軍港とともに栄えてきた港湾都市・横須賀は、夜勤が多い職場や漁業関係者が漁を終えて昼間から街に繰り出すことなどが要因となり、多くの居酒屋が昼飲み営業を行ってきました。現在でも変わらず、特に老舗酒場を中心に日中から営業しています。
今回は、横須賀においてなくてはならないお昼から飲める老舗酒場や角打ち、立ち飲みをご紹介します。居酒屋愛好家の方であれば、京急に乗って遠方からでも飲みに行きたくなる素晴らしい酒場が集まっています。
1,『中央酒場』
朝10時開店。横須賀中央を代表する人気老舗酒場『中央酒場』。昭和28年からチューサカの愛称で親しまれてきた名店です。
代々家族経営で引き継がれてきたお店は、お客さんも世代を超えて常連さんです。朝10時開店ということで、近隣の公務員、医療、鉄道など幅広いジャンルで働く人たちの夜勤明け飲みスポットになっています。
最初の一品は刺身が人気です。三浦半島などで揚がる鮮魚を馴染みの鮮魚店を通じて仕入れているそうで、これが安くてとびきり鮮度がイイ。名物の牛すじ煮込みや、横須賀特有のカラシを塗った湯豆腐も人気です。
筆者のおすすめはお店で手作りしているシュウマイ。肉がみっちりと詰まっており食べごたえがあります。
長年変わらず扱い続けているキリンラガーの樽生か、もしくは氷なしの三冷ホッピーで乾杯です!
住所 | 神奈川県横須賀市若松町2-7 |
営業時間 | 営業時間 10:00~22:30(L.O.22:10) 定休日 日曜・祝日(金曜が祝日の場合、間の土曜もお休み) |
創業 | 1953年 |
2,『酒蔵お太幸 中央店』
中央酒場と同じ横須賀中央駅脇の路地にある『酒蔵お太幸』も55年続いてきた評判の居酒屋です。店は非常に大きく、一階はコの字ともロの字ともえない変形凹形で酒場のカウンターが好きな方ならテンション上がること間違いなし。二階も広くて、一人飲みから職場の宴会まで幅広いニーズに応えてくれます。
しかも開店時刻は15時(日曜日は13時)と早い!
こちらもお酒は氷なしのホッピーが人気。また、軍港の街ということもあってか焼酎が非常に濃く、横須賀の濃い酎ハイは酒類関係者の間で「横須賀割り」と呼ばれてきました。
料理は春巻き、餃子、肉まんなど中華料理が多いですが、焼鳥から和食全般までなんでもあります。
夜は大変賑わうお店ですが、日中はのんびりとした時間が流れています。安くて美味しい名酒場、ぜひ訪ねて欲しい一軒です。
住所 | 神奈川県横須賀市若松町2-7 |
営業時間 | 営業時間 [月 ~ 木 ] 15:00~22:00 [金土祝前] 15:00~22:30 [日祝 1階] 13:00~22:00 [日祝 2階] 15:00~22:00 日曜営業 定休日 年末年始 |
創業 | 1957年 |
3『天国 横須賀中央店』
おそらく横須賀で最も大きいテントが通行人の興味を引かせています。
店名の『天国』は「てんごく」ではありません。「てんくに」です。大船や伊勢佐木町にも支店があるローカル飲食企業「中央立花」の旗艦店。2012年にリニューアルをしましたが、それでも年季の入った立派な佇まいは変わりません。
“横須賀イチ”は、ファサードテントの大きさだけではありません。店内のカウンターの長さもずば抜けた長さです。
料理は魚介類をはじめ、酒場の定番を一通り揃えつつ、それでいて安い!
ナカが多いと評判のホッピーは、横須賀の他店同様氷なし。それでも、ソトを一回では使い切れないほど、ナカが注がれてきます。
ホッピー(いわゆる白ホッピー)と黒ホッピーを両方もらってハーフアンドハーフにするのがオススメ!
