調布『フジヤマテキサス』百店街の串揚げ立ち飲み。15時開店の人気店

調布『フジヤマテキサス』百店街の串揚げ立ち飲み。15時開店の人気店

2022年6月2日

ハワイに憧れた店主が、調布百店街ではじめた串揚げ立ち飲み『フジヤマテキサス』。なんと夢を叶えてハワイに支店を開業。調布の本店は気遣い上手な店長が一人で切り盛りされています。肝心の串揚げですが、リーズナブルでしっかり美味しい!ホイスやホッピーが進みます。

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新旧様々な酒場が立ち並ぶ調布の駅前横丁へ

多摩地区を代表する街のひとつ、調布。天平5年(733年)に創建された古刹「深大寺」の門前町として、江戸時代から多くの参拝・見物客で賑わってきた歴史があります。

観光地から現在のようなベッドタウンへと姿を変えるきっかけとなったのが、1913年(大正2年)の京王電気軌道(現在の京王電鉄)開通です。新宿、府中とつながり、さらに1971年(昭和46年)には京王相模原線が開業すると、街は急速な発展をみせ、駅前には立派な飲み屋街も形成されました。

『調布百店街』も、街の急速な復興と発展の中で誕生した。今となっては大型商業モールが立ち並ぶ調布で、ここだけ時代の変化から取り残されたような場所です。

大衆的な中華屋さんや、老舗の居酒屋、人気のもつ焼き店などが軒を連ねています。駅の地下化で人の流れが変わり、「百店街」はよりの飲兵衛濃度が高まったように思います。

ここにある不思議な店名の『フジヤマテキサス』が今回ご紹介する酒場です。

外観

いわゆるネオ居酒屋的なインパクトを受ける店名ですが、店はもう10年以上になります。創業は2011年。

内観

店長さんが一人で切り盛りする立ち飲みです。厨房に向いたカウンターに6人、壁側の5人程度の台があり、定員は10人くらいといったところ。

いい塩梅に燻されており、古い酒場が好きな人は落ち着きそうです。それでいて、必要性のある場所はしっかり衛生的。

フジヤマテキサスはハワイ進出にぴったりな店名

ハワイで飲食店を開くのが夢だったオーナー夫婦が創業したのが『フジヤマテキサス』の始まり。2016年にはなんと夢がかなってホノルル、ワイキキビーチにも近いキングストリートに支店をオープン。店名はハワイの日本料理店風に「日本=フジヤマ」から付けたのですね。

そにしても、ハワイに支店があるとは思えないくらい、地域密着な小箱な店です。

オーナー夫妻はハワイに移住し支店を切り盛りし、本店である調布のお店は店長さんに任されているのです。この店長さんも物腰が柔らかで気が効く方。初めての人は、立地や店構え的には入りにくさがあるかもしれませんが、暖簾をくぐってしまえば丁寧に応対してくれるはずです。

品書き

お酒

樽生ビールアサヒスーパードライ):460円、瓶ビールアサヒスーパードライ):560円。

お店のおすすめは元祖酎ハイ ホイス:390円、調布に工場があるホッピー(白・黒)セット:390円、チューハイ類はコーン茶ハイ男梅サワーなど360円。グラスワイン:390円、日本酒は秋田の両関:500円。

串揚げ・一品料理

串揚げの品揃えはかなり充実しています。一品料理は最小限で、まさに串揚げ屋台といった内容です。

活アジじゃがハム玉ねぎナスピーマン:80円。地鶏ささみ豚バラ赤ウインナーしいたけゲソしゅうまいなど:160円。キス大葉巻ホタテ牛肉カキ海老など:220円。本ズワイガニ爪アスパラ:250円。

一品料理は、大阪鶴橋キムチ:390円、冷奴:190円など。

五種盛りを頼んでおけば間違いない!

黒ホッピーセット(390円)

一杯目は生ビールといきたいところですが、今日はホッピーから。実は調布はホッピーのふるさと。ホッピービバレッジ唯一の工場が調布にあります。街の産業に敬意をもって、いただきます。

ナカの焼酎は、標準で冷凍庫で凍らせたシャリ酎となっています。夏場はとくに嬉しいですね。

それでは乾杯!

おすすめ5種盛り(780円)

串揚げはなんと35種類。中には子持ち昆布や活アジなど、気になる種があるのですが、あれもこれも食べたくなてきます。悩んだらおまかせが一陣ということで、おすすめ5種盛りを選びました。

玉ねぎれんこんきす大葉巻。パン粉は細かく、注文を受けてから丁寧に衣をつけて脂を潜らせていきます。カウンターでは調理の様子を間近で見ることが出来きます。

お通しのキャベツをバリバリと摘みながら、ホッピーをグッと喉に当てていると、出来上がり。

基本的にはソースで食べるのですが、「きす大葉巻はレモン果汁と塩で食べてみて」と店長さんは提案。きすは繊細な味ですから、ソースだと味が隠れてしまうのでしょうね。サクっと揚がった衣の軽さも楽しめます。

鶏ささみ豚バラがでて、合計5本。鶏ささみは大きくてホクホク。揚げ具合が絶妙で、加熱したササミ特有のパサツキは皆無です。これはソースではなく、カウンター備え付けのポン酢で食べると良さそうです。

豚バラは薄くスナック菓子感覚です。串カツみたいな豚バラをイメージしていましたが、こういうジャンキーなものもなかなか。揚げたての衣にたっぷりとソースをかけたら、ジュッと音がしました。

南国割り(360円)

ハワイに支店があるからこそ、「南国割り」の名前にも箔がつきます。串揚げ店なのにマンゴージュースを常に置いているお店で、マンゴービールなども昔から人気のようです。白ワインとあわせた南国割りは、想像どおりサングリアのような爽やかな味。

BGMはテレビだけ。開店は午後3時と早いのですが、口開けからお客さんがさっと立ち寄っては、1,500円程度で串揚げつまみにお酒を飲んで次へと流れています。お客さんやお店の方との距離が近く、居合わせた人と一期一会の会話がうまれるかも。

ここは全国でも珍しいホイス酎ハイを提供しているお店でもあります。地場産業のホッピーか、幻のホイスか、定番のアサヒスーパードライか、一杯目に悩むのもまた楽しいかも?

ごちそうさま。

(取材・文・撮影/塩見 なゆ)

店名フジヤマテキサス
住所東京都調布市布田1-49-3 1F
営業時間15:00~24:30(月定休)
開業年2011年