飲み屋街が広がっています。

東京から新幹線でおよそ50分、日帰りで飲み歩きに行ける地方都市はしご酒。昭和風情を残す町並みは、地方都市の飲み屋街の侘び寂び、そして郷土の味に人のぬくもりのような魅力で満ちています。

 

老舗のお店が数多ありますが、今回お邪魔するお店は、一番町の「酔ごころ」。静岡おでんを食べさせてくれる老舗の酒場です。

 

小路と横丁の角に構える小箱のお店で、カウンター5席、1卓テーブルがあるだけのこじんまりとしたお店です。現在カウンターにたつご主人は2代目。飲食一筋という方ではなく、ご主人の経歴から現在の店舗を次ぐまでの話はおもしろいです。内容はぜひご本人から。お話上手な方なので、ひとり酒でも楽しく過ごさせてくれます。

 

先代から受け継がれた濃厚なおでん。静岡のおでんといえば、やっぱりこの色ですね。

 

ビールはずっとキリンだそう。樽生ラガー(580円)はお店の雰囲気とぴったりです。では乾杯!

お酒は、天狗舞などの地酒(700円)、レモンサワー(樽詰めキリンレモンサワー450円)、バイスサワー(500円)、三ヶ日みかんサワー(500円)、焼酎(500円)など。お通しはたくわん。

 

おでんはざっくり千円(7点盛り)などでお願いすると取り分けてくれる他、「やっぱり静岡だから黒はんぺんを」なんていうオーダーも可能です。人気の牛すじから染み出した旨味や脂がほどよく染み込んだきつね色に誘われます。

 

しみしみの大根や厚揚げ、玉子でビールや酎ハイが進みます。

 

青のりと魚粉がいい味効かせています。黒はんぺんのほのかな苦味とコクが食欲を誘い、たとえ2軒目だとしても案外ぺろりと食べられてしまいます。

 

〆のおにぎりも人気メニュー。カウンターに並んでいるとつい一個食べたくなっちゃいます。

飲み屋街から駅に向かう道すがらの一軒なので、23時の閉店ギリギリまでお客さんは絶えません。さくっと飲んで、ご主人の笑顔に見送られ帰宅する、そんな打ち解けた雰囲気が素敵。横丁飲みがお好きな方にぴったりです。

ごちそうさま。

 

(取材・文・撮影/塩見 なゆ)

 

静岡おでん 酔ごころ (よいごころ)
055-975-3655
静岡県三島市一番町13-34
17:00~23:00(日祝定休)
予算1,600円