【保留】名護『みなと食堂』海人が集まる港の老舗食堂。新鮮な刺身を肴にお昼酒

【保留】名護『みなと食堂』海人が集まる港の老舗食堂。新鮮な刺身を肴にお昼酒

2022年7月17日

名護港に隣接する『みなと食堂』は、お客さんの多くが海人(うみんちゅ)です。名護港で水揚げされた魚をつかった魚介料理を地元価格で食べさせてくれます。生ビールもリーズナブルで、1杯350円。

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魚とあぐー豚とビールが揃う『食材のまち』

沖縄本島北部に位置する人口6万人の街、名護市。

農水産業が盛んで、琉球在来豚「アグー」の養豚や、様々な花卉やフルーツの生産、名護漁港を拠点とした近海漁業やクルマエビ養殖など、挙げればきりがありません。

沖縄を代表するビールであるオリオンビールも名護発の商品です。県下全域に出荷されているオリオンビールは、同社唯一の自社工場であるオリオンビール名護工場で生産されています。

また、隣接する本部町とともに、水族館、リゾートホテルなどが立ち並ぶ南国の景勝地として観光業が盛んです。

このように、一次産業から三次産業まで揃う名護は、筆者のような飲んで食べることが好きなタイプにはたまらない街です。

外観

そんな名護で今回訪ねたお店は、名護市役所庁舎からほど近い名護漁港に隣接した『みなと食堂』です。長年この場所で営業してきた老舗で、女将さんが中心となって家族で切り盛りされています。

店の前は海水があがってくる小さな川が流れています。その対岸は漁船が集まる船溜まり。文字通り「みなと」の食堂なので潮風の影響もあってか、かなり年季のはいった雰囲気です。ですが、ここがなんとお客さんで満卓になっているのですから驚きます。

内観

カウンターにテーブルが数卓で、合計10席弱のコンパクトな店内には、水産関係の調度品が所狭しと飾られています。

水揚げ後、船を戻してきたばかりという雰囲気の漁師さんが多く、お客さんはほぼすべて水産関係、近隣の事務所勤めの方など、地元の皆さんです。

品書き

お酒

生ビールオリオン ザ・ドラフト):350円、泡盛各種あり。

料理

イカ汁:1,000円、魚汁:600円、みそ汁:500円、さしみ定食:800円、魚マース煮付け定食:時価、魚アラ煮定食:800円、みそ和え定食:800円など。

名護の魚と、名護のビール

大衆食堂でお酒を飲む「食堂飲み」は楽しいです。沖縄の漁港の脇にある古い食堂となれば尚更です。

生ビール(350円)

お昼から夜までやっていて、早い時間からでもお酒が楽しめます。

キンキンに冷凍庫で冷やしているジョッキに注がれる、名護づくりのオリオン生ビールにテンションアップ!乾杯。

さしみ定食(800円)

定番のさしみ定食をお願いしました。混んでいることもあり少々時間がかかりましたが、運ばれてきてびっくり。刺身も盛りが豪快で、お椀は沖縄そばでした。

生マグロがとにかく絶品。もちもちとした食感に、爽快な香りと豊かな味わいがたまりません。

南国の魚のイメージが強い沖縄の海産物ですが、実は漁獲量の半分近くはマグロ類なのだそう。沖縄のマグロ漁獲量は全国三位というから驚きです。

近海で釣れる(延縄漁)ため港までの所要時間が短く、冷凍せずに生鮮状態で食卓に届きます。まして、漁港市場が目と鼻の先にあるみなと食堂ならば、尚更新鮮なマグロが味わえます。

白身魚はマチなど沖縄特有の魚です。アカマチは旨味がつまっています。水揚げ次第で内容は変わると思いますが、非常に満足度の高い内容です。

また、沖縄の食堂でしかみかけない刺身の食べ方に「みそ和え」というものがあり、『みなと食堂』でも、みそ和え定食(800円)が用意されています。これはやや甘い酢味噌をマグロやカツオ、白身魚の刺身に絡めたもの。刺身のぬたに近い料理です。

女将さんのほうから話しかけてくれるようなフランクな接客も楽しいです。名護の魚をおつまみに楽しい食堂飲みでした。

ごちそうさま。

(取材・文・撮影/塩見 なゆ)