恵比寿はビールの街ですから、お昼から飲める店はもちろんあります。サッポログループの直営店はもちろん、歴史ある食堂、サッポロ社員行きつけの老舗酒場、角打ちまで多数。今回はサッポロさんを取材することが多い筆者が選ぶ、恵比寿訪問時にオススメの昼飲みスポットをご紹介します。
目次
サッポロビール本社がある恵比寿での昼飲みについて
恵比寿は、かつて下渋谷村(一部は三田)と呼ばれていました。畑や山林が広がるこの地に、1889年(明治22年)、レンガ造りの製造する醸造所が日本麦酒醸造会社によって建設されました。当時の写真からはいまの恵比寿の賑わいは全く想像できませんね。
ここで製造するビールは、当初「大黒ビール」と名付ける予定が、商標の関係で「恵比寿ビール」となりました。これが、恵比寿のはじまり。
1901年、ビール工場の横を通る日本鉄道(現在のJR山手線)に、恵比寿ビールを出荷するための貨物駅が開業し、駅名は全国でも珍しい商品名を関した「恵比寿」駅に決定します。5年後には旅客駅も開業、日本麦酒(現在のサッポロビール)の企業城下町として発展したのでした。
さらに、なんと1928年(昭和2年)には、住所表示までが「恵比寿通1丁目」などに変更されます。その後、サッポロビールの工場は船橋へ移転し、跡地は恵比寿カーデンプレイス(サッポロHDの不動産部門)となりって、一気にオシャレ街道を駆け上がっていきました。
いまでも恵比寿は札幌と並ぶサッポロビールの拠点であり、恵比寿駅の発車メロディ「第三の男」(ヱビスビールのCM曲)だったり、ビール坂、ビール橋など、ビールに関連する名称が使われていたりと、恵比寿の街に「ビール」という個性を与えています。
恵比寿周辺の昼飲みスポットをご紹介
1,ヱビスバー恵比寿ガーデンプレイス店(YEBISU BAR STAND)
まずは公式ともいえる、サッポログループ直営の店舗から。場所は恵比寿ガーデンプレイスへ入ってすぐ。無休で11時から営業。
ヱビスバーは、サッポロHD傘下の飲食事業会社、サッポロライオンが運営するヱビスビールの公式アンテナショップ。内装や提供する料理まで、すべてヱビスの世界観を反映したものです。1号店の銀座コリドー街店が旗艦店ポジションですが、さすがはガーデンプレイス店にも相当力を入れているようで、提供されるメニューなどは他店と異なります。
住所 | 東京都渋谷区恵比寿4丁目20番5号恵比寿ガーデンプレイス エントランスパビリオン棟1階 |
営業時間 | [月~土] 11:00~22:30(料理L.O.21:45 ドリンクL.O.22:00) [日・祝] 11:00~22:00(料理L.O.21:15 ドリンクL.O.21:30) (基本無休) |
開業時期 | 2022年9月13日 |
公式サイト | ホームページ |
2,JOLLYS(阿波屋酒店)
恵比寿にも角打ちがあることをご存知でしたでしょうか。ここは恵比寿駅に近い角打ちです。
以前は阿波屋酒店という酒屋さんでその頃から店内飲酒ができましたが、世代交代後、アメリカ東海岸を彷彿とさせるオシャレなスタンディングパブにリニューアル。いまも酒販店であり、冷蔵庫から好きなビールを取り出すスタイルは角打ちそのもの。樽生ビールもあります。
クラフトビール・輸入ビールに力を入れており、世界中のビールが味わえます。もちろんサッポロ黒ラベルもあるのでご安心を。店の奥にはステージがあり、ライブまでやれるという個性派角打ちです。夜は外国人が多く、海外のパブにいる気分。
すぐ近くにはバカルディ・ジャパンの本社事務所もあります。
住所 | 東京都渋谷区東3-15-12 第2阿波屋ビル 1F |
営業時間 | 14:00~24:00(日定休) |
開業時期 | 1921年(現在の形態は2016年5月) |
3,こづち
恵比寿駅から近い50年以上続く食堂「めし処こづち」は、お昼時には行列ができるほど人気の老舗食堂です。ベテラン会社員で賑わう店ですが、最近では若い女性グループも訪れるなど、幅広い客層に愛されています。肉生姜炒め定食、とんかつ定食、日替わりの600円ランチなど、食堂の定番メニューが揃っており、回転が早く、千円で満腹になれます。
