大船『活魚料理かんのん』全焼から力強く復活!地魚が絶品の名店。1960年創業

大船『活魚料理かんのん』全焼から力強く復活!地魚が絶品の名店。1960年創業

1960年(昭和35年)創業、地域住民に長年愛されてきた大船駅東口すぐの活魚料理店『かんのん(観音食堂)』。2022年にもらい火によって全焼してしまいましたが、2023年5月末、新築で復活。ますますパワーアップした、新『かんのん』の魅力をご紹介します。

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地域住民に親しまれてきた鮮魚料理店

旧店舗:昭和から使い続けてきた建物でした

魚介類を食べに三崎や鎌倉、湘南・江の島へ行くという人は多いと思います。しかし、近年はインバウンドで賑わっており、どの店も軒並み行列しているのが現状です。そんなときには、穴場である大船はいかがでしょうか。

大船は東海道線と横須賀線の分岐点であり、鉄道の開通以来、交通の要衝として栄えてきました。1969年には松竹大船撮影所が完成。松竹の黄金時代を支えた映画の街になります。2000年に閉鎖されるまで、数多くの映画人が大船の食文化を盛り上げてきました。

さらに、三菱電機や国鉄・JRの巨大な事業所があることから、大船駅前には立ち飲み、食堂、町中華から歴史ある居酒屋、オシャレなレストランまで、幅広いジャンルの飲食店が密集しています。

今回ご紹介す活魚料理『かんのん(観音食堂)』は、そうした大船の飲食店街を代表する一軒です。

1960年に鮮魚店「魚廣」として創業し、翌年から店の隣に「観音食堂」を開き、鮮魚店直営の食堂として評判になりました。

中休みなくお昼から通しで営業していることもあってか、明るい時間から刺身をつまみに一杯楽しむ常連さんたちが非常に多かったのが印象に残っています。平日から宴会が入っていることも多々。

漁港の食堂と同等かそれ以上の新鮮な魚料理をいただけることで、私もよく通っていました。

そんな「観音食堂」が2022年1月24日、隣接する菓子店の火災により全焼してしまいました。常連客からは観音食堂が閉店してしまうのではないかという心配の声が上がる中、建て替えによる再開という朗報が舞い込み、皆さんオープンを楽しみにされていました。

2023年5月末、同じ場所で再オープン。店の雰囲気大きく変わり変わりましたが、紫色の「かんのん」の暖簾は昔のままです。

アルミ戸の簡素な入口ではありますが、併設していた鮮魚店も再開しています。

千葉の岩牡蠣、三陸のホヤ、地ハマグリ、干物などが並んでいます。

天井が高く明るい店内。新築なので当たり前ですが、厨房もピカピカです。旧店舗時代同様、入って右側には小上がりも完備。令和に建てられた戸建ての飲食店で小上がりをつくるのは珍しいです。

左側はずらりとテーブル席。平日の昼間から飲み会、宴会の予約が入っているようです。お客さんは昔と変わらず、黒帯の呑兵衛さんや常連さんが中心。個人店ということもあり、ホッとする雰囲気に包まれています。

メニュー

お酒

  • サッポロ生ビール黒ラベル:350円~
  • サッポロラガービール大瓶:800円
  • ヱビスビール大瓶:850円
  • アサヒスーパードライ・キリンラガー大瓶:各800円
  • 上撰菊正宗:480円
  • 黒松剣菱:750円
  • 高清水 純米:980円
  • 天狗舞 純米:980円

日替わりメニュー

刺身

  • あじ:1,200円
  • こち:1,250円
  • まぐろ赤身:1,200円
  • まぐろ中トロ:1,500円
  • いか:1,250円
  • 平目:1,500円
  • 地ダコ:950円
  • 初カツオ:1,200円
  • さより:1,200円
  • カレイ:1,550円
  • シメサバ:850円
  • こはだ酢:850円
  • 生しらす:650円

本日の煮魚

  • めばる:1,700円・2,000円
  • きんき:3,800円
  • きんめ:1,650円

焼き物・揚げ物

  • あじ:1,250円
  • カンパチカマ焼:1,000円
  • 地はまぐり:1,100円
  • あなご天:1,200円
  • めごち天:1,200円

定番メニュー

おつまみ・刺身・サラダ
揚げ物・焼き魚・煮魚・酢の物
定食・天丼・しらす丼・生うに丼・うなぎ
麺類・おにぎり・お茶漬け

魚介類、どれを食べてもハズレなし

サッポロラガービール:800円

時刻は午後2時。定食利用のお客さんから飲み客に入れ替わる頃、私もはじめました。まずはビールから。今回は、長年サッポロを扱ってきた店ということもあり、伝統のサッポロラガービールをチョイス。

それでは乾杯!

生しらす:650円

相模湾の幸、生しらすは初夏が旬。鮮度抜群、ピチピチです。

あじ刺身:1,200円

刺身は定番の鯵をお願いしました。どうですか、このハリツヤ。クサミは皆無、ぷりっぷりで、脂がのっているので旨味もしっかり。もうたまりません。

ホヤ刺身:900円

生しらす、鯵ともに期待以上。これはもう一品食べたいと、はしりものの三陸産ホヤもお願いしました。神奈川県でホヤ刺し?と思われるかも知れませんが、これがまた秀逸。甘味、塩味、酸味、苦味、そして旨味がぎゅーっと詰まっています。

菊正宗:480円

こんな刺身を前にしたら、当然欲しくなるのが日本酒です。地酒も揃っていますが、こういう食堂ではやはり大手銘柄が似合うと思います。おなじみ、上撰 菊正宗 本醸造のおかん瓶をもらいました。

そうそう、この味です。辛口のキクマサもホヤにかかれば、あら甘い!

太刀魚塩焼き:1,550円

初夏から脂がのる魚といえば、太刀魚。三浦半島でよくとれる魚ということもあり、『かんのん』でも期待して注文しました。でてきてびっくり。太刀魚が好物でよく食べていますが、これほど大きいものは食べたことがありません。

握りこぶしほどの膨らみがある、ふっくらとしたもの。

焼き具合がよく、トロトロになっています。脂の旨味と甘味に、昼飲みでウトウトしてきた脳が覚醒しました。目が覚めるほど美味しいとは、まさにコレのこと。

黒松剣菱:750円

美味しい魚には、美味しいお酒。菊正宗と同じく灘・御影郷の酒蔵、剣菱酒造がつくる黒松剣菱をぬる燗でお願いしました。味が濃い剣菱と濃厚な太刀魚、最高のペアリングです。

めごち天:1,200円

ここまで、どの魚もすべて主役級です。となれば、シビアなメゴチの天ぷらも食べてみたい!

江戸前の味、天ぷらになくてはならないメゴチですが鮮度が重要です。初夏から秋が旬。ときどきがっかりするものがありますが、『かんのん』なら期待できます。それでは一口。これはイイ!

クサミは皆無。ホクホク、トロトロで独特な甘味がたまりません。

ごちそうさま

魚好きなら、一度は訪ねていただきたい『かんのん』です。 建て替えで店の雰囲気は大きく変わりましたが、料理の良さは変わっていません。むしろパワーアップしたと言っても過言ではありません。

お昼から飲めるお店で、しかも土日も営業していますので、休日に『かんのん』を目当てにJR線で小さな旅に出掛けてみてはいかがでしょうか。

店名活魚料理かんのん (観音食堂)
住所神奈川県鎌倉市大船1丁目9−8
営業時間11:30~19:00(水定休)
創業1960年