静岡『鹿島屋』昭和3年創業の名酒場。地魚を楽しむカウンターが最高

静岡『鹿島屋』昭和3年創業の名酒場。地魚を楽しむカウンターが最高

2014年4月28日
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静岡に出張。
さぁ、あなたは何を食べますか?

なにかと美味しいもので話題性が多い静岡ですが、やはり駿河湾の海の幸は基本中の基本。
旬の魚に地酒をあわせれば、その日は満足すること間違いなし。

美味しい魚を食べさせてくれる酒場は駅の北側に多くありますが、市内のお店を紹介する第一弾としては、やはりここからいかなくてはならないと思います。

「鹿島屋」は駅から徒歩10分弱。酒場街を抜けきった先にある繁華街とは言えない場所にあります。
120席はあるという大きなお店ですが、18時ごろには満席になることが多い。

お客さんは観光客の姿はほとんどなく、多くは地元の食通です。

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カウンターは数席しかありませんが、一人ならば予約なしでここに座れそう。

ビールは静岡の焼津で生産しているサッポロ黒ラベル。ご当地ビールはこの黒ラベル。
穏やかな環境できっちりと冷やされた瓶ビールの美味しさは格別です。

乾杯。

先付は季節を反映したものが日替わりに。このときはホタルイカと若筍の煮浸し。
味はおとなしめですが、ホタルイカの旨味とのバランスが絶妙。

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そして、ここにきたら食べなくてはなりません。
お昼に採れた生しらすは、4時間後のいま、こうしてテーブルに出てきます。

地元の人はやはり生しらすにはこだわりが強いようで、隣にいた身なりの良い紳士は「ここのしらすは、静岡のどこよりも美味しいね。ほかの魚はお金を出せば築地のほうが美味しいけれど」(笑)と教えてくれます。

たしかに、これは美味しい。ひとつひとつにしっかりとした触感があり、海の塩分が程よく残ったままの味は醤油などなく、そのままが美味。このボリュームで480円とは、静岡まで来たかいがあるというもの。

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國香という銘柄をご存知でしようか。袋井の地酒で、東京では見かける機会がほとんどありませんが、地元の飲兵衛にはとても愛されている銘柄です。
吟醸酒を花冷え程度に冷やし、これにまずは地ダコ揚げをあわせましょう。

もっちりとして噛むほどに膨らむ味わい、その余韻にまるくてバランスの良いの國香をきゅっと。

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焼津はマグロの水揚げ漁港としても有名ですが、やはりその恩恵は静岡にあり。

「形の揃ったものは東京に出てしまうけれど、静岡の人たちは本当に美味しい場所や食べ方を知っているからうちのが美味しいのさ」(奥の70代の常連さん談)

このお店は、お客さんの魚に対する考え方がとてもしっかりしています。そんな人達が駅周辺の飲み屋街ではなくこういう場所で摘んでいるのですから、いいじゃないですか。

番頭さんも、「魚好きのお客さんが多いからうちも本気でいいもの揃えています。」と。

鹿島屋豆腐という名の、マグロの隙身載せ冷奴は常連さんたち御用達の逸品。

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そして、おまちどうさま、名物のかつを刺しです。
今日のは特別いいものだけれど、いつも最高だよと、周囲が口々に教えてくれます。

見てください、このきれいな桜色。サシの入り方も完璧でしょう。ねっとりとした旨味、鰹独特の甘味が日常口にする物の倍以上あるように感じます。
分厚くきられていて、口いっぱいに鰹の美味しさが広がります。余韻を感じながら嬉しくて笑ってしまうほど。

そして、そこに國香をすーっと。
はぁー、静岡に来たら、やはりここは外せませんね。

桜えびのかき揚げや、鰹の煮付けなど、その後もいろいろ食べて大満足。

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気づいたら、カウンターの常連さんたちともすっかり意気投合。
これから数軒飲みまわりたいのですが、楽しくて長居してしまいました(笑)

こういう酒場で地元の人との交流は旅の醍醐味ですね!

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美味しいビール、ご当地のお酒、そして駿河湾の幸。これを楽しむためだけでも、東京からでも一度は飲みに行って欲しいお店です。

3,000円程度の飲み代で、静岡の魚のいいところを食べられる、なんて素敵な酒場なのでしょう。
ごちそうさま。

(取材・文・撮影/塩見なゆ)

鹿島屋
054-252-3989
静岡県静岡市葵区上石町7-15
17:00~23:00(日定休)

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