かつて恵比寿にあったビール工場のランチスポットとしても愛され、現在でもオフィス勤務者の午後の活力として親しまれています。飲み物はサッポロラガービールと日本酒しかありませんが、肉豆腐やメンチカツを楽しみながら昼飲みを楽しむことができます。ただし、ランチのピークは混んでいますから飲むならば13時時以降を推奨します。
住所 | 東京都渋谷区恵比寿1-7-6 陸中ビルハイツ 1F |
営業時間 | 営業時間 10:30~18:00 定休日 日曜日 |
開業時期 | 1957年 |
4,たつや
昭和51年創業、もつ焼き「たつや」は、朝8時から営業している老舗酒場。美味しいもつ焼きが食べられると、夜勤明けの人、休日を楽しむ人で明るいうちから賑わいます。生ビール(サッポロ黒ラベル)は状態抜群。壁には電光表示型の「売り切れ/販売中」があり、今日の串の提供状況がわかります。
メニューは、5本で850円のお得な盛り合わせから。ハツ、タン、カシラなどを塩で提供しています。黒ホッピーは、恵比寿の「たつや」が発祥の地で、白ホッピーにギネスを混ぜた店独自の「黒ホッピー」が現在の黒ホッピーの原点です。
住所 | 東京都渋谷区恵比寿南1-8-1 STM恵比寿ビル 1F |
営業時間 | 営業時間 [月~土] 8:00~23:00 [日・祝] 8:00~22:00 日曜営業 定休日 お盆・年末年始 |
開業時期 | 1976年 |
5,恵比壽ビヤホール
JR恵比寿駅前の地下にある巨大なビヤホール。銀座ライオンを展開するサッポロのグループ企業、サッポロライオンの運営ですが、場所が恵比寿というだけあってライオンではなく特別な店名がつけられています。
ここの特長は、なんといっても液種(ビールの銘柄)の種類豊富さ。黒ラベル、ヱビスビール、ヱビスプレミアムブラック、琥珀ヱビス、ヱビスマイスター、エーデルピルス、白穂乃香、SORACHI1984まで、都内で一般発売されているサッポロの樽はすべて揃っています。サッポロビール本社で仕事の打ち合わせ後、「それではビヤホールで続きを」とここに流れることも多々ある、関係者の皆さん御用達のビヤホールです。
お昼から通し営業なのが嬉しいところ。天井が高く店も広いので、どの席でも落ち着けます。筆者のオススメはビールタップ前のカウンター席での一人飲み。マニア向けのかぶりつき席です。
住所 | 東京都渋谷区恵比寿南1-1-1 ヒューマックス恵比寿ビル B1F |
営業時間 | 営業時間 [月~木曜日] 11:30~22:30(ランチ11:30~14:30) LO : 料理21:45、ドリンク22:00 [金・土曜日・祝前日] 11:30~23:00(ランチ11:30~14:30) LO: 料理22:15、ドリンク22:30 [日曜日・祝日] 11:30~22:00(ランチ11:30~14:30) LO : 料理21:15、ドリンク21:30 日曜営業 定休日 年末年始 |
開業時期 | 2014年3月19日 |
公式サイト | 食べログで予約 ホームページ |
気になるお店はみつかりましたか
サッポロビールは現在、渋谷区やJR東日本など幅広く企業や行政と手を組み、恵比寿の活性化に取り組んでいます。2023年度末にはガーデンプレイスでビール醸造を開始する計画があり、今後もビールの街としてブラッシュアップされていきそうです。
休日は新しくなったガーデンプレイスや、オシャレだけどどこかお酒の雰囲気感じる恵比寿へビール散歩に出かけてみてはいかがでしょう。
ほかにもこんなお店が手頃な価格で昼飲み営業しています。
- TAPS BY YEBISU(JR恵比寿駅改札内にあるビヤスタンド。運営はJR東日本クロスステーション)
- 恵比寿大龍軒(2019年にリニューアルした町中華)
- 恵比寿 スタンド富士(浜松町にもあるネオン系食堂酒場)
- 恵比寿ハジカミ(かつて中華天童があっと場所に誕生したネオ酒場※中休みあり)
(取材・文・特記なき写真の撮影:塩見 なゆ)