新潟『大倉酒店』酒屋の3代目がはじめたオーセンティックバーな角打ち

新潟『大倉酒店』酒屋の3代目がはじめたオーセンティックバーな角打ち

2024年1月31日

新潟市学校町通にある『大倉酒店』は、おそらく日本で唯一のオーセンティックバーを併設した酒販店です。マスターにシェイカーを振ってもらうもよし、小売の缶酎ハイや地酒を飲むもよし。個性抜群、居心地最高の角打ちです。

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お昼から本格的なカクテルが飲める

お酒屋さんでお酒を飲むことを「角打ち」と呼びます。北は旭川から南は宮古島まで、角打ち営業している酒販店は日本各地に点在しており、工夫を凝らした個性的な店も多く存在します。

食堂兼角打ちの酒屋さんはいくつかありますが、店内で本格的なカクテルを提供するバーを兼ねた店は、ここ、新潟市学校町通にある『大倉酒店』だけではないでしょうか。

最寄りの鉄道駅はJR越後線の白山駅ですが、新潟市役所や新潟大学がある学校町通へは、新潟交通の路線バスのほうが便利です。県下最大の繁華街・古町からは幹線バスで10分少々の「新潟中央高校前」停留所下車。本数も多いです。

地名の通り学校が密集するエリアであり、国道脇の旧道はかつてにぎやかな商店街だった名残があります。

終戦後の1948年に創業した『大倉酒店』は、そんな学校町通の酒屋さんとして長く商売をされてきましたが、町や酒販店を取り巻く環境の変化もあり、3代目が店を継いでからは角打ちに活路を見いだすことに。

店の外観は、昔ながらの商店街にある普通のお酒屋さんですが、店内に入ると立派なカウンターやテーブルが並ぶ客席が広がっていて驚かされます。

店の左半分がそうした角打ちスペースで、右半分が従来からの小売を行うお酒屋さんコーナー。缶ビール、缶酎ハイ、輸入ビールに加え、新潟の地酒がずらりと揃っているところが、新潟の酒屋さんらしいポイントです。

洋酒、スナック菓子、アイスクリーム。酒屋さんらしい商品は一通りあり、これを一般的な角打ちのように店内で食べたり飲んだりすることも可能です。

システムとメニュー

席料と抜栓料

もともとは飲食スペースと小売は別けていたそうですが、お客さんの要望もあって、店内のお酒はすべて飲食スペースへ持ち込むことができるよにしたそうです。

店内飲食はウェルカムフード付きの席料があり、開店から20時までは550円。それ以降は880円です。

角打ち(もっきり)周りの商品、つまり冷蔵庫にあるビールや酎ハイなどは、100円未満切り上げの値段で楽しめます。例:200円台の大手ビール350ml缶は300円

お酒のメニュー

角打ちではなく、マスターに注いでもらうお酒は別途メニューがあります。

  • 樽生アサヒスーパードライ・サッポロ風味爽快ニシテ:各610円~
  • キリンタップマルシェ(ボトル詰めクラフトビール)、サントリー ザ・プレミアム・モルツ マスターズドリーム:各830円
  • 清酒1合:500円~
  • グラスワイン:660円
  • ウイスキー・ジン・テキーラ・ウオツカ・ブランデー・グラッパ:各500円~
  • ジントニック・ネグローニ・ギムレットなどのミキシングカクテル:880円~

料理のメニュー

角打ちのおつまみというより、バーフードといえる本格的な料理が揃っています。

  • ビーフステーキ:1,490円
  • ハンバーグステーキ:990円
  • ソテード越後もち豚:1,100円
  • シーフードカレーライス:940円
  • 焦がしねぎしょうゆらーめん:550円
  • 豆腐ステーキ:550円

角打ちでもあり、本格バーでもある。

樽生サッポロ風味爽快ニシテ

ロマンスグレーが似合う3代目店主の大倉さんは、酒屋さんの3代目というより、オーセンティックバーのマスターといった雰囲気です。

お好きな席へどうぞ、とのことでしたのでカウンターの真ん中へ。洋酒が並ぶバックバーを眺めるも、時刻は14時過ぎ。またお昼間です。そうだ、一杯目はビールにしましょう。マティーニには早すぎます。

新潟らしく、県内限定のビール「サッポロ風味爽快ニシテ」の樽生がありましたので、まずはこれを一杯。注ぎ方が完璧!それでは乾杯

ウェルカムフード

寒い季節、温かいスープを出してくれるバーはありますが、角打ちのウェルカムフードでワンタンスープがでてくるのは初体験。

宝焼酎のやわらかお茶割り

二杯目は、小売コーナーに並ぶ冷蔵庫から、角打ちらしいものを選んでみました。おなじみの宝酒造のお茶割り。小売価格が100円台ですから、店内飲酒は200円ということになります。

ロックアイスつきのグラスを用意し、しかも注いでくれます。

カクテル 雪国(1,000円ほど)

大倉さんは大手食品・酒類会社等で修行後に実家へ戻ったそうですが、家業を酒販店を続ける傍ら、古町・西堀にある老舗バーで4年半ほどバー修行をされたそう。昼間は店番や配達、夜はバーで働くという二足のわらじでお酒のことを学び、その経験を活かして店内にバーを開きました。

「品書きに載っていないカクテルでも、お好きなものをどうぞ」ということで、冬の新潟を楽しむべく、スタンダードカクテル「雪国」(1958年 寿屋カクテルコンクール1位)をお願いしました。

欧米サイズの大きなカクテルグラスを手際よくスノースタイルにし、ウォッカ、コアントロー、ライムシロップを。最後に、雪の下に芽生えた春をイメージする「雪国」に欠かせない明治屋ミントチェリーをひとつ。

ベテランバーテンダーのような所作で作ってくれた一杯は、期待通りの美味しさです。ワンサイズ大きなグラスなので、お昼からしっかりと酔いが感じられました。

ごちそうさま

お昼からカクテルが飲めるバーは、銀座や浅草、神楽坂にはありますが、なんと新潟にもありました!夜はなんと0時過ぎまで営業しているとのこと。

お酒に造詣が深いマスターとの会話も楽しみの一つ。次回新潟を訪ねる際もお伺いしたいと思います。ぜひ訪ねてほしい、非常に珍しいタイプの角打ちです。

(取材・文・撮影/塩見 なゆ)

店名大倉酒店 居酒BAR酒屋
住所新潟県新潟市中央区学校町通2-568-30
営業時間9:00~翌3:00 日曜日は13:00から
創業1948年