渋谷の立呑 富士屋本店が、渋谷桜丘に復活します。オープンは11月24日予定。ハムキャ別やナス味噌などの往年のメニューに加え、酒場好きの心をくすぐるセンスの良い料理が多数登場。立ち飲みオンリー、レトロなカウンターで乾杯しましょう。
目次
変わりゆく渋谷で失われた立呑 富士屋本店が、場所を変えて再始動
駅もその周辺も、戦後、最も大きく変化している現在の渋谷。今年は東急100周年の節目の年ということもあり、東急プラザ渋谷など様々な施設が開業します。
同時に再開発の中で消えていった施設も多く、一帯の飲食店も移転や閉店が続きました。そうした中でも、復活の嬉しいニュースがいくつかありました。そのひとつが、『立呑 富士屋本店』の移転再開です。
ビルの地階にあった大きな変形ロの字カウンターの立ち飲み店だった富士屋本店。その後、同店を起点として、三軒茶屋に釣り堀をリノベーションしたグリルバー富士屋本店など、洋風業態を次々と開店しました。
そうした中で、同社の飲食事業発祥の地でもあった立呑富士屋本店が入るビルの再開発が決まり、2018年10月30日、大勢のファンに見送られ営業を終えました。
いつか復活させたい
そう話す関係者の言葉がありましたが、それがいいよいよ具現化。2022年の春、筆者は浜町の富士屋本店へ伺い、再開についての第一報を取材しました。当初は夏のオープンに向けて準備が進められていましたが、半導体不足、人員問題など、様々な事情から開業は延期される事態に。それが、ついに開店の日が決定されました。
外観
『立呑 富士屋本店』の正式なオープン日は2022年11月24日で決定。現在はそれに向けた運営テストが行われています。
今回は、実際に料理を提供するプレオープンの様子をご紹介します。なお、本営業と同じ内容であることを保証するものではありません。
内観
当サイトでは、すでに開業直前の店内の様子を掲載していましたが、実際にお客さんを入れての営業となり、今後の姿が見えてきました。
もともとふたつの別のお店だった建物を繋いだ構造となっており、カウンターもふたつあります。このカウンターを中心に、4名程度のグループ利用ができる立ち飲みテーブルや、店先(私有地内)の外飲みコーナーが設けられました。
古い建物の味わいを残しつつも、内装や調理機器は刷新。味わいがありながらも清潔感のある雰囲気です。かつての地下の富士屋本店とは味わいに違いがあるものの、これはこれで心地よく感じられるのではないでしょうか。
品書き
それでは品書きをみていきましょう。かつての立呑富士屋本店から受け継いだ生ビールや甲類焼酎、そして「レガシー」といっても過言ではないハムキャ別(富士屋本店ではキムキャベツをこう表記)などが並びます。
お酒
樽生ビールはアサヒ生ビール(マルエフ)とサッポロ生ビール黒ラベル:各500円、瓶ビールはアサヒスーパードライ中瓶とサッポロラガー(赤星)中瓶:各495円。
焼酎は、宝焼酎 360ml:750円、220ml:500円、そのほか、ブラックニッカ180ml:750円、スーパーニッカ:50ml、ホッピー:350ml、自家製サワーのもと各種など。
本日のうまかもん
ハムキャ別:400円、しいたけ天:450円、ねぎぬた:300円、なすみそ:300円などがレガシーメニュー。
魚介料理、〆サバ:800円、戻り鰹たたき:1,000円、寒ブリ塩たたき:1,000円、鰯海苔巻き:850円、アジ薬味和え:800円、生牡蠣ポン酢:600円、あん肝ポン酢:500円、イワシ梅煮:600円、アジフライ:450円、しらす鬼おろしやっこ:400円など。
冷菜や肉料理はつるむらさきおひたし:350円、明太ポテトサラダ:400円、カツオレアフライ:800円、白子グラタン:900円、焼売(牡蠣・海老・きくらげ)各2個:400円、芋豚カツレツ:800円、和牛たたき:950円、牡蠣のオイル漬け:600円、和牛のグリル:1,400円、豚舌のおでん:950円、鶏レバーオイル漬け:400円、イカクリームコロッケ:500円、雲仙ハムカツ:750円、自慢のメンチ:550円、自家製ソーセージ:700円など。
〆は、ナポリタン:750円、明太子スパゲティ:900円、海鮮蟹チャーハン:900円など。
その他、牛すじ煮:450円、手羽先の甘辛:500円、砂肝のアーリオオーリオ:550円、鶏ささみきゅうり梅和え:650円、白えび唐揚げ:700円など。
懐かしのメニューだけではない、飲兵衛心をくすぐる酒の肴たち
サッポロラガービール(495円)
旧店時代はだいたいビンの黒ラベルとハムキャ別をお願いしていました。あの頃の感覚でオーダーできるのがどれほど嬉しいことか。
赤星(サッポロラガー)の中瓶が似合います。価格はこの立地で500円未満と、今の時代にあわせた良心価格なのも素敵です。それでは乾杯!