名物の唐揚げを頬張りながら濃いめのホッピーを飲めば、お昼から気分は天国です。
住所 | 神奈川県横須賀市若松町1-14 |
営業時間 | 営業時間 12:00~23:00(L.O22:00) 日曜営業 定休日 無休 |
創業 | 1971年 |
4,『市場食堂 横須賀中央店』
魚介類をメインに楽しむならば、駅前にある食堂もおすすめしたい!『市場食堂 横須賀中央店』は、金沢文庫にある市場食堂の支店として2006年にオープン。
お昼から通しで営業しており、定食にビールを1杯つけるような食事メインの使い方から、単品の刺身や焼魚をもらってちょっとした飲み会まで使えます。
今日の仕入れはホワイトボードに書かれており、メジナ、クロダイ、タチウオ、サワラなどの地魚や三崎漁港であがるマグロまで、魚種の多さはピカイチ。
かぶと煮をもらえば、これで何杯でもお酒が進みそうです。※お酒は適量で。
住所 | 神奈川県横須賀市若松町3-12 |
営業時間 | 営業時間 [月~土] 11:00~22:00 [日] 11:00~21:00 日曜営業 定休日 不定休 |
開店・創業 | 2006年 |
5,『やきとり相模屋』
焼鳥で飲みたい方は、駅近くの焼鳥専門店『相模屋』へ。
昭和37年から続く老舗で、横須賀で焼鳥の立ち食いといえばここ。立ち飲みスペースとは別にコの字の椅子席があります。
焼鳥は今の時代でも一本100円均一!一品料理もいくつかあり、ビビンバなどが人気。
庶民派の店内で、お昼からビール片手に焼鳥をつまめばきっと横須賀の違った魅力が感じられるはずです。
住所 | 神奈川県横須賀市若松町1-1 |
営業時間 | 営業時間 12:00~21:00(L.O.20:45) 日曜営業 定休日 無休 |
創業 | 1962年 |
6,『酒のデパート ヒトモト』
横須賀駅前には角打ちもあります。『ヒトモト』は130年以上続く横須賀の有力酒販店で、その一画が小売スペースと角打ちになっています。角打ちをはじめて半世紀以上の歴史があり、その長さの分だけ幅広いお客さんがやってきます。
ベテランのお姉さんたちがスピーディーに切り盛りしてくれる店内。小売価格そのままとはいかないものの、立ち飲みよりも一回り安い値段で提供してくれるのはさすが。
料理の品揃えは控えめですが、横須賀特有のカラシをつけて食べる湯豆腐もあります。
日本酒、洋酒、ビールまで一通り揃うお店ですが、オススメはローカルなレモン系割材で飲むレモンサワーです。もちろん焼酎はしっかり濃い目。
住所 | 神奈川県横須賀市若松町1-2 ヒトモトビル 1F |
営業時間 | 営業時間 [月・火・木~土] 10:15~20:30 [日・水・祝日] 10:15~20:00 日曜営業 定休日 無休 |
創業 | 1889年 |
7,『国民酒場じぃえんとるまん 横須賀中央店』
最後にご紹介するお店は、上大岡発祥の立ち飲みチェーン『じぃえんとるまん』の横須賀中央店。なんと大瓶が410円という、首都圏の立ち飲みとは思えない安さです。
チェーン店(FC)らしい清潔、明るい店内。一人前サイズの料理がワンコイン以下で揃っていて、一人飲みで利用しても1,000円でお釣りが来るほどのリーズナブルさが魅力。マグロの水揚げ港として有名な三崎港が近いですし、ここはマグロをつまみに飲んでみては?
住所 | 神奈川県横須賀市大滝町2-11 寿楽ビル 1F |
営業時間 | 営業時間 月~金 16:00〜22:00 土日祝 14:00~21:00 揚げ物LO 閉店1時間前 その他LO 閉店15分前 日曜営業 定休日 水曜日 |
創業・開業時期 | 2017年 |
(取材・文・撮影/塩見 なゆ)