三浦半島の久里浜港と内房の金谷港を結ぶ東京湾フェリーは、夏季限定でビール飲み放題企画「サンセットクルーズ 船上ビアガーデン」を開催しています。今年は9月3日まで。久里浜発(金谷発も可)の往復乗船代金とビール他飲み放題がついて3,300円。料理は持ち込み自由!都心のビアガーデンにはない、のんびりした時間が楽しめます!その魅力をご紹介します。
目次
竹芝発の納涼船と、東京湾フェリー納涼船の違いは?
夏の訪れとともに、東京湾ではビール好きにとって楽しいイベントが開催されます。竹芝桟橋を出港し、羽田沖を舞台にする東海汽船の「東京湾納涼船」と、東京湾の入り口である浦賀水道を航行する定期航路「東京湾フェリー」のサンセットクルーズ船上ビアガーデンです。それぞれの特徴や料金を比較してみましょう。
竹芝発 東京湾納涼船(東海汽船)
竹芝発の「東京湾納涼船」は、東京都港区の浜松町駅が最寄り駅で便利な立地が魅力です。しかし、その人気から大変混雑することも。料金は乗船料1,500円で、ビールは1杯約330円と手頃な価格ですが、飲み放題はありません(コース利用を除く)。ビールの銘柄は、千葉県船橋の東京湾岸で製造されるサッポロ生ビール黒ラベルです。
景色は、お台場や品川の夜景、レインボーブリッジ、東京港の工場夜景、羽田空港の夜景と離発着など。
久里浜発 東京湾フェリー
久里浜発の「東京湾フェリー」は、品川から電車で約60分程度かかりますが、地元客が中心というのどかな雰囲気が魅力です。料金は3,300円で、対岸の港と往復で約1時間50分の船旅を楽しめ、ビール類が飲み放題になります。こちらの船では横浜でつくられたキリン一番搾りが提供されます。
小さな日帰り旅行で非日常を楽しむ、乗船リポート
出発は久里浜港
東京の品川駅から、京急電鉄やJR横須賀線を利用し1時間ほどで久里浜に着きます。サンセットクルーズ船上ビアガーデンのためだけに来るには遠く感じますが、沿線にある横須賀で下車してカレーや昼飲みを楽しんだり、三崎口まで行ってマグロ丼を食べたりと、楽しみ方はいろいろ。三浦半島は東京から気軽に行ける観光地です。
夕暮れが近づいてきたら、乗り遅れないように久里浜港へ向かいます。
久里浜港は、京急久里浜駅・JR久里浜駅から路線バス(京急バス)で10分ほど。改札口真正面から乗車すれば、フェリーターミナルのエントランス真正面で降ろしてくれますので、旅程にバスが挟まっていてもストレスはありません。帰りも船の時間に合わせてバスが迎えに来ます。
船上ビアガーデン目的のお客さんが多いようで、浴衣姿の人やサンダル姿の人が目立ちます。
船上ビアガーデンのチケットは券売機では購入できませんので、窓口で購入を。
それでは、チケットをもって、いざ乗船!
竹芝発の船と違い、通常のフェリーですのでドライバーさんや対岸へ用事がある一般利用者の方も乗り込みます。なんだか、浮かれていてすみません。
速歩で船内へ。といっても、休日でも満席になることはないようです。※取材日は7月30日(日)
ビアガーデンが楽しめるデッキ・船室をご紹介
こちらは、通常の船室です。広々としたボックス席で、主に一般の方が利用されています。船上ビアガーデン利用者も座れます。通常の片道乗船運賃は大人900円です。
こちらがビアガーデンのメイン会場、後方デッキです。都心の詰め込まれるビアガーデンをご存じの方なら、このゆとりある配置は夢のように思えませんか。
テーブル、椅子は固定。自由席で場所取りは先着順ですが、そんなに慌てなくてもスペースに余裕は十分あります。
こちらは客室の二階にある甲板スペース。景色を眺めるのには最高の場所ですが、航行速度が意外と早く、風が非常に強いです。最初はここでビールを飲んでいましたが、風がつよくてビールの泡が”波の花”のように飛んでしまいました。
選べるアルコール飲料、ソフトドリンク
メイン会場の後方デッキに、ドリンク提供コーナーがあります。それほど混んでいませんので、ビールをもらうために行列が伸びる、ということもほとんどありません。この快適さは本当に嬉しい!
