坂町「なご道」割烹の2代目がつくる技あり海鮮料理、大洋盛で乾杯!

坂町「なご道」割烹の2代目がつくる技あり海鮮料理、大洋盛で乾杯!

2021年9月14日

酒と魚の宝庫、村上市。今日は坂町から夫婦で切り盛りする評判の海鮮料理店「なご道」をご紹介します。岩船や山北から仕入れた新鮮な日本海の幸に舌鼓を打ちながら、村上の銘酒・大洋盛で乾杯を。ランチ営業でもしっかり飲めます。

スポンサーリンク

鉄道のまち、坂町の海鮮料理店へ

新潟県の最北端に位置する村上市。

酒と鮭、ふたつのサケが有名です。氷頭なます、鮭とば、塩引き鮭、そしていくら。どこをとってもお酒にあいます。鮭だけでなく、春のサクラマスや鯛、夏ののどぐろや甘鯛、秋のカマスやボタンエビ、冬のズワイガニや真鱈と、年間を通して、豊富な魚介類が水揚げされています。

街の中心にある村上駅のとなり、JR羽越本線にJR米坂線が合流する坂町駅周辺には、そんな村上の魚を楽しませてくれる店がいくつかあります。

かつて鉄道で栄えた坂町

さて、お酒を飲む旅には鉄道がつきものですが、坂町の飲食店を紹介する上で、町と鉄道の関係を簡単に紹介する必要があると思います。日本全国には「鉄道のまち」と呼ばれた場所がありますが、坂町もそのひとつ。昭和の時代、駅や隣接する機関区では大勢の人々が働き、国鉄官舎に暮らしていました。町の人によれば、最盛期は1,000人規模の関係者が暮らしていたそうです。県内では珍しかったパチンコ店が2つあったり、多くの飲食店に人が溢れ潤っていたと聞きます。

いまの駅前にも往時の名残があり、変わらず営業を続けている老舗の居酒屋や駅前食堂、寿司店などに人々が溢れていた光景が浮かんできます。

かつて、割烹豊作。いまは「なご道」

今日訪ねるお店は、坂町の賑わいをいまに伝える「なご道」。「割烹豊作」として営業していた町の老舗が、代替わりで2011年から「和食とお酒と音楽のお店 なご道」として再オープン。今年で10年目を迎えました。

敷居はひくく、接客は親しみやすく、料理は格別

メガネが似合うご夫婦がお二人で切り盛りされています。割烹の頃や、それ以前の修行時代から和食に携わってきたお二人は、気兼ねなく会話ができる距離感でありながら、パリっとした接客もわすれない、とてもいい雰囲気です。

重厚なカウンター席と、向かい側は畳敷きの小上がり。居酒屋利用だけでなく接待にも使える雰囲気。常連客の姿も多く、長年親しまれていることが伝わってきます。

ビールは風味爽快ニシテと赤星

新潟はサッポロビールの新潟県限定ビール「新潟限定ビイル 風味爽快ニシテ」を2012年から通年で発売しており、「なご道」では珍しい樽生を提供しています。

と言いつつも、今日は赤星でスタート。それでは乾杯です。

お通しから仕事が感じられる店はいいお店。最近は佐渡で昆布の水揚げもあるそうですね。

品書き

ランチタイムの品書きがこちら。一期一会の海鮮丼(1,650円)、関西焼きうな重(3,600円)、海鮮ばくだん丼(900円)、本日のづけ丼(900円)、たれヒレカツ丼(870円)など。

夜は、5品2,500円のコース、3,500円コース、4,500円コースの3種類。単品で岩牡蠣などもあるので、夜にふらっとカウンターで一杯という利用ももちろん可能です。

お酒は生ビールが風味爽快ニシテ、瓶ビールがサッポロラガー、そのほか、村上の大洋盛をはじめ、〆張鶴、県内の地酒、バイスホッピー、なんと東京風の天羽飲料のエキスを使用した焼酎ハイボールもあります。東京の酒場風のお酒は、お二人の趣味の飲み歩きでみつけてきたものだそう。

魚介の鮮度と盛りの良さに驚かされる

村上の岩牡蠣

日本屈指の透明度を誇る国指定の名勝「笹川流れ」でとれる岩牡蠣は、新潟県人自慢の名産品。夏の村上に訪れたならば、食べないわけにはいきません。みずみずしくてぷりっぷり。味にクセはなく、それでいて余韻のグッとくる旨味が格別です。

一期一会の海鮮丼(1,650円)

盛りの良さ、魚種の豊富さ、包丁の技、そして鮮度の良さ。どれをとってもピカイチな海鮮丼。ごはんを少なめにすれば、ランチといわず、お昼から腰を据えて飲みたくなること間違いなし。

二重、三重で魚が隠れています。内容は旬と水揚げ次第。ご主人が毎日市場から仕入れてきます。ぷりっぷりの鯵にも、爽やかな真鯛にも、のどぐろにだって驚きません。

サービス満点。食べすすめると、さらに刺身がでてきます。しめ鯖もいい仕事がされています。

紫雲 大洋盛

村上の酒蔵・大洋酒造がつくる大洋盛。その中でも、紫雲 大洋盛は普通醸造ながら吟醸酒同等に米を磨いた特別なお酒。地産地消銘柄で、村上市を中心とした一部でのみ販売されています。1993年から発売されていますが、近年新たにシリーズに加わったのが生貯蔵酒。紫雲大洋盛を加熱処理せず冷温生熟成し、瓶詰め工程で熱処理したものです。

以前から紫雲 大洋盛のファンですが、生貯蔵酒も米の甘さと旨味がマイルドで、秀逸な食中酒といえます。

地元の魚と地元のお酒。水の流れが同じだからあわないはずがありません。

お昼ごろに坂町を経由する旅程がある方は途中下車して訪ねる価値大。もちろん、夜はもっと本格的な村上の酒と魚がでるわけですから、一泊して訪ねるのも良さそうです。

新潟の魅力は新潟市内だけにあらず。落ち着いたら巡ってみませんか。

ごちそうさま。

(取材・文・撮影/塩見 なゆ)

店名和食とお酒と音楽のお店 なご道
住所新潟県村上市藤沢7−18
営業時間営業時間
[月~土]
11:30~13:30
17:00~22:00
定休日
日曜日(予約があれば営業)
開業年2011年(なご道としての開業年・以前の割烹から含めると創業半世紀以上)