ハムキャ別(写真は取材用)
ハムキャ別のハムは往時の富士屋本店と同じもの。以前の女将さんだったヨシエさん直伝のメニューがしっかり用意されています。
サッポロ生ビール黒ラベル(500円)
ハムキャ別で1本飲んだところで、次は生ビールを。2つの銘柄から選べますが、私は旧店舗を懐かしんで、地下のお店と同じサッポロ生ビール黒ラベルを。改めて乾杯!
鰯海苔巻き(850円)
それでは、ここから新メニューをいくつかご紹介します。こちらは今流行りのあて巻きのような、鰯海苔巻き。一口サイズで満足感の高いおつまみです。
寒ブリ塩たたき(1,000円)
季節メニューですが、寒ブリ塩たたきが絶品でした。芳ばしさとカラシの風味、そして炙ったことで引き締まったブリの脂の甘さがとても良いです。
牡蠣フライ(850円)
同店の料理は浜町で腕を振るっていた料理長が異動してきてつくっているので、三軒茶屋や浜町などのテイストを感じます。
ポピュラーな牡蠣フライも、自家製のタルタルと丁寧な盛りつけでこの通り。牡蠣そのものの食べごたえも十分にあり、おすすめしたい一品です。
雲仙ハムカツ(750円)
立ち飲みにはかかせないおつまみ、ハムカツ。こだわりの雲仙ハムを使用しています。
牛すじ煮(450円)
酒場らしい料理がいくつかあります。牛すじ煮もそのひとつですが、味はとても洗練されており、煮込み系をあまり食べない人もこれは独り占めしたくなりそうです。
焼売きくらげ(100円/個)
新・名物メニューとなりそうな焼売。具は3種類あり、もちろん餡から手作りです。
鶏ささみきゅうり梅和え(650円)
ちょっとした箸休めもテンションが上がるものばかり。
芋豚カツレツ(800円)
主菜にはカツレツを選んでみました。どこか懐かしい日本式欧風料理店の味です。ケチャップソースも自家製のようで、立ち飲みとはいえこの価格で食べられるのは素晴らしいと思います。
イカクリームコロッケ(500円)
クリームコロッケは、なんとイカスミでした。中まで真っ黒。イカスミならではの濃厚な味がビールを進ませます。
赤星や黒ラベルを飲みながら、あっという間に2時間。美味しい料理の数々に大満足のひとときでした。なお、お会計は以前のような都度払いではなく、最後にまとめてお会計する方式です。
外飲みスペースで、赤いビールケースをテーブルにして飲んでいた皆さん。屋外もまだまだ楽しめそうです。
ごちそうさま。
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(取材・文・撮影/塩見 なゆ 取材協力/富士屋本店・サッポロビール株式会社)
店名 | 立呑 富士屋本店 |
住所 | 東京都渋谷区桜丘町16−10 |
営業時間 | 営業時間:月〜金 17:00〜22:00 (L.O 21:00) :土 16:00〜22:00 (L.O 21:00) :日曜、祝日 15:00〜20:00(L.O 19:00) 定休日 :無休 |
開業年 | 2022年11月24日 |
公式サイト | https://fujiyahonten.co.jp/stores/tachinomi/ |