飲み放題のラインナップ
- 樽生ビール キリン一番搾り
- 酎ハイ(レモンサワー・グレープフルーツサワー・カルピスサワーなど)
- ウイスキー ホワイトホース
- 日本酒
- 赤・白ワイン
- キリンハードシードル
- ホッピーセット
- スミノフ
- ソフトドリンク
レモンサワーとグレープフルーツサワーは、レモン果汁など柑橘系が得意なポッカサッポロです。
飲み放題利用者でなくても、酒類やソフトドリンクの単品注文は可能です。通常の乗船券は往復割引で1,600円。ビール単品は600円ですから、ビールを3杯以上飲むならばサンセットクルーズ・船上ビアガーデン飲み放題を利用したほうがオトクです。
18時15分、いよいよ出港!
横須賀火力発電所を右に見つつ、船は久里浜港を離岸。片道40分のダイヤで東の千葉県富津市の金谷港を目指します。
ビールは出発を待たずに提供してくれます。離岸の様子をビール片手に眺めるのは楽しい!
西日に照らされた久里浜の街が離れていきます。ピルスナー越しにみる夕日はエモーショナルですね!
めちゃくちゃ暑い一日でしたが、その分だけ、この一杯が美味しくなるように思えます。
都度新たしいコップにしっかり丁寧な泡つけで注いでくれるビール。よく冷えていて状態がいいのは、当たり前ですが嬉しいポイントです。
ウオッカベースのスミノフアイスもありますが、ボトルは危険なのでコップで提供されます。
こちらは、ポッカサッポロのパンチレモンサワー。ビール以外もいろいろあるので、飲み飽きずに1時間50分の乗船時間を楽しく過ごせます。
船内売店でおつまみを
船内売店では、つくね串などの惣菜やスナック菓子などを販売しており、これがおつまみです。本格的な料理が食べたい場合は、持ち込みが自由なのでお弁当、おつまみを忘れずに持参しましょう。
千葉県側では下船せずに戻るだけですが、それでも感じる旅情
久しぶりの船旅です。といっても、久里浜港に戻るだけなのですが、この眺めをみているだけで小旅行に出掛けた気分になります。
城ヶ島、箱根山越しに富士山もばっちり眺めることができます。夕日に染まる富士山を眺めて、ビールをもう一杯!※お酒は適量で
まもなく金谷港です。右手には鋸山がみえてきました。
金谷港に着くと一般乗船客と積載されていた自動車や降りていきます。お客さんや積載車両の入れ替えが行われている間も、私たちサンセットクルーズ船上ビアガーデン利用者は気にせずお代わりが可能。なにも知らずに乗ってきた人はびっくりするかも?
停泊中、皆さん富士山側の甲板にでてかもめと湘南の夜景、幻想的な富士をシャッターに収めていました。ほろ酔いでの撮影は手ブレが心配。
19時20分、金谷発の最終便でもあるこの船は定刻に出港。一瞬紫色に染まった景色も、いまは暗くなる静かに一方。夜の海は怖いので、船内で杯を重ねましょうか。
ごちそうさま。
若い世代が中心の竹芝発の東京湾納涼船に比べ、こちらは昔からのビアガーデン愛好家や家族連れがメインで、のんびり黄昏時の納涼ビールを楽しんでいる様子でした。のどかな雰囲気の中、のんびりとビールを楽しみたい方におすすめです。
久里浜港着は20時となっています。帰りは久里浜駅前の老舗酒場でゆっくりと寛ぐのも良いでしょう。お帰りの際は寝過ごしには十分ご注意を。
記事中で紹介した竹芝発の東京湾納涼船
久里浜港到着後、二軒目で行くならば
(取材・文・撮影/塩見 なゆ SPECIAL THANKS/酒場部のみなさん)
サービス名 | 東京湾フェリー サンセットクルーズ 船上ビアガーデン |
住所 | 神奈川県横須賀市久里浜 8-17-20 久里浜港発 金谷往復 |
開催期間 | 2023年9月3日まで、毎日 |
時間・航路 | <時 間> 久里浜港18:15便 / 金谷港17:20便 (定期航路で1往復・約1時間50分のクルーズです) |
料金 | 大 人 ¥3,300 |