川崎・大島『酒道場陣屋大島本店』食肉卸直営、串1本90円の老舗焼鳥居酒屋

食肉卸直営の串焼き店『陣屋』は、川崎ではおなじみの存在。京急川崎駅に近い仲見世店のほかに、川崎市大島にも店があり、こちらが本店という扱い。大箱でレトロな身構え、「酒道場」の文字に誘われて飲んできました。

酒道場へ、いざ！

川崎市大島は住宅街の中にあるちょっとした繁華街。鉄道空白地帯で最寄りのJR南武支線小田栄駅までは1kmほど離れています。そのため公共交通は路線バス頼み。バス停を囲むように飲食店が立ち並ぶ場所というのは、首都圏でも珍しいのではないでしょうか。

その中でも新川通り沿い構える『酒道場陣屋』は有名店です。創業から半世紀以上になる店で、赤ちょうちんを灯す老舗らしい堂々とした店構えは、居酒屋好きの方なら思わず吸い込まれるはず。なにより「酒道場」というのがイイ！

暖簾をくぐると、そこは外観から想像する以上に広い空間が広がっていました。丸太を組み合わせたテーブルや椅子、暖色系の照明に照らされた店内は、清潔感もあります。

近隣の工場で働く会社員の皆さんや、家族連れ、一人飲みの若い人など、客層はさまざま。広い空間を老若男女が思い思いに過ごす、酒場っていいなと思える雰囲気です。

この雰囲気なら、まずはビールでしょう。樽生ビールは川崎のお隣、鶴見区生麦にあるキリンビール横浜工場でつくられた一番搾りです。さぁ、乾杯！

昨今の原料費高騰で大衆居酒屋でも、焼鳥1本150～200円が当たり前になりつつありますが、ここはいまでも1本90円。

フレッシュでジューシー、タンはやっぱり塩ですね！練り辛子を気持ち多めにつけて頬張れば、一番搾りがぐんと進みます。

カシラ、レバーはタレで。継ぎ足してきたコクのあるタレも楽しみませんと。

ここのタレは比較的辛めで、これが日本酒とも相性ぴったり。大徳利をもらって、ちびりちびりと。夕暮れの川崎臨海エリアの住宅街。のんびりとした時間が流れています。

スタミナ大腸という豚の腸を大蒜で炒めたものが名物ですが、私はチキンカツもオススメしたい！

鶏のモモ肉を叩いて広げたカツで、ハーフでもこのボリューム！揚げ具合がよく、衣はザクザク、肉はしっとり。

近隣には角打ちが数軒ありますし、再開発が進む浜川崎駅前からも徒歩圏。近隣散策の帰りは、食肉卸し直営ならではのリーズナブルな串焼きをつまみにビールはいかがでしょう！

（取材・文・撮影／塩見なゆ）